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1074話 奥の手を使えるのは一回限り




 状況的に「追い込まれている」と理解しつつも、上級神に上がったばかりの新米で、戦闘タイプには見えないメグミのことを、ナメていた<ゴサン>は……


 殴られると同時に肌の質感が代わり、患部を悍ましい形に変えて枯れ死んだ、仲間の上級神<ネズミ>の姿を眺めた。



『(おかしい! いくら弱っていたとはいえ、あの程度の打撃で上級神が死ぬなんてあり得ないし、患部が癌のようにウネウネと動いたぞ!)』


 しかしメグミのステータスに表示されたスキルセットに、そんな神力はなかった。



 現在はメグミが隠蔽系の神力でステータスを隠したため、覗けなくなっているが……<ゴサン>だって上級神。


 最初にメグミを見たとき、見下しつつも最低限の情報収集はしていたため、彼の<コピイ><ネズミ>殺害前のステータスは頭に入っている。



『(となると、考えられるパターンは……回復魔法を応用した"細胞の暴走"か? 緻密なコントロールを要するものの、ソレを得意とする神は稀にいた)』


 そして長き時を生きた記憶から、メグミが<ネズミ>殴打時にやった行為のネタを導き出すが、答えが分かったところでどうしろと?



 スタミナに余裕がある現在はまだガードのしようもあるが、<ネズミ>のように枯渇してしまったら、もうメグミの細胞破壊攻撃は防げない!


 いや……正確には、殴られる直前に「攻撃される場所」を自ら切り離し、細胞破壊攻撃を加えられる前に本体が逃げる……


 という手立てもなくはないのだが、殴られる度にそんな事をしていたらキリがないし、余計にスタミナを使い消耗するだけだ。






『(さっきやられた"労働力の暴走"による種馬モードも、ヤベェ代物だったが……もしかしてコイツ、サポート系能力を悪用するのが好きなサイコパスか?)』


 そしてメグミの正体を察した<ゴサン>は、敵対したら最もウザいタイプの相手と戦っていることに気付いて、げんなりするが……


 今さら「逃げたい」と思ったところで、捨て駒にできるような部下も仲間も残っていない。



 足手まといだったとはいえ……ヨイショ神<ネズミ>が殺された現在、彼が利用できる手札は……


 糞をくれる主人がいなくなり力無く横たわっている、闇神と<コピイ>の汚物がたっぷり付いた、<変質者の鎧>だけである。



『(さすがに嫌だ! いくらメグミの打撃から身を守れても、ケツを○られてあの糞共と<ピー>兄弟になるなんて無理すぎる!! それだけはダメだ!!)』


 生理的嫌悪感から鎧の着用を諦めた<ゴサン>は、ようやく「自分が本当に追い詰められていること」を悟り、リソースを頭に集中させ……


 並列思考を数百展開して、必死に打開策を考えた。



 しかし切り札だった<供物無限徴収>を使ってしまい、その影響で「派閥領に残った資産を供物にする禁術」は一切使用できない状態なので……


 彼に残された手札は、「自分の肉体を使ってアレコレする」類のものばかりであり、どの選択肢も「<変質者の鎧>を着る」のと同じく受け入れられなかった。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


〜供物無限徴収〜


自分の支配下にいる者の資産を、リソースに変換して強制的に徴収することができる。


徴収した相手の資産の流動性や、その資産の場所を問わず、徴収後は全て自分の元へ引き寄せられるため、ここぞという時には有効な神力だ。


ただし0か100かで、一度徴収すると配下の資産は全て徴収されてしまうため、配下を引き留めるモノがなくなり結果として配下の離散を招く。


また<強制徴収・強制リソース変換・強制資産移動>の無茶トリプルコンボを成す神力なので、変換効率は非常に悪く……


奪い取った資産の10%程しか回収できない、コスパの悪さをあわせ持つ。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜






『(いや、待てよ……。たしかに"配下の資産"は没収したが、まだ"配下の命"は残っているではないか! よし、今度はソレを変換して完全回復し……)』


 無理である。



 許可を得ることすらなく、理不尽に金銀どころか家具や衣服まで奪い去った暴君を、派閥主と認めるマゾヒストなど存在しない。


 すでに彼等は、ボッコボコに殴り身も心もへし折った「<ゴサン>の妻」を"次の主人"として担ぎ、<ゴサン>の失脚処理を済ませており……


 その場におらず、離婚手続き完了により婿養子からも追い出された<ゴサン>は、派閥主の座から失脚させられていた。



 つまり彼が派閥を利用しようとしても、もう権限がないため干渉できないのである。


 いくら財産を失っても、派閥領に残された神々の知識と自我は健在であり、彼らが「自分達の努力の結晶を奪った暴君」を許すわけなどなかった。



 他者を犠牲にした"奥の手"が使えるのは、信頼残高が残っている時だけなのだ。


 もう<ゴサン>を信じる者は誰もいないし、「身を切る」以外の選択肢も残されていない。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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