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1073話 リボの罠


〜上級神<ネズミ>side〜




 「ブー垂れていないで働けよ!」とツッコミかけたが、現状まだ<ゴサン>の方がスタミナに余裕があり、歯向かうと殺されるからな。


 ゴマを擦りまくってヨイショしつつ、メグミ達に実利をもたらせるよう、上手く立ち回らなければならない!



<−−− パパーン! パーン! パーン! パーン! −−−>


 そこで役に立つのがクラッカー。


 言葉を発しなくても「応援している」ことは伝わるので、<ゴサン>のヨイショになるし、何の脅威にもならないからメグミ達にとっても好都合。



 そして俺は、先程「裏切り打診のメッセージ」と共に渡された「買い物し放題券」で、クラッカーを購入し……


 メグミ達の財布から出る経費でポイントを貯め、帰りの旅費の足しにするのだ!



『(3%還元っていうのがデカイよなぁ〜。どうせ奴等の財布から出るんだから、使い倒して存分にポイ活してやる!)』


 他者の金でやるポイ活ほど、安全で気分のいい投資はない!



<−−− パパーン! パーン! パーン! パーン! −−−>


 という事で……ヨイショ、ヨイショ、ヨイショ!


 子種だけでなく本体も枯れ果てて死体になるまで、適度に足掻いて、俺が「厄介な敵を倒した英雄」となる為の踏み台になってくれ!!



『(マナスケルトンよ、次は旗だ! クラッカーはもうお腹いっぱいだろう。旗を振って送り出すタイプの応援に切り替える! すぐに用意しろ!)』


 買い物をさせるために、神力<虚獣創造>で透明なスケルトンを1体生み出したため、俺自身の財布も圧迫されたが……これは投資。


 旗振りヨイショで<ゴサン>を動かし、奴の体力を俺の消耗以上に削ることができれば、何倍にもなって返ってくるリソースだ!




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


〜メグミside〜




<−−− パパーン! パーン! パーン! パーン! −−−>


『そうだ、その意気だ! 攻めて攻めて攻めまくれ〜〜!!』


『そう思うなら、クラッカーなど鳴らしていないでテメェも手伝え! 直接戦うスタミナが残っていなくても、陽動役とか……やりようはあるだろう!』



 やっぱりコイツ……本当に<記憶操作>でイッちゃって、<ゴサン>の足を引っ張るべく動いているっぽいな。


 しかも途中で渡した、リボ払い設定の「上級神専用・ブラックカード」で自腹を切って大人買いしてまで。



「(記憶の齟齬が出ないように、クレジットカード支給の経緯も僅かに<記憶操作>したけど、まさか"コチラ持ち"だと思って豪遊するとは……)」


 <農民><小鬼>同盟にはいないけど、人間社会では時々見たんだよね〜。


 経費と聞くと「ムダ遣いしてもOK!」と解釈し、自分の金という訳でもないのにバンバン切りまくって、主人の財布を圧迫する奴。



「(しかもポイ活狙っている? ショボい! 上級神なのに、やる事なす事ショボすぎる!)」


 まぁ<ネズミ>の記憶が「経費切り」になっているだけで、実際はリボ払い設定の自腹なので、コチラとしては一向に構わないが……全てにおいてダサいぞ。



「(とはいえ、リボ払いで自ら"債務の複利"をきかせてくれた以上、それを利用しない手はない!)」


 隙をついて初めの攻撃をきめ、驚いて硬直し慌てて展開した拙いガードを、雪だるま式に膨らんだ債務で相殺。


 ノーガードにして、本命の聖魔法攻撃を叩きこむ!



「(契約書はちゃんと読まないとだよね〜。先輩方が<コピイ>に仕込んだ債券と比べたら、はるかに甘いけど……僕のクレカも相当なもんだよ)」


 だって「10秒に1割」のボッタクリ利息で、アッという間に資金パンクに持っていけるし、リボ払い設定だから強制徴収をかけるまで気付かれないもん!






 なにより……


<−−− ドゴオォォォォーーーーーーンッ!!!! −−−>



『痛ぅっっっ!!!? 何だ……っ、えっ…………!?』


<−−− バキッ! ボキボキッッ! ギュイイイインーーーーーーンッ!!!! −−−>



 先輩方やマサルが債権を持っていた<コピイ>の時と違い、僕の自販機に対応した"僕が債権を持つクレカ"だから、徴収時のタイムラグがない。


 それゆえ、タイミングを読む必要もなく思いっきり殴れるのだ!



「(どうせ切るなら、討伐軍の経費として扱う契約になっていた"ショボい方のクレカ"で切れば良かったのに。それなら、アンタの負債にはならなかったよ)」


 まぁでも、見栄とかプライドがあるから出来ないか。



 コイツ等が<恵のダンジョン>に入ったときに渡した、討伐軍の経費落ちカードは、ノーマルデザインのダサい見た目。


 一方「経費落ちじゃなく自腹になる特製カード」は、チタン合金を使ったメタリックな黒色で、ゴージャスかつスタイリッシュなんだよ。


 マトモな理性があるうちは、見た目詐欺のボッタクリカードなんか使わないけど、ちょっと"壊す"だけでこうもアッサリ騙されるんだね〜。



「まぁ複利をきかせたと言っても短期間だし、たいした債務じゃなかったけど……ネズミ一匹殺すだけの"価値"はあったし、今回はそれで十分」


 僕の奇襲に対して本能で防衛しつつも、最期まで「えっ、どうして俺を攻撃するの?」という顔をしていた、卑怯者を"干物"にできただけで良しとする。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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