↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
現実世界でチートだった男が異世界に行ってもほぼチートだった件  作者: 松本隼龍


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
98/115

夜空の告白と調印式

「ご主人!?」


カナリの悲鳴に真っ先に気づいたのは猫人族であるチャル。聴力は他の面子よりももちろん秀でている。

チャルのその声に配膳の片付けに入っていた皆も反応し、悲鳴の発生源へ急行する。

「カシマさん!何があったっすか!」

「いやはや私も驚きました。シー様があんな行動に出るとは‥。」

「シーが何かしたんですの!?」

「カナリ様を連れて一気にイブースへ飛んで行かれました‥。」

「「!!!」」



カラハマとイブースの間 ヤエーマ山脈上空


「うへえ‥月夜とはいえ下を見ると漆黒の山と森でちょっと怖いなぁ。」

「高さや速さには恐怖を感じないのですね。」

シーは2人分の魔法を駆使してものすごい勢いでここまで飛んできた。

「どうしてこんな事を?」

「分かりませんか?」

まあ大体察しは付くけども飛んでいる新鮮な感覚に心が占められている。驚きと興味で一杯一杯。

「あのソーアの屋敷の屋上での様に2人きりになりたかったのです。こうでもしなければ今や為せませんので。」

「それはそうですね。皆いますから。」

「ええ、ですから強行手段です。片付けも放置させてしまい申し訳ありません。ですが最早この気持ちを抑えるのも無理です。」

打って変わって急停止。抱き合う形で空中に留まる。



「貴方が好きです。」



マジ告白。  だが何がフラグだったのか全く見当が付いてない。

「何故そこまで俺の事を?理由が皆目見当がつきません。」

「あの屋上で‥少しですが貴方の苦しみを垣間見た後、宴席での芸披露の時、苦しみを抱えながらも皆を笑顔にする為に磨いてきた技と他の皆を笑顔に出来た時の貴方の楽しそうな笑顔を見て、他人の為にここまで全力に動ける人の笑顔を私が守りたいと思いました。そんな思いで貴方の為になると思って従者であるメキさんをソーアで手伝っていたのも自分への慰みでした。その場ではイセお姉様の想い人という事で引き下がりましたが今回の件に気付かれ、リューコさんを呼び、真っ先に駆け付けて下さる貴方に、最早気持ちを抑える事が出来ません。」


前にメキが活動しやすかったと話していたのはそういう経緯があったか。

「正直なんですね。」

「私の魅力に気付いてくださりありがとうございます。」

「まったく‥こちらの世界の皆さんは強引かつ気持ちを固めるのが早い方が多過ぎる。」

「それだけ貴方が魅力的なんですよ。」

「自分ではそうは思いませんがね。シーさんはご存知ないですが私との交際などについてはガサで1つ取り決めをしました。」

「取り決め?」

「7カ国と友好を結べた時に解禁。これを破れば私は自害という取り決めです。」

「自害!!!!???」

流石に驚いたのか身体が離れ、俺は真っ逆さまに落ちそうになる。慌ててキャッチされ事なきを得た。


「すっすみません!カナリ様!」

「いやぁ‥流石に転落死は想定外。」


持ち直され、再び抱きすくめられる。

「自害なんて‥‥どうしてそういう話になるんですか‥‥。」

シーは抱きすくめながら泣き始める。

「ガサで私は暗殺されかけました。ガサの女王サウラに言い寄られている最中に毒矢を射られたんです。」

「!!」

泣きながら目を見開いてこちらを見るシー。

「クオカーフにまで行っていたのも黒幕がクオカーフの大臣で、サウラの怒りの溜飲を下げると共に交渉をする為でした。」

「転んではただでは起きない為の交渉と理解しますが‥‥。」

「事件の直後、私の周りの女性に問い、イセ、メキ、サウラ、共に私を想い、子を成す覚悟がある事を示しました。ですが私の使命の事は事件直後にも関わらず触れられてはいなかった。子を成せば妻子は狙われ、保護を強化すれば子の性格が歪みかねない。次世代に歪みを残すならこの世界にまで来た意味がない。よって自害を提案しました。」

「それは‥‥。極端に思えますが使命を重んじるカナリ様の事を考えればそういう事にも至らなくはないと思えます‥‥。」

「ですが私を想い手を貸してくれる者が愛すれば死なれるとなってはまともに協力は出来ないという事で、自害の件は取り下げました。」

シーはほっと胸を撫で下ろす。

「だけど覚悟の程は変わっていません。ですので7カ国と友好を結んだ暁に解禁で皆納得していますが破ろうものならすぐにでもという気持ちです。」

「それは防がねばなりません。よって私もその規約に準じるとしましょう。ですが‥‥。」

目線を少し外してシーは問う。

「先程から熱いモノが私のお腹に当たっているのは‥‥私に魅力を感じて頂いていると捉えても?」


あ。


「いやっこれは女性と密着した挙げ句、落ちそうになって命の危機に際して子孫を残そうという本能が働いた結果かと!」

そうあくまで本能が機能しただけ!15の年の娘に欲情したわけでは!

「私は魅力的ではないと?」

「いやっそういうわけでは‥‥、実はこれもその‥‥問いただした時に問題に上がりまして‥‥。」

「問題に?」

「チャル曰く俺の雄が溜まりすぎて雄の匂いに当てられて日々ムラムラして苦しいと‥‥。」

「まぁ‥‥それは‥‥。」

「1人で発散しようにも1人になると過去の怒りの記憶が蘇り叫び喚き散らす症状が出てしまうのでどうにもという状況なのです。」


うーんと胸に顔を埋めながらシーは考える。


「それはもう雄はチャルさんに処理してもらうのが1番早い気がしますが‥それよりもその怒りの記憶をどうにか出来ないと今後も苦しさが続くわけですよね?‥安眠を促す魔法は出来ますが記憶をいじる様な魔法は禁忌とされて書物も残っていません。お力になれないのが魔法使いとして悔しいですわ‥‥。」

「イセ様の魔法で眠らされた事も2度ありますが3回目から効かなくなりました。チャルとメキがそれぞれ交代で寝ずの番をして監視警戒しつつ側にいて貰いながら睡眠を取っている状況です。2人では負担が大きく、ツバサと今回は来ていませんがポーゼの2人を従者に加えて今後は回して貰う段取りです。」

「そこまでされているのですか‥‥気を抜くために1人になれないというのは辛いですわね‥‥。」

他者の念や気を使って交流するという労力や情報整理をする為には1人の時間は重要だ。それが出来ずに溜まって行く一方では理性か身体が壊れかねない。


「それに分からない事もまだまだ多いですしね。調和が為されたら俺はお役御免でこの世界から他へ飛ばされるかも知れないし、御使としてや自分としては受けたくなかった過去の苦難に同情する所からきている恋慕も目的が為されたら皆の心も醒めるかも知れない。婚姻を結べても異世界人で体質が合わず子は成せないかも知れない。」

「‥‥色々と考えて下さっているのはありがたい事ですが‥‥。」

シーはふむ。と何やら決心した様子で言葉を続ける。


「話を聞く限り、カナリ様に必要なのは『自由』 その自由を害する者を振り払う存在に私がなります。」



月夜に照らされた夜空の下でシーは唇を重ねた。



驚いて目を見開くも、身体を離せば落っこちる為咄嗟に回避できなかった。

シーの唇は離れ、目を合わせて宣言する。


「私、ゴシマ第二王女兼ゴシマ特級魔法使い シー・ザ・カイが認めます。この世界での貴方の自由を。 これはその調印式ですわ。」


そう言って再び唇を重ねる。


「シーさん‥‥。」

「一国の王女如きが世界の御使様に認める。など偉そうな事を言うのは畏れ多いですが、せめてこれくらいはお許しください。私の初恋は障害が多い様ですので。」


「シーーーーーーーーー!!!見つけましたわーーーー!!」


血相を変えてノクトちゃんに乗ってきた御一行が登場。

「シー!!あなた何をしているの!」

「カナリ様を夜空の旅へお連れしていただけですわお姉様。密着して。」

「「密着ぅぅぅ!!?」」

これにはメキも同時に反応する。

「このままカナリ様と駆け落ちまで行けたらよかったのですが、流石お姉様達ですわね。」

「「駆け落ちぃぃぃ!!?」」

「でも良かったです。密着のお陰でカナリ様の熱いモノも感じられましたし。」

「熱いモノぉぉぉ!!??」

2人の反応を楽しんだ後、先程までのマジ顔や泣き顔困り顔が嘘の様な笑顔でシーは宣言する。


「カナリ様の妻候補に私も立候補致しますわ!」

「ええええ!!??」


まあそうなるよね‥‥


「って妻候補も何も、シー!貴女の誕生日はまだ先でしょう!認められませんわ!」

「えっ‥つまり‥。」


シーは先程よりもニッコリとした笑顔でこちらへ向き直る。



「私の誕生日にはカナリ様の熱いモノを所望しますわ!」



カナリとキスした女性最年少記録 


更新!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。