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現実世界でチートだった男が異世界に行ってもほぼチートだった件  作者: 松本隼龍


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乳白色と鮮血

あとがきにも注目してください。皆さんの思いが晴れると思います。

「ちょっ!サウラ女王!何でここに!?」


「妾が妾の国のどこに居ようと構わんじゃろう?」

タオル一枚で前を隠し、先程見ていた長い銀髪も編み上げてうなじが見え、妖艶な肢体を晒したままこちらの温泉に入って来る。


「其方と一対一で忌憚なく話をしたくてな。1人になるのはこの時分しかないと思って先回りして待っておった。フフフw裸の付き合いというやつじゃ。」

「それは同性同士でやることであって男女でそれは!?」

「要は肝心なものが見えねば良いのじゃろう?こうして浸かればこの湯では見えぬ。とにかく話がしたい。近う寄るのじゃ。」

こうして俺はこの国の王と一緒に湯に浸かるというイベントに入るのだった。話せるだけの距離は取るよ?



「まずは礼を言いたい。」


この国のトップが俺に礼? 作物改善策のことか?


「礼ですか?それは仲介役としてはこちらが言いたいことですが‥。」

「仲介の内容ではない。カナリ殿が最初に察したと言ってくれた国の長の話じゃ。」

「ああ最初に申し上げた‥。」

「そうじゃ。主権があやふやでは国を荒らす有象無象の我だけ人間が蔓延り、その荒らされた部分の補填を次世代に迫られる。この国の長を目指したのはその荒らされた部分をどうにかする為じゃった。そして国の長とは全世代の意見の落とし所を定め、そこに責任を持つ者。カナリ殿の言う通り、結果として今回の戦を仕掛けることに責任を負った。だが、カナリ殿ほど公の場であれほど正確に指摘を口にする者はおらなんだ。ましてや他国の為に研究しその改善策まで提出して来る者など現れるとも思ってもいなかったのじゃ。」


風呂場で語り合うには重く静かな内容を語る女王。夜のこの世界の月が昇ってきたのを追うように見上げながら話を続ける。


「ズバリとそれらを言い渡された時分かった‥‥。この男は妾と同じくそれらを喰らわされながら、憂い、曲がらず戦ってきた者なのだと。この立場まできて5年、ようやく出会えた同志なのじゃとな。」

女王は左目から涙をこぼす。

その涙を見て俺も理解した‥ この人は‥‥ずっと寂しかったのだ‥‥


「あの時は嬉しさのあまり、つい手で顔を押さえて涙を堪えるのに必死でのう。求婚を断られた時にはこの作戦に切り替える所存じゃった。この礼だけは権威の衣を纏った状態であやふやに伝わって欲しくなかった。」


真剣な眼差しをこちらに向ける女王。


「妾の前に現れてくれてありがとう。妾の心は救われたぞ。」


そう言ってにっこりと笑う。これが彼女の素の顔なのだろう。辛い目に遭ってきた証の涙跡は残っていてもその笑顔に思わず抱きしめてしまいそうになる。


「妾の礼は伝えた。良ければのぼせぬ内にカナリ殿の話も聞かせてくれぬか?同志として聞いておきたいのじゃ。」

「‥あまり良い話ではありませんよ?」

「構わぬ。」


俺はこの世界に来て初めて自ら自分の過去を詳細に語った。女王は目を閉じ黙って聞いてくれている。その内容に歯を食い縛り、時折涙を溜めながらも両手で押さえながら堪えて、聞き役に徹してくれた。



「ベルレ神様が私をこちらに導き、今に至ります‥。」


詳細を話終えると流石に過去を思い出しすぎたのか俺の目からも涙が溢れていた。それを指で掬い

「男が人前で泣くものではないぞと言いたいところじゃが‥これでは無理もないの。(チュルッ)」

女王はその涙を口に含む。

「女王何を!?」

「其方の悲しみは妾が引き受ける。これから其方の知識や技術が使われるたびにこれらの事は思い出されるのじゃろう?耐えきれなくなったその時は、妾の下に帰り、ここで次なる戦いに備える為、泣くが良い。同士である妾の前ではいくらでも泣いて良いのじゃ。」

「そんな‥。」

「一国の王たる妾の涙も見たのじゃ。これからも見せる事になろう。お互い様じゃよ。」

「うう‥。」

女王のその優しさとお互いに嬉しさを感じている事が伝わる。


「そして、今の話を聞いて気が変わった。」


女王はその場に立ち上がり両腕を広げ、産まれたままの姿を俺に晒す。

「女王!?」


「同志として付き合おうと思ったが‥‥妾以上に長く、苦しんで尚それでも笑顔の為に闘う其方が‥‥やはり妾は愛おしい。 妾の夫に‥いや‥妾を妻にしてくれんか?」


女王のありのままの姿見せるのよ状態を晒け出しての偽りない本心での告白。超弩級のシチュエーションだ。いやいやいや今日会ったばっかりな上に一国の女王ですよ!?そんな!

頭の整理が追いつかないまま、女王は裸身を晒しながらゆっくりと近づいて来る。

「拒まない所をみると‥混乱しておるようじゃがどうやら嫌われてはいないようじゃの?」

こんなの男なら誰もが憧れるシチュエーションですが! 女王は真正面に座り、両手を俺の鎖骨に添えて

「ここまでしても‥‥妾みたいな年増では‥魅力はないか?」

「年増って!そんなに老けている様にも見えませんしめちゃくちゃ魅力的なんですけど!?」

あっしまった!?混乱で心の声が勝手に!

「嬉しいのうw先程綺麗で惜しいと言ってくれたのは世辞ではなく本心だったのじゃな。」

「いやいやその時にも言いましたが、血が入れば争いの元に!」

「それは妾が守ってみせるのじゃ。それとも‥‥連れておった女子共に本命がおるのか?」

「それはいませんが!」

今の所は! 気になる場面はいくつもあったけど!

「まあいたとしてもこの国で結婚すれば問題ないがのう。一夫多妻制を敷いた張本人である妾が重婚を認めないわけはないのじゃから。」

どうじゃ?とたわわに実った双丘を押し当ててくる。誘惑の権化ここにあり。女王の太ももがふと、俺のアレに触れる。

「! ほほう?w どうやら其方の雄の部分は妾を受け入れたがっているようじゃな? これまでの話から顕現してからの2週間、存分に『雄』が溜め込まれていると見える。」

乳白色の湯のお陰でその反応したものは目視されてはいないが、こんなん反応するなって言う方が無理ってもんだ!


「(俺の経験上溜まってる時に何かやらかすから心配してんだよ!)」


あの時の温泉でのミクニの忠告を聞いていなかったのがこういう形で返って来るか!

異世界ハーレム状態が公認で出来るとか男の夢だがここで流されて良いのか!?

「サウラ女王。」

「折角の2人きりじゃ、サウラで良い。そう呼んでくれ‥。」

「‥サウラ。」

「なんじゃ?カナリ。」

「俺に一目惚れしてくれたのは正直に嬉しいです。同じ様なものと闘って来たのも分かりました。だが私も貴女もこれからも闘いが続きます。それが落ち着くまで待っては来れませんか?」

「嫌じゃ。」

即答。

「妾は5年も待ったのじゃ!もうすぐ29にもなる!孫が出来ていてもおかしくない年齢の行き遅れの女なのじゃ!」

そうか!15歳で成人扱いのこの世界では30でおじいちゃんおばあちゃんになる事もざらにあるって事だ。ていうか28歳なんてこっちでは未婚だらけですよ!

「2週間とはいえあの女子達よりも出遅れておる妾ではこの様な強行手段に出る他ない!」

そういって強引に顔を寄せてキスをしてくる。

「むグゥ!?」

深い方の口づけ!? 上体を起こし、引き離す。

「プハッ!サウラ!」

「カナリ!」


ズブッ‥


あ‥‥



名を叫んだ直後、赤い鮮血が乳白色の湯に混ざる。


「カナリ!!!!!」


俺の意識は遠のく‥ 左肩に刺さった矢の毒によって‥

そっち。



もう一つの作品の続きを読みたい方が結構いる様なのでそちらの続きも書くか迷い中。

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