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現実世界でチートだった男が異世界に行ってもほぼチートだった件  作者: 松本隼龍


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イセとデート③ 最年少記録保持者と性への進捗

何個かネタを入れてますが全部分かるかな?

ズキュュュュウウウン!!!


ーーーーーーーーーー‥‥‥!!


一瞬思考が停止したがイセを引き離し問いただす。


「何をやっているんですか!?」


「見ての通り、というか触れての通りの口付けですわw」


イセはニッコニコしながら何か問題でも?という顔で応じる。その唇は先程のパスタの油が付いたのかグロスを塗った様にキラキラしている気がする?!ああ!マスターの顔がひょっとこみたいになってる!口がひだりぃ!

「そんな大事な物をおいそれとするものじゃないでしょう!」

「お話にあった女性のお年は15の1つ上の16歳。つまり『カナリ様の唇を奪った女の子の最年少記録』を更新するには15歳の今しかありませんわw いずれカナリ様に捧げるつもりでしたし、私の初めてを添えてその記憶を上書きしてくださいまし!」

何て大胆なこと考えるんだこの子は!どうして!?どうしてそういう所にだけ思い切りが良いの!?俺達に出来ない事を平気でやってのける!別の意味でそこに痺れる!憧れるぅ?


「おじ様?この事はお父様にはナイショですわよ?」

マスターは顔が戻り、頭を抱えて答える。

「こんな出来事‥‥親友と言えど話せませんよイセ様‥‥ 奥の席にお通ししておいて良かった‥誰かに見られていたら一瞬で街中に話が広まります‥。」


本当にそこは幸運だった。配慮に感謝したい。


「イセ様‥‥もう少し自分の立場と貞操を重んじて下さい‥。」

「立場を言えば私は1つの街の巫女、カナリ様はこの世界の神の御使。私の立場など取るに足りません。そして貞操は捧げる相手を決めているのですから、乙女として頃合いを見定め、立場で届かぬ思いを届く時に届かせる努力をしたまでですわw」

ちゃんと考えております!と自信満々のイセ。そういう事じゃないんだよ‥。


「捧げる相手を私に絞れる程お付き合いが長い訳でもないでしょうにもう‥。」

「それはこちらが思った頃合いですから。2週間足らずとはいえ、お仕事も死線も共に乗り越えて、これからも事業を一緒にやって行くのです!私から見れば相方としては申し分ありませんわ!」

はぁ‥と頭を抱えているとマスターが口を開いた。


「思い立ったらすぐ行動するのは父親譲り、期間より密度を重んじる考え方は母親譲りですね。御使様、この子とその両親の3人をよく知る者として恐れながらご助言を。諦めた方がよろしいかと。」

ポンと肩に手を置き、マスターは俺を促す。


「はぁ‥ イセ様の考えは分かりました。色々言わせて頂けるなら、若い娘に愛される要素とその実感がないと判断している事、使命上いつ死ぬか分からないのに交際関係を結ぶ事は無責任ではないかと考えている事、私はこの世界に来たとはいえ普通の人間であると自分で思っている事、よって選んで頂けるに至っていないと思っている事をご理解下さい。」

「はい。承知しました。ですがそれではまだお答えが足りませんよ?」

イセはまじまじと俺の目を見る。

「年齢等を抜きにして見た時、私は伴侶に相応しいくらい魅力的でしょうか?」

おそらくこれが1番聞きたい事なのだろう。期間は短いとはいえ好いた男の評価を知りたくなるのは当然の帰結だ。少し手が震えている。将棋の永世名人の癖のように。


「正直に言えばとても魅力的です。容姿、性格、能力共に好ましい。自分の中の獣を抑えるのに苦労する程です。」

イセはぱぁあっと笑顔になり少し目が潤んだ。自信満々だったとはいえ実際に聞くまではやはり不安だったのだろう。


「その獣はいつでも解放して構いませんわw でも今はそれが聞けただけで心が充実しております。その獣の檻、誰よりも早く解放出来るよう努めますので覚悟してて下さいね!」


ではおじ様と言って会計を済ませる。その時マスターが俺に向けた笑顔はおそらく「被害者の会へようこそ。」という所だろうか‥マスターも大分振り回されたのね‥。

店を出て、噴水エリアまで戻り、木陰のベンチに座る。


「カナリ様。もう少しお聞きしてよろしいですか?」

「何でしょう?」

もうこれ以上何を聞かれてもへいへいと答えてしまいますが?

「僭越ながらカナリ様が初めて女性へ内なる獣を解放した時のお歳は幾つでしたの?」

「‥答えにくいですね。」

そこが気になるのも女子だなぁと思いつつ、年齢だけそっと耳打ちする。

「‥‥えぇ!? では私とも大丈夫じゃないですか?!」

「いやいや全然大丈夫じゃないですから。」

そこら辺には触れないで頂きたい。色々な事があったから。


「婚前交渉、子孫継続としての行為と思っておりましたが‥そちらの世界はどうなってますの‥?」

少しあちらの性事情を話し、イセは性倫理観の違いに戸惑いを見せている。

「個人的には性教育は足りないと思っています。ですがあちらには避妊具という妊娠予防の為の道具がありますのでそれである程度は性による感染症等が防げてはいる状況ですね。」

ここでイセの身体が止まる。




「つまり‥ それをカナリ様の能力で生み出せば‥ ?」




しまった‥。


「フフフフフw安易に情報を洩らすとはカナリ様らしくないですわねwお陰で色々と作戦が練れそうですわ。」

「一応神から頂いた能力をそちら方向に向けては使いたくありませんね。」

「私は使わずとも一向に構いませんw」

そんなどこぞの中国拳法家みたいな事を言われてもダメー。

「年頃の娘さんがいうホイホイ言う台詞じゃ無いですよ‥。」

「年頃だからですわw」


ふぅ‥と一息ついて迎えが来るまで買った品を見定めることに。オレンジのバンクルは結構肌触りも良く、着けていて重く感じる事もなく良い感じだ。ただ着けた瞬間少し強心効果があるのか胸がドキドキする。心臓弁膜症じゃなければ良いけど。

イセの薄いピンクの髪飾りも帽子を脱いで貰い、着けてあげる。

「どうですか?似合いますか?」

うん普段アップにしている分、髪留めがあるのがしっくり来る。髪色にも合って良い感じだ。

「はい。似合っています。今日は髪を下ろされていたのでそちらも良かったですが、髪を上げられている状態が見慣れているのもあってかこちらがしっくり来ますね。」

「あら嬉しい♪」

側から見たこのやりとりは恋人の様なものに映っていることだろう。

そして迎えのサウ車が見えて来る。このトランプ対戦から始まったご褒美デートも終わりの時間だ。

「カナリ様。あちらの世界での口付けは何と呼んでいるんですの?」

「えっ?ああ 私の国だと接吻ですが殆どの方が同盟国語の『キス』と呼んでますね。」

「成程。では1つカナリ様にお願いが。」


改まって俺に向き直り、イセは上目遣いで俺を見上げる。


「今回の私の初キスはこういう形になりましたが、『カナリ様からのキス』は思い出に残るような雰囲気あるキスをお願いしますね?」


そう言ってニコッと笑う。


やばい。可愛い。


バンクルの効果も合わさってドキドキが強い。耐えろ。



少し俺の顔が赤らんだのをフフフと笑い、その乙女な顔をしたまま、彼女はごきげんようとサウ車に乗り込み引き上げて行った。




「どうでしたか?進展はございましたか?」

車内でハルエが問う。朝帰りでもしそうと思っていたのだが最初からこの夕刻の時間を指定されていた。それはイセのカナリの後の研究時間を取らない為の配慮と、ご自身がどうなるか分からないからの予防措置として指示を受けていた。いざお泊まりとなればここで荷物を渡してお家までお送りし、チャル様を屋敷にお連れして2人きりにする気でいた。結果帰宅だったので気になったのだ。

「進展も大進展。お互いにお揃いの装飾品を購入し、カナリ様に私の初めての口付けを捧げ、カナリ様の口付け最年少記録保持者になって来ましたわ。」

ハルエは目を見開いて驚く。良かったと思う心と‥この心は‥羨ましい?

「それは‥良うございました。御使の妻に向けて前進ですね。」

「ええ。もう一つの記録も聞きましたので今度はそちらの記録も更新して見せますわ!」

口付けの最年少記録の次‥となれば‥ そう考えるとハルエは顔が少し赤くなってしまった。

「ハルエ。」

「はい。」

瞬時に冷静さを取り戻し返事をする。

「協力よろしくね?」

「勿論です。」


そう答えた瞬間。少し胸がチクっとした。


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