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現実世界でチートだった男が異世界に行ってもほぼチートだった件  作者: 松本隼龍


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イセとデート② 昼食と初

「さて、次はどうしましょう?そろそろお昼時ではありますが?」

一通り露天を見て回った所でイセが提案して来た。これまでほどほどに街を回って来たがやはり地元出身者にはまだまだ敵わず、イセのリードで街をデートして回っている。

「食事でも良いし飲み物を飲めたりする場所あるかな?」

「ではこちらの路地に落ち着いて食事が出来るお店がありますわ。そちらに参りましょう。」

2人並んで路地に入り、小洒落た出立の店に到着。夜はバーでもやっていそうなお店だ。ここもイセの行きつけなのかな?


「いらっしゃいませ。おおこれはイセ様。ご無沙汰しております。ソーアから無事戻られたのですね。」

「お陰様で無事任務を果たして参りました。お食事をしたいのですが時間にはなっていますか?」

「大丈夫です。お食事かしこまりました。そちらの奥の席にどうぞお掛けください。」

1番奥の席に通され、メニューを渡される。

「お飲み物は先にお持ち致しますか?」

「はい。」

自分でメニューを見ても分からない名前の物も多く、イセに意向を伝えて選んで貰った。まだまだ勉強しないとなぁ。オーダーを後ろに通し、マスターは話しかけてくる。

「派遣されていた数日はガルツ神官様が夜にお越しになって『イセは大丈夫だろうか。イセは大丈夫だろうか。』とここでボヤいておられました。長年の友人ですが宥めるのにあれ程苦労したのは2度目ですね。本当に無事で良かった。」

「おじ様にはご苦労をおかけ致しました。これからもどうか父の事をよろしくお願いします。」

「はい。お任せ下さい。ではごゆっくり。」

冷たい柑橘系の飲み物を2つ置いてマスターは下がる。


「流石イセ様は交友関係が広いですね。」

「まあ地元の街ですもの。この店には父に連れられて昔からよく来ております。何でも幼馴染だそうで、よく遊んでいた仲だった様ですわ。恋敵でもあったとか。」

「あらま。それは深い関係だ。」

「リューコさんは魔法学校の先輩でリューコさんが卒業する年に私が入学致しましたの。同郷という事でよくシーと一緒に勉強や実技を見て貰い、母や姉代わりの様に可愛がって頂いていました。魔法を物に宿す技術がずば抜けていて補助魔法と闇と光魔法其々でトップの方でした。魔道具製作開発局を学校の支援で立ち上げられてから三年程で辞任されこの街に戻られたんです。理由は縁談でした。許嫁であるこの街出身で国の守りに就いていた方との結婚。クオカーフの戦線から帰られたら結婚式の筈でしたが‥未だそれは叶わず‥。」

「そうだったんですね。」

だから先程は俺をイセに早くくっ付かせたい様な言動だったのか。自分の様に待ち惚ける事のない様にさっさとくっ付けと。

「現在はクオカーフの侵略でミヤーザとオタイオは分断され、オタイオが孤立している状態です。戦死の報告は無い為、もしかしたらオタイオかクオカーフにて、帰って来られない状況になっていると推測と期待をしたまま、この2年ずっと待っていらっしゃる状態なのです。私もあの人がこんなに笑顔になるのを見たのは久方ぶりでしたわ。途中何を言っているのか分かりませんでしたが‥。」

うん。分かっていなくて良かった。

「いずれどちらの国にも訪れる事がありますからそこで情報を探ってみましょう。」

「ぜひお願い致しますわ。」

ここで一口飲み物を頂く。柑橘系のさわやかな味が喉をスッキリさせてくれた。

「これ美味しいな。」

「ジオンの果汁水ですわ。柑橘系で橙色の元になっている果実ですの。」

どこぞの味方を謀にかける金髪マスクマンの所属する国の名前かーい。これで乾杯する時はジー◯ジオン!とか言っちゃいそう。 程なくして料理が到着した。

「お待たせいたしました。こちらメメルーシャになります。」

運ばれて来た料理はこちらでいう所のカルボナーラ。お肉の燻製がやや大きくおそらくブルガンジーの燻製だ。

「美味しそうだ。頂きます。」

2人で手を合わせて食事を楽しむ。予想通りブルガンジーの肉で柔らかく燻製が成されている。おそらく若い仔牛の内に処理した物だろう。チーズというよりも牛乳にバクス粉とモミージの卵で拵えている感じだ。分量に興味あるな。

「フフフwカナリ様。顔に分量が気になると書いてあるみたいですわよ。」

「あっすみません。つい気になって。」

「構いませんわ。カナリ様の性分なんでしょうから。美味しいですね。」

「はい。」

食べながらイセの質問してくる。

「カナリ様は幼少期はどの様に過ごされていたのですか?」

「幼少期ですか‥牧場の子供として駆け回ってましたね。こちらでいうブルガンジー、猫、犬とよく戯れていた感じです。雨の日なんかはこの前のトランプを上2人とやってたりしました。7つで学校に入る頃には一輪車に乗ったり、昨日お見せしたけん玉をやり始め、あちらの文字体の一つである漢字も勉強し、一年生で六年生の読み物を読んでました。球を使う競技のサッカー、卓球、羽を使う競技のバドミントン、冬には雪の上の競技のスキー、読まれた札を取り合う競技カルタをやっていましたね。あとピアノという楽器の進化した物エレクトーンを少しです。」

「もうその頃から色々とやられる子供だったのですね。」

「今思えば昨日提示した非認知能力はそれなりに備わっていたのかと。アトピーと呼ばれる皮膚の炎症に苦しんだ時期でもありますが。」

「そんな病気を幼少期から。大変でしたわね。」

「まあ腎臓の件もあったので色々と重なる運命にはあるのかも知れませんね。机の上の遊びの1つである麻雀や将棋、チェスやオセロなんかもその頃からかなと。」

「よく動き、よく遊び、よく学ぶが出来ていたのですわね。」

「どうですかね。良い思い出ばかりではありませんので。」

昨日の様なスイッチが入りかけたが寸前の所で止まる。食事を進めて食べ終え、再びジオンの果実水で口の中をスッキリさせて冷静さを保つ。

「では初恋などはいつでしたの?」

そしてそれを吹き出しそうになる一言が飛んでくる。むせ返りそうになるがなんとか堪えた。柑橘系飲んでる時にこれはしんどい。

「ゲホゴホッ。」

「あらすみません!そのまま流れで聞いてしまいました!まさかそこまで驚かれるとは。」

布巾を手渡され、口元を押さえて処理する。

「あー驚いた。えーと‥初恋に関しては6歳の時に同い年の子にですね。8歳の時に間接的な告白はしましたが実らず、恋愛とは無縁の仲の良い幼馴染という感じでその後は過ごし、今では子供4人のお母さんになってます。それが初恋の話になります。」

へーふーんという感じでイセはこちらを伺う。それ以上でも以下でも無い初恋エピソードだけどなんか不満なのかな?

「‥では初の口付けは?」

「えーそれも聞きますか。」

「ぜひ聞きたいですわね。」

「‥‥奪われたんですよ。15歳の時に。」

「えぇ!?つまり同意の上では無いという事ですか?!」

そう、同意の上ではなく事故なのだ。


「お酒を間違って飲んじゃった一つ上の歳の数年ぶりに会った女の子に。」

「酔った勢いでそのまま‥。」

「はい‥‥。」

「まぁ何というか‥ ご愁傷様ですわ‥。」

消したくても初体験って消せないものなのよね。

「では。」




ンチュッ




はへ?


その瞬間俺の唇はイセによって塞がれた。

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