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現実世界でチートだった男が異世界に行ってもほぼチートだった件  作者: 松本隼龍


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イセとデート① 魔道具と先輩

次の日の朝、朝食を食べて身なりを整える。いつも通り顔を洗ってイデアで生み出した髭剃り、歯ブラシ&歯磨き粉で歯磨き、櫛で髪の順で行い、特に歯磨きは洗った後にアデイすると口はサッパリした状態で他は消えるというエコロジー。ワックスで髪を整えて頭周りは完了。今日の服装はどうしようかと思ったが薄手のジャケットにロゴシャツ、ストレッチ素材のパンツにスニーカーという動きやすい格好をチョイスした。カジュアル方向で纏まったと思う。


「おおご主人!なんかカッコいいっすね!」

チャルからのお墨付きも頂いた事だし昨夜の状態も改善、今日のイセとのご褒美デートは問題無さそうだ。


「じゃあ行ってくるよ。」

「楽しんで来てくださいっすー。」

家を出て待ち合わせ場所に向かう。向かう場所は市場手前の噴水のある広場。渋谷のハチ公前の様に街の待ち合わせ場所になっているらしい。

しばらく歩いて現地へ。見た事のあるサウ車が停まっておりその横に白いワンピースの少女が待っていた。

「カナリ様!」


白いワンピースに鍔の広い帽子、髪も下ろし、履き物はミュールと気候的には初夏な気温にもマッチしたコーディネート。デートしに行きます!と言わんばかりだ。


「良いね。可愛い。」

第一声に対してパァァァァっと目が輝くイセ。

「ありがとうございます!ハルエと選び抜きましたの!カナリ様のお眼鏡に掛かって良かったですわ!」


そのまま横に喜びの一回転。サウ車の横でハルエさんは拳を握りガッツポーズ。そのままメイド服の袖のボタンが弾け飛ぶ。流石の握力だ。

「カナリ様もあちらの世界の服装でいらっしゃったので一瞬戸惑いましたが格好良いですわ!普段とは違う装いを私との逢引きの為に選んで頂いた事嬉しく思います!」

「こちらの世界では馴染みがないだろうから心配だったけど受け入れて貰えそうで良かったよ。イセ様に見合ったかな?」

「バッチリですわ!」


お気をつけてーと御者のナンジョー君とハルエさんはお見送り。逢引きスタートだ。2人で市場の露天、商店エリアへ。


「カナリ様の好きな色などはありますか?」

「黒か赤かな。次いで橙色って所。」

「橙!温かみがあって良いですわね!」

この世界で橙、つまりオレンジが橙で伝わるんだなと関係の無い感心をしていると

「ではこちらのお店で装飾品を見ませんか?」

どうやら行きつけらしいお店に到着。

「イセ様いらっしゃい。その全然見たこともない服装の人が例の御使様かい?」

あちらの世界でいう所のダウナー系女子の店員さん。中性的な声色な方だ。

「初めまして御使様。私はこの店の店長のズク・リューコ。イセとは魔法学校の先輩後輩の仲さ。今後も御贔屓に。」

「ご丁寧にどうも。ベルレ神から遣わされた加成剛志と言います。よろしくお願いします。」

会釈で返し、改めて装飾品に目をやる。

「ここの装飾品は私が少し手を加えていてね。魔力の増幅や、微量の自動回復、防護の効果を付与してあるのさ。」

「リューコさんはうちの魔法学校の魔道具製作開発局を立ち上げた方なんです。」

「へー。」

どれ程の物かは鑑定で見て分かる。様々な効能が施されているな。高度な技術の持ち主なのだろう

「おやぁ?御使様はなんで私がこの店をやってるのか聞かないんだね?」

「私も色々な職をやってきて自分が何屋なのか分からないぐらいなんで、いちいち説明するのに飽きてるんじゃないかと思って敢えて聞きませんでした。」

「はっはっはっ!経験値の成せる技だったか。察しと思いやり能力も高いってのは色々と気苦労も絶えないだろうね。」

「元いた国の美徳観点がそこだからかも知れませんね。」


で、寛容と無責任を履き違える人間が続出して自ら首を絞めて緩慢なる自殺を図っている国という状態なんだがね。


「せっかくの逢引きの場に水を差しちまったね。何かあればサービスするよ。」

「ではカナリ様、これなんていかがでしょう?」

手に取ったのは腕に付けられるバングル。オレンジの装飾がなされていて長さを調整出来て動きの邪魔にもならなそうなチョイスだ。好きな色を聞いてきていたのはこの為だろう。


鑑定 効能 魔力増幅  性欲上昇


性欲上昇!??


何を付与してんだこいつはと思い顔を向けると口を押さえてニマニマ笑いを堪えながらリューコさんはこちらを眺めている。俺が少し固まっているとイセは


「橙色がお好きと言われていましたので選んだのですが‥お気に召しませんでしたか‥?(シュン‥)」


わざとじゃないよね?オレンジが好きって言ったから選んでくれただけなんだよね?

「(ボソっ)‥イセ様はおませさんだねぇー2828」

イセはほえ?っとなって頭にはてなマークが飛んでいる。リューコ‥こいつやはり分かっていやがるな。


「じゃあこれと同じタイプを選んであげなよww御使様。」

「ペアルックですか‥。」

「ペア!この間のトランプで二つで一つの組みという意味でしたわね!ルックとは?」

「見る、見られるって意味でこの場合はお揃いの装飾や服装のことだね。」

「お揃い!ぜひ欲しいです!選んでくださいまし!」

「トランプってのが何かは分からないがせっかくの逢引きの思い出にお揃いの品をと思っただけさ。どうだい?ww」

まずその半笑いを止めろ。


じゃあオレンジに合いそうな色で行くか‥ イセのイメージカラーで行くか‥


「じゃあこれかな?」


俺が選んだのは薄ピンクの髪飾り。


「可愛い色ですわね!でもカナリ様と同じく腕に着ける物でなくて良かったのです?」

「まあいつも見ている髪に合うかなと思ったのと付与されている効果で選んだんだ。」


鑑定 効能 詠唱速度増 


「可愛い上に詠唱速度まで上がる良い物を選んで下さるなんて感激ですわ!」

どうやら喜んで貰えたようだ。異性且つ10代へのプレゼント選びってなんか緊張するわ。

「ではこの2つを下さい。」

「はいよ御使様。これからもイセ様を頼むよ。そしてこれは2人への私からの品。」

リューコさんは2枚の札を指に挟んで渡して来た。

「これは?」

「ギルドで登録証に少し手を加えてくれって依頼が来てね。その試作品として作ったんだ。逸れた時とかに街から街の範囲ぐらいなら通話が出来る。これから色々国を飛び回るんならあったら便利だろう?」


あっちの世界でいうトランシーバーか。非常にありがたい一品だ。さっきの半笑いの件は不問にしよう。

「ありがとうございます。これは助かる。出来れば従者が2人いるのでその2人分もお願いできますか?」

「おっそうなのか分かった作っとくよ。魔道具の事なら私に任せな。神具とかはお手上げだけど既存の物の改良ぐらいは力になるよ。」

「リューコさんありがとうございます。また来ますわ。」

「良い表情だ。手に掛けた後輩が笑顔なのは嬉しいね。さっきシーからも連絡があったがソーアの復旧は順調だってさ。安心して今日の逢引きでその『腕輪の効果』を試して貰いなイセ様www」


おい。

「???」

イセは更にハテナマークを飛ばす。


「毎度ありw」

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