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現実世界でチートだった男が異世界に行ってもほぼチートだった件  作者: 松本隼龍


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JOKER女とご褒美


「えーっと?何がどうしてこんな運びになったのかな?」


部屋に合流していたメキがにっこり上目遣いで谷間を寄せた所謂「だっちゅーのポーズ」で遊びの誘いをしてきて面食らって頭を抱えながら質問する。

「えーとっすね。ここにいる面子で考えた結果、ご主人がこの世界に来てまともに休みや遊びをしていないという事に気付き、夜の会食まで時間も出来たんで気晴らしに遊びに誘ってみようという事になったっす。そのお誘い役を誰がするかくじで決めた結果が。」

「メキが抜擢されましたと。誘い方はメキが考えたのかな?」

「はいっす。出来るだけ可愛く誘ってみようと話していた結果っす。」


コーン‥‥とお寺のお鈴(おりん。読経の時に叩くお椀型の鐘)の音が聞こえた時の様に一瞬部屋の空気が固まる。 これもさっき俺が毒を出した事で引き起こしたもの‥か‥


「うん。じゃあ遊ぼうか。メキの可愛いお誘い(笑)に乗るとするよ。」

「鼻で笑うなよ!これでも精一杯考えて頑張ったんだぞ!」

顔を真っ赤にしてメキは訴える。よしよしと少し頭を撫でる。

それを見て他のメンツはぴくっとなり、一瞬悪寒がした。


確かにこちらに来てから1週間くらい経つが、怒涛すぎて精神的に堪えているのはある。少しくらいは気晴らしをすれば前向きな心になって今後の良い案も出るかもしれない。


「何をやるかな?」

「ご主人の好きな遊びをって話してたんすけど何かあるっすか?」

俺の好きな遊びねぇ。将棋、麻雀、各種ボードゲーム、RPG、けん玉、ヨーヨー、競技かるた、パズル、ビリヤード‥。と色々と考え込んでいると


「もしかして‥女遊びを御所望ですか‥?」


ユノさんの突拍子もない一言に噴き出してしまった。昼間から何を言い出すんだこの人は!

「何でそうなるんですか!?そんなにお盛んに見えますか!?」

「すっすみません!考え込まれているので女性だらけのこの場では言いづらい事なのかと!」

確かに若い女性だらけだけども!あー皆そんな腕抱えてもじもじしないで!


「じゃあ‥トランプに付き合って貰おうかな。」

「トランプ?」

イデアでマジシャンに1番愛用されているメーカーのトランプを生み出す。

「数字や絵の描かれた紙の束‥でございますの?」

一枚手に取り、皆不思議そうに眺める。

「私はこれを使った手品をやる人、あちらの言葉で『マジシャン』でもあったんですよ。これを使って遊んでいきましょう。」

まずは説明の簡単な神経衰弱から。同じ数字のカードをめくって合わせに行く。カードがあったらそれは貰えてその枚数で勝ち負けを決める。ごく単純なルールはすぐ理解されて皆が1ペア〜2ペアほど出来てからメキがジョーカーを引く。

「?これってどうなるんだ?」

「シャッフルタイムだね。」

「?シャッフルタイ‥ムぇえええ!?」

ジョーカーを戻し、裏返っているカードを全てかき混ぜる。

「あぁ!!せっかく覚えたのに!!なんて事するっすかー!!」

「混ぜる、入れ替えるって意味でこの札を捲ったら覚えていたのをまたごちゃ混ぜにして覚え直しって決まり事。俺の関係者の近辺だけの独自な決め事だけどね。」

「くー!この覚え直しとみんなに対しての罪悪感がモヤモヤするー!」

「楽しんでくれてなによりだよ。」

初めてやるゲームを楽しんでいる姿は和むものだ。前の世界でもボードゲーム体験会を開いておば◯キャッチやカタ◯といったゲームを一緒にやっているとその初々しさによく癒されていた。78歳対5歳の73歳差ウボ◯ゴ3D対決とか。


「あー!メッキーがまたジョーカーを引きましたわ!」

「メッキーって言うなー!あーまた覚え直しー‥。」


そしてゲームは終わり、やり慣れた俺がトップ、2位にチャル、同数3位にイセ・ハルエのコンビ最下位はメキとなった。


「負けたー‥。でもこんだけ単純で面白いならこの世界でも流行るんじゃないかー?」

「このトランプ一つで俺が知ってるだけでも色々な遊びができるからね。多分流行るとは思う。量産出来ればだけど。」

「そういった事業的な話は無しに致しましょう。さあ次は他の遊び方を教えて下さいまし。」

じゃあ次はと『ババ抜き』へ。



「負けた‥‥。」




メキ3連敗。 これほどまでにジョーカーに愛されている人も珍しい。


「なんでこんなにこのカードが来るんだよー‥。」


いやー‥分かりやすいから‥ と全員が思った。それにしてもあれだけの戦闘力があってもこういうのは弱いんだなぁ。



「次は一位の人に何かご褒美をつけませんか?」

『スピード』を教えた所でのイセからの提案だった。

「それいいな!これならアタイも負けなさそうだし!」

負け続きで凹んでいたメキの乗り気な声に皆んなが了承した。褒美の内容は『一位の者が何か可能なものを提示する』というものだ。まあそれくらいなら。


戦い方はトーナメント方式。対戦表は

イセvsハルエ


チャルvsメキ


に決定した。今回俺は公平に山札を切る係だ。一戦目のイセとハルエさんの対決はイセの勝ち。そして二戦目の新旧従者対決は素早い2人の熱戦の末にメキの勝利となった。


「ここで色々と決着をつけましょうメッキー。」

「勝ってそのメッキーってやつ言わせないようにしてやるよお嬢様。」


2人とも闘志満々だ。この決勝戦も白熱しそうだなぁ。決勝は3本勝負の2本先取。赤黒分けた山をシャッフルし、2人に渡す。


「スピーー‥ド!」 


教えた掛け声で決闘スタート!

K→A→K、3→4→5→4→5といった数字を戻り出しを出来る札にメキが恵まれ一戦目を取る。

二戦目はメキが終盤に先に3枚になるも前に出せない札で止まり、その隙にイセが出し切り勝利。

運命の最終戦は‥

「さあその札を前に出しなさいな?」

「くっそーー!」

最後のタイミングで前の札はAと8、メキの残り2枚はKとダイヤの2、一方のイセはハートのA。つまりAの上に置くことのできるKと2のどちらをメキが出しても、イセのAを置いて勝利となる詰みの状態だ。

今回のスピード大会はイセの優勝で決着した。


「いい勝負でしたわメッキー。お疲れ様。」

「ううー次は必ず勝ってやるぅ‥(泣)」


「では一位のイセ様。ご褒美は何を求められますか?」

ハルエさんが問う。


「決まっています。」

イセは俺に向き合って手を前に出し


「カナリ様と1日逢引きする権利を求めますわ!」


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