カナリの教室⑧ 男と女の違い その③
何度目かの休憩の後、ダル君も少し回復した様なので授業の続きを締めまでやって行こう。
「では改めて脳は何をする為に発達した臓器だったかな?」
「筋肉です。」
「そう。つまりは『身体を機能させる』為だ。では身体の構造を見てみると、男性は目で見て分かる『絶頂』がある。対して女性が『絶頂』を迎えても目では分からない。この状態が常にあるのでそこから脳に伝われば男性は『完結』つまり目で見て終わりと分かる物を求める頭になり、女性は終わりが分からず『継続』を求めて上乗せを求める頭になるという事が伺えるね。」
「全部先程までの事に繋がるんですのね‥‥なんだか恐ろしい‥。」
イセは気づいて目を見開いて驚く。
「なので女性の方が気持ちが入った時、欲望が跳ね上がりやすい物なんだよね。その段階まで行くのが長かったり他で上書きされたりすると急に落ち着くのもこの特徴からだと踏んでるよ。跳ね橋が降りたら一気に侵入して来るみたいにと言えば分かりやすいかな?」
「あー成程!上がってる時は何も感じないけど降りてる時は常に気持ちの行き来があるって事ですね!」
マイもピンと来てくれた様でパァっと顔が明るくなる。
「そういう事。しかも女性はこの跳ね橋を自分で降ろすよりも降ろして貰える事を待っている人が多いんだ。その降ろす役目を男性陣に求める。何故ならそれこそが自分が女性であるという事を忘れない為の処置。自分で上げ下ろしする力があれば異性の力を借りて生活する必要ないからね。男性陣から見ても『俺必要無くね?』ってなったらどうなるティナさん?」
「えっ?つまり男性陣からは見向きされなくなる?」
「そうなると?」
「当然男女の営みが無くなる訳で‥‥子供が産まれなくなる!?」
「そう。少子化に一役買っちゃうって事になりやすくなる訳。国民が減る国家存亡の危機に繋がっちゃうんだ。一種の『種を残す為の防衛本能』だと思ってる。この世界を見るに、特に魔人国のガサではその影響がモロに出てる。現女王サウラはそれを憂い、一夫多妻制を制定する事によって解消しようとしている。女性が強い事は喜ばしい事だけど、こういう弊害もあるから自分では跳ね橋を下ろせない様に見せる事も必要になるかもね。ここでも女•優!が出て来るってわけ。」
ホワイトボードの女優の絵を再びカンカン叩き強調。
「ではその跳ね橋を降ろす為にも、男性が女性を射止める為には何が効果的か?それは女性の演目に入れるぐらいの状態にまずなる事。まず基本的な所は『清潔感』 汚い状態で舞台に上がる役者はそういう役でもない限りいないよね。特に『手』はゴツゴツした感じが男らしいと感じる部分もあるけども爪が伸びてささくれてる様な手で大事な所とか触られるとかなったら、女性の立場で考えたら女優の衣装を切り刻まれるのと一緒。痛みに興奮する様な人じゃなきゃ耐えられない。」
それ!!とティナとヤチがハモる。なんかハモリ具合が高校の女子のノリ思い出すなぁ。あっ、この子ら中高生の年だわ。
「よく男性が女性に『手を出す』って表現されるけど、まずその手から気をつけておく事。続いては見た目で『男』と分かる状態である事。自分が女性ならブヨブヨで脂汗かきまくりの男に抱かれて気分良くなれるかなギン君?」
「‥‥なれないです。むしろ気持ち悪いと思います。」
「だよねー。」
と相槌を打つのは隣のティナ。
「ではムキムキの男過ぎたら?」
「うーん、守ってくれそうですけど乱暴されたらと思ったら怖いかも知れないです。」
「そうなるね。つまりまとめると、『清潔感があり、威圧感のない適度な力もあるが優しさも感じられて私を見てくれる男性』という事になる。」
生徒全体からおー!と感嘆の声が上がる。
「全部兼ね備えているのは稀も稀だけど目指す指標はこれだね。力の種類はそれぞれ、単純な筋力や武力、資金力、意思力などなどどれが女性に引っかかるかは分からないけど、どれか持ってないと引っ掛かりもしないからね。そして年齢によって価値が下がる時も勿論ある。お互いに見定める目をこれから人と交流して養って行きましょう。」
「先生ー!女子側は?」
「清潔感と綺麗である事は勿論だけど、相手の好きな物を自分の演目に取り入れる目線を持つ事。あと男性は全てが性的な事に前向きではないという事を自覚する事。日々の体調によりけりなのは勿論だけど、男性の能力自体に嫌悪感を抱いている青少年はあちらの世界の私の国での調査では1割〜から2割近くいる事が調べられている。」
とある産婦人科の先生が全国統計を取って、田舎と都市部で差があるけども13%〜18%自分の性に対して嫌悪感を抱いている中高生がいる結果になっている。
「そういう子が歳を経て男女の交流の場に来た時、気になる娘がいても『自分の獣の部分を自分でも嫌っているのに受け入れて貰おうなんて‥‥』とか思ってたら女性側から見たらどうかな?『もっと来いよ!意気地なしが!』って思わない?」
「あーなっちゃうと思う。」
ヤチは目を上にやって思い浮かべて言う。
「でもそうかも知れないって今分かったからどうする?大丈夫だよって言ってあげられるよね?」
「えーでもその人は選ばないかなー。」
「大丈夫と言って貰えるだけでも変わるもんだよ。そこはまた女・優!を発揮してあげて欲しい所だね。自信が付いたら男は化けるものだから。自分を美しく見せる努力と併せてそこら辺を使いこなすのが女性側の目指す所かな。」
「はーい。ちなみに先生の好みは?」
「(よく聞きましたわ!ヤチ!)」
皆耳を傾ける。
「状況によるかな。自分の好みを確定させるより私を選んでくれた子が最高の状態になる様に持って行く方。それでも強いて言うなら自分が根が暗いから明るく元気な娘かな?ってくらい。」
「へー自分で作り上げちゃう感じ?面白!」
「今の状況じゃ中々厳しいけどね。」
「えっでも街で見たけど結構周りに女性連れてたよね先生?」
「まあその誰とも関係を持とうというのは保留状態だねぇ。ガサで事件起きたし。」
「えっ何何?修羅場!?」
「いやあ 普通に事件。ちょいと怒涛のシチュエーション過ぎてね。」
「女王に言い寄られてその隙に矢で射抜かれて死にかけてましたもんね!」
えっなんか怒ってるイセ?
「えーー!?さっき言ってたサウラって女王様に?!流石!」
これ以上盛り上がっても埒があかない。締めよう。
「では直接的な能力の鍛え方や行為に関してはまた今度、男女分けて行うとしよう。長時間お付き合い頂きありがとう。皆さんの人生が充実する事を願います。」
「「ありがとうございました!!」」
「ああ、最後にひとつだけ。」
皆一瞬で静まり返る。
「私みたいに『ならない』様に。」
今回で講座回は終わりです。皆様の役に立つ事を願います。




