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勇者パーティから勇者を追放したので、もう魔王城には行きません!  作者: おやまみかげ(・8・)


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第十六話 相手のことをどうみてる?


 ♥︎


「アルデオ、どうしました?」


 斧を落とすなんて、彼らしくない。

 それに、魔牛はもう目の前に迫ってきている。


「アルデオ! やばいって!!」

「……なぁ、倒すのが正しいのか?」

「何急にレシみたいなこと言ってんの!?」

「レシの言葉を思い出したから言ってんだよ」

「何が正しいのかはわかりませんが、このままではマズイですよ」

「そうだよ! 村がまた襲われちゃうよ!」


 このままではまた村が……。

 どうすれば、私に何ができるか……。

 

 ——そうだ! 私は属性魔法は上手く扱えないけれど、これなら。


 アルデオの前に出ると、杖を構えた。


「ちょ、メデリ!! 危ないよ!」

「大丈夫ですよルディア。私、魔法使いですから」

「……強化するから!」

「お願いします」


 彼女が舞うと、全身を巡る魔力の流れが早くなる。

 

 ——あの日、先生を護れなかったこの魔法で。

 今度はレシとファファを、そして村を護る。


「エンベロープ!」


 私の放った基本魔法は、魔牛たちを包み込んだ。




 *


「アルデオ、レシを連れてきてください」

「ちょっとメデリ! 危ないから置いてきたんでしょ!?」

「もちろんその通りです。ですが、これでは……」


 アルデオがレシに触発されてるのだとしたら、解決できるのはあの子しかいない。

 

「早く……してください。この量を抑えていられるのもあと数分が限界です」

「ならあたしが……!」

「ルディアでは、あの子を抱えて走れないでしょう?」

「確かにそうだけど……」


 彼女の言いたいこともわかる。

 今のアルデオは、戦闘に身が入っていない。

 

「何やってんだよアルデオ!!」

「え、レシ!? 呼びに行こうとは思ってたけど、なんで来ちゃったの!!」

「クリスが、俺たちの力が必要だって」

「わたしもいるよ!」

「ファファ!? あなたまでどうして……」


 よく見れば、クリスとキュルも来ている。

 二人をここまで連れてきてくれたのだろう。


「アルデオ、何してんだよ!」

「……レシが教えてくれただろ? みんな仲良くできるかもしれないって」

「言ったよ。でも、今は状況が違うだろ? クリスはあのとき、俺たちを襲わなかった。でもあいつらは向かって来てるじゃん!」

「何か理由があるかもしれない」

「じゃあアルデオは、そのためならルディアねーちゃんとメデリ先生はどうでもいいんだ」

「そんなこと言ってないだろ!?」


 再び魔獣に対する意見がぶつかる二人。


 揉めるのはわかるけれど、このままでは本当に魔力が——

 ……うん? どうして? こんなに消費しているのに、まだ魔力が溢れてくる。


「ルディア、あなた何かしましたか?」

「え!? あ、ごめん!! 二人の喧嘩見てた……」


 ならどうして? この魔力はどこから感じる?

 まさか——


「ファファ!!」


 少女の身体を、粒子状の魔力が包んでいた。




 ♠︎


「ねぇ、相棒……」

「どうした?」

「私、やっぱりあの女嫌い!!」


 レウィスがドミナを指さした。

 彼女は今、テーブルの上に突っ伏して寝ている。


「口も悪い、態度も悪いし、酒癖も悪いんだよ!? やめようよ!!」


 勇者パーティに選ばれたと嘘をつき、お金援助してもらい、そのお金で竪琴を買ったキミも大概だと思うけれど……。


「レウィス、人は見かけによらぬものだろう?」

「そう、かもしれないけどさ……」

「ドミナも理由があってこうなのかもしれないし」

「フォル様!! さすがでございます!! さすが勇者様!!」


 急に立ち上がり、大声を上げるセルウィー。

 突発的なその動きに、レウィスの身体がびくりと跳ねた。


「急に大声出さないでよ!! びっくりしたじゃん!!」

「貴様のことなどどうでもいい。フォル様、聞いてくださいますか?」

「もちろん聞くよ。ただ、レウィスも大切な仲間なんだ。だからそういう態度は控えてほしい。キミも嫌だろう? ドミナにそういう態度を取られたら」

「……かしこまりました」

「あ、相棒……!!」


 レウィスがうるうるとした目で僕を見てくる。

 

「レウィスもあの女、なんて言い方しないようにね。ドミナにはドミナって名前があるんだ」

「でも、ろくでなしとか言うんだもん……」


 ……言い得て妙だと思うけれど、今は言わないでおこう。

 

「その件は僕から伝えるから。いいかい、レウィス。自分が誰かを嫌いだと思うとき、高確率で相手も同じように思っている」

「そうなの?」

「そうじゃない場合もあるけれど、僕はそう思っているよ。だから、心の扉を閉めてしまっている人には、こちらが先に扉を開けて待っている必要がある」

「それはどうして?」

「僕は敵じゃない。あなたのことが知りたいから、僕のことを知ってくれますか? って確認するためだよ」


 レウィスは目をぱちくりとさせている。

 ……伝わってなさそうだ。


「まとめると、こちらが嫌悪を向けると相手からも嫌悪が返ってくることが多い。だから、自分が嫌な言葉を使われたくないのなら、こちらだって使うべきではないんだよ」

「……わかったよ」

「うん、ありがとうレウィス」

「では、話を聞いてもらえますか?」


 再び、セルウィーが口を開いた。



 少し空いてしまって申し訳ございません。



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