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ヒーローの中身  作者: 猫ろろ
新人ヒーロー奮闘編
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33/36

第32話 辿り着けない境地追いかける者


「お二人とも大丈夫でしたか」


ホリゾンブルーの女性。

新見さんが炎拳と組み合ってる。

二人の足元は衝撃でひび割れており

どれだけ激しかったかが伺える。


「ハハ、姉ちゃん?でいいのか?

 良く今のを止めやがったな

 単純な動きだが結構力を籠めたんだぜ」


「ええ、なかなかでした

 少し焦りましたよ」


「まだ余力があるような言い方をするなぁ」


「どうでしょうか

 あるのかもしれませんが

 出来ればこれ以上はご遠慮したいとは思いますね」


「ハハ、良いな!

 姉ちゃん良いな!

 燃えるこりゃ燃えるな!」


炎拳の体がうっすらと光だす。

体中から熱気のようなものが立ち上がり

一回り大きく見える。


「全力ではなかったので?」


「ハハ、燃える男のパワーは無限大ってのが

 こんな場面の相場だろ」


冷静な新見さんの突っ込みと

無駄に熱い炎拳。

二人の足元のひび割れは徐々に広がりつつあり

ピシピシと割れている音もしている。

いつまでも均衡が続くと思われた。



「よっしゃ、行くぜ姉ちゃん!」


炎拳が一気に出力を上げたらしく

優勢にもっていく。

新見さんが危険を察知して組み合いをやめ

バックステップを行い距離をとる。

距離を詰め攻撃を仕掛けていく炎拳。

攻撃を躱しながらカウンターを狙っている新見さん。


二人の攻防は過熱していく。




  ◇◇◇




そんな組み合いを遠回しに見つつ

大吾さんとプランの練り直しを行う。


「なんにせよ今後のプランを変更する必要がある

 新見さんが抑えてくれている今がチャンスだ

 基本的には明人のプランで問題ないはずだ

 俺の方でいくつか変更したが内容を確認してくれ」


「なるほど足りていなかった決定力に新見さんを起用するんですね」


「ああ、最終的な落とし所は明人のプランのままだが

 炎拳相手だと心もとないからな

 全機器を投入し俺と明人も同時に仕掛ける事にする」


「それだと準備に人が足りませんね」


「支援チームと調整し明人も設置に回ってくれ

 その後にポイントに移動だ」


「はい!」



少し冷静になった俺は作戦行動に移りながら

ふと思ったことを大吾さんに聞いてみる。


「大吾さん、新見さんと炎拳はどれだけ身体能力強化されているんでしょうか」


「そうだな、間違いなく俺も明人も巻き込まれたら即アウトレベルだろうな

 多分、余波だけで吹っ飛ばされる」」


「やっぱりそんなレベルですよね

 新見さんは全力ですかね?」


「いや、まだ上がるはずだが

 炎拳の上限が分からい上に

 これ以上は周囲に被害が出そうだから

 様子見で抑えているんじゃないか」


今以上ってどれだけだよ。

俺なんて既に目で追い切れてなくて姿がブレブレなんだが。


「アレで余力ありですか?」


「俺の予想ではまだ50倍程度だろ

 スピードとかに特化すればまだまだ上がるはずだ」


新見さんって凄いんですねっ!

普段の物越しからは想像できないレベルで猛者だな。




  ◇◇◇




新見さんと炎拳の戦闘はまだ続いている。

近接戦闘が好きな炎拳を新見さんが捌いて

あまり場所を移動しないようにコントロールしている。

一見すると新見さん有利かと思われるが

こちらの攻撃も防御されている。


状況をリアルタイムに確認しつつ

支援チームにプラン変更内容を伝える。

新見さんには大吾さんからプラン内容を伝達済みだ


今までの戦闘記録から戦闘エリアの絞込みを行い

要点に個人用防御フィールドを

ぐるっと囲うように6か所に設置する。

設置後は起動準備を行う為、支援チームと俺で

一人一か所を受持ち調整に入る。

大吾さんは全体を把握しつつ新見さんとスケジュール調整を行う。


『支援チーム起動準備完了しました

 A地点からE地点のコントロールをAIに譲渡します』


「了解した・・・・コントロールの譲渡を確認した

 明人はどうだ?」


「F地点の起動準備完了しました

 コントロール譲渡も今終わりました

 次の行動に移ります」


「了解、こちらでも確認した

 次のポイントはここだ

 速やかに行動してくれ」



「わかりました」


バイザー内に表示される地図に従い走り出す。

脇には大吾さんから借りている武器を抱えている。

大吾さんの武器だが今回のポイントの一つだ。



借りている銃は

シルエットは狙撃銃と言っても良いが機能は結構違う。

まずこれは銃でもあるが鈍器でもある。

全体の形はボルトアクションの狙撃中を少し太くしたような形で。

全長はそこまで長くない。

トリガーや照準具等が無くすっきりとした感じだ。


銃としての使用方法は普通に中間距離~長距離での使用を前提にしている。

ストック部分は脇に挟むようにして使用するので

狙撃中と言うよりも松葉杖に近いのかもしれない。

これは《HP》を使用しているので反動等が無く

狙いもある程度の自動補正が入っている為だ。

ストック部分にセットするカートリッジで色々な種類が使い分ける事が可能。


鈍器として使う場合。

銃身の先端がグリップとなっているので

そこを掴んで振り回すとの事だ。

そしてストック部分の両端(脇に挟んで上下と言った方が良いか)からの

射撃も可能の為、打撃と同時に射撃も出来ると言う凶悪仕様だ。

あくまでも距離を詰められた時の緊急時用らしいので

過度の期待はするなとは言われている。

そんな使い方をすると強度問題が出てくるが

そこは《HP》を使用しての強化をしているので

大丈夫らしいが結構な燃費の悪さとの事。


俺にはますます使えないぜ・・・・。


これは大吾さんの趣味武器に近いものらしいが

なかなかどうして使い勝手も良く重宝しているんだそうな。




  ◇◇◇




数分後にポイントに到着し

狙撃スタイルに移る。

装填しているカートリッジは捕縛用粘着弾だ。


「大吾さん準備完了しました」


「了解、新見さんどうですか」


「ちょっと厳しいですが大丈夫でしょう

 タイミング合わせて一気に全力でいきます」


「了解です、支援チームはどうだ」


『全員持ち場にて待機中です』


「よし全員準備完了だ

 そろそろ仕上げと行きましょう」




炎拳との激しいバトルもそろそろ終わりだ。

気を引き締めていくぜ!










がんばれ明人。

きっと活躍は地味だが失敗するなよ。

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