第27話 敵の敵は敵?
新見さんと大吾さんが会議室から出てこない為
謎のヘルプ依頼を要約すると共に書面に起しつつ
内容を再確認する。
・一般公開の回線からのコール。
・悪の組織"あーばんくる"からの依頼である。
・携帯電話の履歴から持ち主を特定すると実在する人物だが
データベースに問い合わせをした限りでは無関係の一般市民。
・依頼日は明後日の正午。
・内容は拠点の一つである水産加工物工場が襲われるので守って欲しい。
・襲撃相手は爆音戦士ストレンジャー。
・公的資料にて事前通達あり。
ここまで書くと軽い頭痛がしてくる。
またあいつらか。
悪の組織が運営している(と思われる)工場とは許せん!
てな所なんだろうなぁ。
あぁ、面倒臭い予感しかしないぞ・・・。
◇◇◇
2時間が経過した頃、会議室から出てきた2人に
謎のヘルプ依頼について報告する。
新見さんの顔が妙に疲れて見えるのは仕方がないと思う。
大吾さんは通常運転に戻ったようだ。
「悪の組織からの協力依頼ですか・・・・、また厄介なのがきましたね」
俺からの報告を聞くと更に疲れたように顔色を悪くする。
溜息の一つでも出ようものだ。
「自分の方で裏付けをとりましたが
水産加工物工場は正式に認可されている会社ですし
彩光市でも有数の企業の一つです
襲撃予告についても公的資料で認可されているので
正式な通達が出ています」
何かしらの穴があれば断ることも出来ると思い
調べてみたもののどうにもならない気がする。
「そうなると受けざるえないか・・・・
規則ではヒーローの行動を妨害することは出来ない
一般市民へ危険が可能性は回避しなければならない
新見さんこのような場合、はどちらが優先されるのでしょうか?」
「難しい所ですね
双方ともに正式な手続きをしているので
どちらの言い分にも理由があります
ただ、これは断れない依頼でしょう」
「それはどうしてです?」
素直に疑問を口に出してみる。
「まず最初に"あーばんくる"からの依頼とはいえ
対象が一般企業という事です
流石にこれで断るには大きな理由が必要になってきます
次に罠の可能性も否定は出来ませんが
襲撃予告は正式に通達が出ていますので
何かしらの行動は発生してしまうので対応は必要です
そしてストレンジャーの事です
周囲に影響を考えるはずもありません
間違いなく工場周辺にも影響が出るでしょう
以上の事により断る事はできますが
デメリットが大きすぎます」
新見さんも断りたいんだろうな
声に元気がない。
明らかに地雷な感じだしね。
「では対応案を練らないといけませんね
状況整理からやりましょうか」
地雷案件でも大吾さんは爽やかに対応をしていく。
いいなぁ、イケメンは但し通常時に限る!だけどね。
◇◇◇
次の日は対応にあけくれた。
まずは関係各所への状況説明。
これは新見さんが行った。
主な行動としては政府機関への届出、彩光市各所への届出を
初めとして市内の交通や港等にも通達を行い避難誘導を行う。
大吾さんと俺は水産加工工場に防御フィールドの設置と
付近住民の退避及び重要物の個別保護を行った。
防御フィールドは衝撃から対象を保護するが大型機器だ
ストレンジャーの事だから派手な砲撃や爆破なんかをやりそうなので
設置が決定された。
付近住人は言うまでもなく被害を受けないように退避だ。
これも対象以外をまったく考慮しない対策だ。
色々と対応が必要なのは
ストレンジャーが絶対に周囲への被害を考えないから
巻き込まれる可能性を無くさなければならないからだ。
範囲は工場を中心に500mを無人とする。
防御フィールドは工場を中心として100mに展開だ。
隣接している海についても侵入禁止。
もちろん上空も飛行禁止だ。
かなり大がかりになるのも仕方がない。
それは襲撃予告に記載されていた内容が問題だ。
それは
"正義のヒーローロボ(巨大戦闘まぁすぅいーん)で殲滅する"
そう書いてあったからだ。
いや、本当にそう書いてあるんだ!
各所は大きく動揺した。
ストレンジャーは絶対にやるからだ。
馬鹿と言われるほど。
狂気と言われるほど。
自分の正義に嘘をつかない。
自分の正義に疑いを持たない。
今までの経験から関係者は全員疑いもせずに
対策に着手した。
腰が重い役所にしては凄い事だ。
それでこの破格の対応となったわけだ。
◇◇◇
翌日の午前10時には準備が完了した。
退避は何とか終わり。
防御フィールドの設置も間に合った。
秘策も準備万端だ。
あとは時間まで待機となるのだが・・・・。
なのだけど・・・・。
何かもう前方に大きなロボっぽいのが見えちゃってるんですけど。
前方300m程先の海にひょっこりと顔を出しているのは
金と銀のカラーリングの派手でトゲトゲしいロボの肩から上が出ていた。
キラキラと光を反射して綺麗だとは思うが・・・。
現れるのちょっと早くない?




