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ヒーローの中身  作者: 猫ろろ
新人ヒーロー奮闘編
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第26話 謎のヘルプ依頼

問答無用で鎮圧された爆音戦士ストレンジャーの二人。

衝撃からは何とか立ち直りはしたものの

今は壁に向かって正座をさせられている。

膝が壁に付く位の位置だ。

あれ怖いんだよね。

後ろで何やっているかわからないから想像しちゃって

どんどん怖くなるんだ。


今更になるが大吾さんが使っているのは銃タイプの武器である。

《HP》を元に様々な形式に変換して放つことが出来る。

今回使用したのは空気を圧縮して打ち出す衝撃波タイプだ。

生身の体を持つ者を抑え込む時に重宝しているらしい。




  ◇◇◇




ぶっ放したことで幾分スッキリしたのか

大吾さんが少し冷静になっている。

話し方も普段通りになってきてはいるが声の冷やかさが怖い。


「ストレンジャーさん、こちらがどれだけ迷惑しているか

 理解して頂けましたかね?」


ゴールドは2発食らっているせいか無言で壁を見つめている。

小刻みにプルプルしているのは恐怖からだろうか。

何も喋らないゴールドをチラチラと伺いながら

シルバーがビクビクと話し出す。


「はっ、はい、ご迷惑をおかけしました」


「でわ、この場より引いて頂きたいのですがよろしいですか?」


「はっ、はい・・・・いや、でも私達も悪を裁くために来ているので

 あ・・・悪を・・・みっ、見逃すわけには・・・」


ズバンッ!

「ウガッ」


先程よりは小さめの音がなり

ゴールドが顔面を壁に叩きつけられる。

いきなりの衝撃にシルバーがビクビクを超えてガタガタしだす。


「お引き取り頂けますかね?」


「はっ、はい。

 今すぐに帰ります!」


「そうですか、それは良かった

 でわ今すぐにお帰りを」


そういってニコリと笑う大吾さん。

いや、すげぇ怖いっす。

あまりの怖さに新見さんも緊張した空気出しちゃってるし。


ピクピクしているゴールドを引きづって出ていくシルバー。

意外に力はあるようだな。

まぁ戦闘服も着てるし普通か。


襲撃された社員側も何だか可哀想になったらしく

手伝っていたのが何とも言えずにシュールだ。

窓から見ていると派手すぎるんじゃないかと思う

銀色の下地に金をあしらったやたらとスタイリッシュな

戦闘車らしき物に乗込んでいく。

そのまま行くと思いきや。


「ゴラァ、役所ヒーローが悪と共謀しやがって!

 許されるとお」


ドッゴォォォォォォォンッ!

大音量と共に戦闘車の装甲がベッコリと凹む。

うわぁ、あれ結構な修理代がかかるんじゃないの??


またもやぶっ放されて焦ったのか

タイヤの跡を残しつつ急加速で走り去っていく。

迷惑なやつらだな。


「お騒がせしましたが

 これで一旦は大丈夫ですね

 会社の損害等は届出を後日お願いします」


「でわ、続きをはなしましょうか」


爽やかな声で続きをしましょうという大吾さん。

横谷氏と大志嬢は何の文句もなしに内容変更に同意したのは

良かったのか微妙な所だ。

ストレンジャーも少しは役にたつんじゃん。





  ◇◇◇




帰ると新見さんが大吾さんに話があるという事で

会議室に二人で籠った。

今回の件についてだとは思うんだけどね。

結果的に良い方向に流れたけど

毎回そうだとは思えないし。

それにしても大吾さんが切れるのは

普段のギャップと相まって怖いね。



二人が会議室に居る間にデータバンクから資料を探して読んでみる。

データバンクは各種情報が揃っていて意外と読むと楽しい。

個人情報についてもヒーローとしての内容であれば

経歴から武器について等も調べることができる。

《ギフト》についてもある程度までであれば記載されている。

人気があるヒーロー程、情報密度が高いのは何故なんだろう。

必殺技の名前から詳細まで記載されてたりするから意外と読みふけっちゃう。


大吾さんの経歴を見てみると頻繁ではないが以前からあった事らしい。

あくまでも怒ったりしているわけでないようで

切れると究極のリアリストになるようだ。

どうも感情論で話されると駄目な傾向が強いかな?

今回は規則にのっとって処理したって事になるのかな。

普段の柔らかなイメージとのギャップが凄いから余計に違和感を感じる。

経歴を見る限りでは結構活躍してるんだよね。

事務能力から戦闘能力まで何でも活躍できる万能タイプ。

優秀なのに微妙にエリート街道から外れているのはこれが理由だろうか。


爆音戦士ストレジャーについても調べてみたら

こっちも色々と出てくるなぁ。

能力は高いとの事だが物凄く偏った理想像があるようで

悪は倒すべき正義こそ全てみたいな考えだ。

単純明快な怪獣が襲ってきたとかには抜群の評価があるんだけどね。

民間ヒーローとは言え会社に所属しているわけではなく

どうやら資産家の援助によって活動しているらしい。

一説によるとゴールド本人が資産家じゃないかという噂があるようだが

そこまでの確定情報は載っていない。

なぜ彩光市で活動しているかも謎だ。

正式に届出を出しているヒーローなのだが

独断行動が多いのが問題となっている。

そして派手なスタイルと演出で

子供には結構な人気がある。

但し、子供以外には人気がない。

活動すると周りへの被害を考えないで行動するからだ。

ここ最近は活動してなかったのは

半年ほど前にあった対怪獣戦で突撃し

玉砕してたので入院していたんじゃないかと言われている。




気が付いたら1時間以上も経っていたが

会議室からは出てくる様子はない。

どうしたもんかと考えてると電話がなる。

鳴っているのは一般公開されている回線で市民等から

緊急コール等が入ってきたりする。

これは異常なまでに強固なセキュリティで守られているため

回線をたどって場所を突き止めるのは不可能だ。

そして掛けてくる相手の情報はモニターに表示される。

個人であれば名称、住所等は当たり前に表示される。

会社も同様だ。

携帯電話だと現在位置まで表示される。

現在モニターに表示されているのは名称と現在位置だ。

携帯からのコールとなる。


「はい、カラー戦隊です」


「ふははは、"あーばんくる"のラスカと言う者だ



 "我が組織がピンチなのだが力を貸して貰えないかね?"」




「はい・・・・・?」




悪の組織からのまさかのヘルプ依頼。

なに?これ?




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