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ヒーローの中身  作者: 猫ろろ
新人ヒーロー奮闘編
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22/36

第21話 初出動

念願の初出動。

ヒーローの正装である戦闘服に身を包み。

現場に駆けつける車、通称"戦闘車"に乗込む。

新見さん、大吾さんと共に乗り込み

複数ある出入り口の一つから出動する。


運転手は大吾さん、助手席は新見さんで俺は後部座席だ。

大吾さんは真面目且つ丁寧な運転だ。

実にスムーズな運転だ。

これは女性にも受けがいいだろうなイケメンめ。




  ◇◇◇




ここで戦闘服と戦闘車についての説明をしておこうと思う。


まず戦闘服についてだ。

これはご存じの通り全身タイツに似ている特殊繊維で作られたものをベースに

各種アーマーや武器等が装備されたやつだ。

所属する部隊によって特色があるのもポイントとなる。


俺が所属しているのは政府直属の戦隊で

その名も"カラー戦隊"という。

名前の通り色で管理している。

本部が東京にあり各支店が全国にある。

同じ色は居ないので色イコール個人となる。


世間一般では一番有名な戦隊グループとして認知されているだろう。

全国に居るので人数は多いし地元タイアップとかもあるしな。

総メンバーで人気投票やったり

それに年に何回かはスペシャルとかで地方単位で集まったりとか結構イベントがあったりして

民間の超人気グループやヒーローには勝てないが人気もまずまずあるほうだ。


新見さんはホリゾンブルー。

白と青の中間で綺麗な色だ。

全身タイツではなく革のライダースーツのような見た目で

ほんの少し光沢がある所がスタイルと合わせてとてもいい感じ。

やっぱりクールビューティー。

プロテクターの様なものは殆ど着いていない。

肘から手首までと膝下が強化されているぐらいらしい。

あの《ギフト》ならまぁそういうもんか。



大吾さんはスレートグレイ。

焦げ茶に濃い灰色を混ぜたような色でシブイ。

こちらは全身タイツがベースだが

大吾さんは機動性重視でプロテクターは必要最低限にしている。

急所と足以外はスッキリだ。

長身とあいまってこれぞヒーローってイメージだねカッコいい。

何をやっても様になる・・・イケメンめ。



そして俺の色は煉瓦色だ。

れんがいろ、なんだよ煉瓦色ってさ・・・・。

赤系なのかも微妙なとこだし。

何で二人の色はイケてるのに俺だけ漢字なんだよ?!


俺、落ち着け。

落ち着け、俺。

煉瓦色だって良いじゃない。

情緒があって良い色じゃないか。


「ただし、それは歴史ある建造物とかの話であって全身タイツじゃないけどな!!!」


「明人どうした?突然叫びだして」


「いや、現実に押しつぶされそうになりまして」


「そうか、まぁ挫けるなよ」


大吾さんが驚きもせずに飄々と聞いて来た上に

爽やかに励ましてくれる。

ありがとうイケメンさん。



よし、続きだ。

戦闘服は《HP》を使用して各種能力を発揮している。

俺の見た目は標準スタイルの中でも軽量タイプだ。

これは《HP》の少なさを考慮して選んでいる。

基本的には《HP》使用料が多いと

能力も強くなる傾向がある。

俺は《身体能力強化》と《防御強化》を選んでいるが

正直に言うとヒーローとしては必要最低限になる。

出来れば更に強化したいところだが

悔しいけどこれ以上は《HP》残量が怪しくなるからな。


カスタマイズ出来る内容の中には

明らかにオーバースペックじゃね?

これじゃ《ギフト》なんかいらないじゃん。

と言われるぐらい凶悪なまでの戦闘服とかもある。

俺がそんなもん身に着けたら一瞬で《HP》切れで意識飛んじゃうだろうけどね。


まぁまぁ、そんな最低限でも一般市民に比べれば遥かに強いさ。

あくまでも一般市民と比べてだけどね。

そもそもが全身タイツの基本スペックだけで

防刃防弾は警官が使用している防弾チョッキなんかより格段に上だし。

ある程度の耐衝撃、耐熱、耐冷もある。

更に言えば簡易的だけど防毒機能なんかも備わってるしな。


カスタマイズは任務やら何やらで

入手できる"ヒーロー査定ポイント"との引き換えで行う事ができる。

これは略して《査定P》とか言われるな。

俺はまだ新人の為、《査定P》が少ない為

標準スタイルからしか選べないが

新見さんとか大吾さんは自分でカスタマイズしてる。

これには武器なんかも含まれるし高ポイントの交換では

役職や所属移動なんかも出来るのだ。

もちろん色の変更だって・・・・。


とりあえず戦闘服についてはそんな所かな。




  ◇◇◇




戦闘車というのはヒーローが使用する乗り物を指す。

それは車だったりバイクだったり戦闘機だったりする。

全て纏めて戦闘車って呼んでるな。

これは各地で独自に管理運営を任されている。

各地で特色を出すもよし、所属ヒーロー専属にするもよしと

これまた特色豊かだ。


うちはね軽だ。

うん、軽だね。

どうみても軽だね。


「なんで軽なんじゃぁぁぁぁ!!!」


「明人、さっきからどうしたんだ?」


「いや、世の中の不条理に抗ってみようと思いまして」


「そうか、がんばれよ」


大吾さんが驚きもせずに穏やかに聞いて来た上に

暖かく励ましてくれる。

惚れちゃいそうですよイケメンさん。


そう、うちの戦闘車は軽だ。

最近の規格で車体は大きいのでそんなに狭さは感じない。

5人は乗りたくないけど。


だがしかし見た目は軽だけど中身はヒーロー仕様だ。

防弾、耐熱はもちろんだしエンジンも足回りも違う。

武装だってちゃんとある。

でもやっぱり見た目がなぁ

外側はどう見ても軽自動車。

薄いブルーを基調として白いパターンが入っている。

これは新見さんカラーを参考にしているとの事だ。

前後左右には"カラー戦隊 採光市"とデカデカと書いてある。

もちろん電話番号も書いてある。

これ何処かの営業車だよね、完全に。


「新見さん、なんでうちの戦闘車は軽なんですか?」


「はい、それは地元企業からの提供されたものを使用しています」


「でも他所ではもっとこう何かカッコいいじゃないですか

 そんな感じにはならないんですか?」


「予算の都合です、うちはそこまで余裕がありません」


「そ・・・そうですか」


「明人、あきらめろ

 これでも中身はちゃんとヒーロー用なんだぜ

 お前にもいつか運転させてやるよ」


うう、大吾さんの優しさが心に沁みわたるぜ。




  ◇◇◇




そうこうしている内に現場近くに来たようだ。


目の前には海が広がり綺麗な浜辺が続いている。


夏には海水浴を楽しみに結構な人数がくる彩光市の名所の一つだ。



「新見さん、今日はどういった内容なのでしょうか?」


「はい、今日はヒーローとして正しい事をしましょう」


「正しい事?」



明人の初出動がついに始まる。



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