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ヒーローの中身  作者: 猫ろろ
新人ヒーロー奮闘編
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23/36

第22話 正しい事のあり方

俺は憧れのヒーローになり

ついに初出動を迎えた。

そうヒーローとしての初披露を迎えたんだ。

そこで待っていたのは浜辺のゴミ拾い。



「新見さん、何で浜辺の掃除がヒーローの仕事なんですか?」


現状に納得できず新見さんに無線で話しかける。

ちなみにこの無線は戦闘服の基本機能で外部に音漏れは一切ない。

常時スクランブルがかかっているので余程のことが無い限り

盗聴や妨害は不可能だ。


「正確に言えば違いますね、浜辺を綺麗しようというキャンペーンの

 イメージキャラクターです」


「でも今、明らかに掃除してますよね?」

 

右手にトング、左手にゴミ袋を持ち地道にゴミ拾いをしている。


「市民の方々がゴミ拾いをしているのに

 正義の味方が何もせずに突っ立ているのですか?」


「それは・・・そうなんですが・・・・こうヒーローのイメージとか・・・」


そう!そうなんだよ!

ヒーローって言ったらさ悪と戦うとかじゃん?

怪獣倒すじゃん?

それなのに。

それなのにさぁ。


「ゴミ拾いって・・・・・ヒーローっぽくないじゃないですか・・・」


「では、ヒーローっぽい仕事とはなんでしょうか?」


「悪と戦う事です」


「確かにそれは大事な事ですね

 でもそれは一部分にしか過ぎません

 ヒーローの仕事とは"正しい事を教える"事です」


「正しい・・・事・・・ですか?」


「そう、正しい事です

 憧れたヒーローが率先してゴミを拾ったらどうなると思いますか?」


「一緒に拾うでしょうね」


「そう私たちが率先して行う事でゴミは拾うものだと

 自ら理解するでしょう、そしてゴミを捨てるのは良くない事だと学ぶでしょう

 その子供が大きくなって大人になり自分の子供が出来たら

 同じことを教えると思いませんか?」

 

「思います・・・」


「ですから切っ掛けでも良いんです

 少しでも心に響く何かがあれば世界は変えていけるんです

 それが"正しい事を教える"という事になります

 しかしながら強制はしてはいけません

 あくまでも私達、ヒーローとしては行動で示す必要があります

 そして自ら気づいてもらう事が大切なのです

 その為にはヒーローとして憧れてもらえるようにならないといけませんね

 人気の無いヒーローは影響力もありませんし」


「わかりました・・・、頑張ります・・・・」


少しヒーローの存在価値を間違えていたかもしれないな。

まだまだ腑に落ちないことはあるものの少しは理解できた。

そんな微妙な空気を感じたのか新見さんが励ましてくる。


「そんな落ち込まないでください

 御影さんが言う"悪と戦い弱い者を守る"事を見せる事も大事なんですよ

 それと同じようにゴミ拾いも大事だという事を覚えておけば良いんです

 まずは出来ることを全力でやっていけばいいんです

 ヒーローが手抜きなんてしては示しがつきませんからね」


「はいっ!」


そうだなヒーローとしてやっちゃけない事なんて無いんだ。

良い事を全力でしていればそれが広がっていく。

それもヒーローだな。

心機一転して真面目にゴミ拾いを続けていく。




  ◇◇◇




真面目にそして全力に且つ明るく爽やかにゴミ拾いを続ける。


そうしていると新人ヒーローと言えども

子供達が話しかけてくることもある。

そこには憧れも何も無く興味本位なのが残念なところだが。


というか蹴るんじゃない。

後ろから砂球を投げてくるな。

カンチョウはやめなさい。


「うぜぇぇぁぁぁ、大吾さん、あの目って絶対に好奇心とか興味がある見方で

 憧れているような目じゃないですよね?

 さっきから凄くちょっかい出されてるんですが」


「ああ、まぁ明人は最初のお披露目だからな

 皆も興味があるんだろ」


「それはわかるんですが

 なんで子供が自分に集まって

 大吾さんには女性が多く集まって

 雪江さんには男性が多く集まるんでしょうか?」


「それは今までの実績だ」


嫌味も何も無く爽やかに言ってのける大吾さん。

明らかに外見で見てるんじゃないのこれ?


とりあえず子供のイタズラは痛くもなんとも無いから

適当に子供たちと遊びつつ作業を続けよう。



それから更にお昼を挟みながら

5時間程度ゴミ拾いを続けた。

お昼休み時間中に何故かビーチバレーをやる事になり

俺1人対10人という事になったのは謎だ。

《HP》が危険域に達するまでの勢いで全力で走らされたぜ・・・。


キャンペーンの甲斐あってか浜辺は綺麗になった。

こう充実感があるよな。

海を眺めつつ気分を良くしてると子供たちが走ってくる。

あのイタズラをしてきた奴らだ。


「れんがのお兄ちゃんっ!」


「おおう、なんだ?!」


いきなり名前呼ばれてちょっとビビったぜ。

それ以前に煉瓦はないだろ。

ちょっぴり悲しい。


「お兄ちゃんもヒーローなんだね

 蹴っても砂玉投げても全然痛そうじゃないんだもん」


「ははっ、まあな

 俺は正義のヒーローそれぐらいじゃビクともしないぜ」


子供たちがニカーっと笑う。


「すげーなっ!やっぱヒーローってすげーなっ!

 砂玉に石混ぜたのに全然痛そうじゃないんだもん」


おい!それは流石にやめておけ!


「でも今日は遊んでくれてありがとうね

 海も綺麗になったからここで遊ぶんだ」


「そうだな自分達が遊ぶところは綺麗して使わないと

 危ないし楽しくないしな」


「さっきもゴミを捨ててったオジサンに

 皆で止めてって言ったんだ」


「それは良い事をしたな

 ここの浜辺を皆で綺麗に守ってくれよな」


「うん、れんがのお兄ちゃんまた遊ぼうね~」





元気に走り去っていく子供達を見ながら

心に暖かい気持ちが広がっていく明人だった。


「あぁ、これがヒーローの仕事か」







  ◇◇◇




初出動をしたのでついに《査定P》が入手できる。

事務所に戻ると速攻で《査定P》の確認をしてみると

以下のようになった。



>>> 浜辺の掃除 5時間 : 10P

>>> 市民との触合い : 5P

>>> 人気獲得(微) : 5P


*** 現在合計値 : 20P




おお、ちょっぴり増えた。

戦闘服に機能追加したいなぁ。

何が交換できるかなぁ~。

ウキウキしながら一覧を開く。


・戦闘服の機能追加

 

 耐火(弱)の追加 : 85000P   

 耐火(中)の追加 : 150000P   

 耐火(強)の追加 : 220000P   

 防火の追加 : 350000P 

 耐電(弱)の追加 : 85000P   

 耐電(中)の追加 : 150000P   

 耐電(強)の追加 : 220000P   

 防電の追加 : 350000P 

  ・

  ・

  等々


・戦闘服のデザイン変更

 ベース色の変更 : 580000P

 パターン色の追加(1色) :120000P

  ・

  ・

  等々


たったけえ!

なにこれこんなに高いの?! 


とりあえず一番低いポイントはっと・・・・。

使用ポイントで絞り込みを行うと

おお、20Pがあるじゃない。


・《査定P》:20Pで絞込み


 支給食の一品追加 : 20P

 ティッシュペーパー(S)5箱 : 20P

 クリーニング(シャツ1枚) : 20P

 靴下支給(5本指1足) : 20P

  ・

  ・

 等々


しょぼい・・・・しょぼすぎるよ・・・・。


海で味わった暖かい気持ちを

根こそぎもっていかれた明人だった。

 


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