3.かくも不思議な縁(えにし)達 part.5
最終話です。
今から22年前、強力な魔道書を手に強大な力を発揮した六人の黒魔導師達が、それまで南の海の奥深くで眠っていた『旧支配者』を目覚めさせる事に成功した。
『旧支配者』の名は『暗黒竜メディアス』と言った・・・。
『旧支配者』とは、かつてこの世界が誕生した際に最初に生まれた種族である『竜族』の呼び名の一つである。
竜族はきわめて強大な力を誇ってこの世界を支配していた。
その種族は、火竜族、水竜族、地竜族、風竜族、木竜族、光竜族、闇竜族、月竜族の八つに分かれていたという。
その中でも闇竜族は最も強大な力を誇り、その力ゆえにその力に溺れ、慢心した竜達も多数いた。
そういう、力に溺れ邪悪な性格をした竜達の事を人々は恐怖と畏れと共に『旧支配者』と呼んでいる。
最終的にはこの世界を滅ぼそうとした『旧支配者』に対して竜王を含む他の竜達が対抗。結果、『旧支配者』は宇宙の果てへと追放される事となったのである。
この『旧支配者』に対抗した竜達の事を人々は畏怖と尊敬の念を込めて『旧神』と呼んでいる。
しかし何故彼らは頭に『旧』を付けて呼ばれるのかというと、彼ら竜族は現在では存在しないとされているからである。
何故いなくなったのか、何処に行ったのかも定かではない。だが彼ら竜族こそが女神ヴィシャスの同族『ディーヴァ』と、獣神ヨールの同族『アスラ』など多数の種族をこの世界に生み出した、いわば創造主なのである。
現在の定説としては『旧支配者』との争いでその数を減らした竜族は西へと移動し、砂漠を越えたその先に『コーセルテル』という王国を作り、今もそこでひっそりと暮らしているとされているが確かめた者はいない。
なぜなら西の砂漠には神々と同等の強大な力を誇る『精霊王』がいて、何人もその先を行く事ができないからである。
こうして竜族のいなくなったこの世界に、今から何百年も前、宇宙よりかつての『旧支配者』の末裔が飛来したのである。
だがこの時は南の海の奥深くに衝突し、大量の土砂で埋められた為か、その『旧支配者の末裔』はそのまま眠りについたのであった。
その『旧支配者の末裔』こと『暗黒竜メディアス』は永き眠りより目を覚ますと六人の魔導師達を配下としてたちまちの内にこの世界を支配下に置いていったのである。
まず先に襲われたのが、南方に位置する『ミロン諸島』と東方の島国『サガラ=アズマ』であった。
そして魔導師率いる闇の軍勢はそのまま南と東から大陸へ上陸し、まず先に国防の要である『国防軍事都市クリス・クロス』を制圧した。
そのまま今度は西へと進行し、北の『神聖都市アルカナ』、南の『貿易商業都市アムフライ』、そして中央に位置する『王都シンフォニア』までもが反撃らしい反撃も出来ぬままにその支配下へと落ちていったのであった。
もはや国内で残されたのは西の『総合芸術学園都市ペーパームーン』のみとなった。
闇の軍勢の真の狙いは精霊王が治める砂漠を抜けた先にあるとされる伝説の聖地、竜王が治める幻の『コーネリアス』にあった。
だがさすがにそれだけは食い止めるべく国中から多くの冒険者が、そして西の砂漠からは『西方夷敵』と呼ばれていた『ベドウィン族』が、さらには妖精族を初めとする全ての亜人族がペーパームーンに集結した為、何とかその進行を食い止める事だけはできた。
しかしそれ以上現状を打開する術は無く、徐々に敗色が濃厚になりつつあったその時、一人の童女が大きな卵の形をしたエメラルドを抱えて、この『サブアラウン』へとやって来たのだ。
そしてその巨大なエメラルドからは一人の女の子が誕生した。
その赤ん坊は冒険者達から名を『フォル』と名付けられた・・・。
「わ、私が・・・20年以上も前に、ここへ・・・?」
フォルは明らかにされたその事実に驚きを隠せない。
しかしそれとはまた別の理由でマルカにテト、そして他の第2世代達も驚きを隠せずにいた。
「エメラルドから生まれたって・・・? フォル、あなた一体?」
そう言ってマルカがフォルに恐る恐る尋ねると、フォルは観念したかのように、どこか諦めにも似た表情のまま答えた。
「私・・・ノエーマなの。一年前、やっぱりエメラルドの卵から生まれたばっかりなんだ、本当は・・・」
そう言って笑うフォルの笑顔は何とも切なくて悲しくて、何か声を掛けたいとは誰もが思ったが誰も声を掛ける事はできなかった。
ノエーマとは体のどこかに宝石にも似た美しい結晶を持つ不思議な種族である。
彼らはその外見、及び結晶の美しさから『生きた宝石』とも呼ばれているが、その真の価値は存在する。
彼らは自らが選んだある特定の一人と契約を結ぶ事で特殊な力に目覚めるのである。
その力は実に様々だが大体は『竜の七種族』に即した系統でまとめられる。
契約者はノエーマの力を最大限に引き出す事ができて、そのやり方はヴァートを同調させて行う方法や、契約者とノエーマが一つに同化して行う方法等がある。
その正体については未だ謎だが『竜の七種族』と同じ系統でまとめられる事から力ある精霊が地中に眠る鉱石に宿ったものがノエーマであるというのが現在の定説である。
その昔、王侯・貴族の間でノエーマを宝石の一種として連れ歩く事が流行ってその為に『ノエーマ狩り』なるものが横行したせいもあって現在ノエーマの数はかなり少なく、ノエーマ自身もまた、今でも仲間達が裏で高値で取り引きされている事を知っている為、その正体を隠しながら暮らしているのが現状だと言われている。
「私が口止めしてたんでちゅ・・・。ただでさえ狙われ易いノエーマの中にあってもフォルは特別でちゅから。フォルは唯一、『暗黒竜メディアス』に対抗できる力を契約者与える事ができる『エメラルド・タブレット』のノエーマでちゅから・・・」
気まずい空気の中オルニカは、申し訳なさそうに静かな口調で全員にそう告白した。
「『エメラルド・タブレット』・・・!『大いなる魂』につながる為の錬金術の秘宝。・・・それがフォルだというのか・・・?」
オルニカの告白に何故かジーンだけは意味深な反応を見せる。
「ジーン、『大いなる魂』って何?」
ジーンのつぶやきはどうやら本人にとっては無意識だったらしく、セリカに淡々とそう尋ねられてジーンは初めて自分が思っていた事を口に出していたという事に気がついた。
「へっ!? い、いや、『大いなる魂』って言うのは、その・・・」
「・・・『大いなる魂』とはすべての始まりと終わりの場所でちゅ。
この世界のすべてはヴァートの移り変わりによって成り立ってまちゅが、そのヴァートが生まれて、そして最後に帰るところが『大いなる魂』なのでちゅ・・・」
答えに困りしどろもどろなジーンに変わるかのようにオルニカが説明を始めた。
「『エメラルド・タブレット』というのは本来『世界の理が彫られたエメラルド』の事を指すでちゅ。現在存在する殆どすべての魔術は『錬金術』という一つの大きな学問から成り立っているんでちゅが、その錬金術の学ぶべき最高の対象であり、かつ秘宝でもあるのが『エメラルド・タブレット』なんでちゅ。『エメラルド・タブレット』の秘密を知り、『大いなる魂』に到達できた者に不可能な事はなく、その者は鉄を金に、人を不老不死にする事が可能だとされてるでちゅ・・・」
「鉄が金に!?」
「人が不老不死に!!」
テトとマルカはその衝撃的な事実にただただ驚くばかりである。
無論、それは二人に限った事では無かったのだが、唯一人ジーンだけは別段驚いた様子は無く、そんなジーンをセリカとオルニカは黙って見つめていた。
(それにしても『エメラルド・タブレット』だけではなく『大いなる魂』についても知っているなんて・・・。この二つの名はその重要性からも一般には秘密にされているでちゅ。その名を知り得るとすれば錬金術を少しでもかじった事があるか、もしくは神殿でも高位の貴重本を閲覧した事があるかの筈なんでちゅが・・・)
ジーンはそんな二人の視線に気づいているのかいないのか、ただ黙って話の続きを待っていた。
「じゃ、じゃあフォルもその・・・同じ事ができるの?」
ミカの発言は第2世代全員の心を代弁していた。
オルニカは答える。
「出来ないでちゅ。でもかつての暗黒戦争でフォルはフォルの目覚めに共鳴した7人のノエーマの力を一つにまとめあげ、7つの聖武具を生み出したんでちゅ。それこそがメディアスに傷をつける事が出来る特別な武器だったんでちゅ!!」
「・・・聞いた事があります。『聖剣ファルシオン』をはじめとして、『聖槍グラディウス』、『聖弓パルティア』、『聖盾イージス』に、『聖杖カノッツァ』、そして『聖甲アレイスター』に『竜王の紋章』・・・。それらすべてをあわせて『7つの神器』と呼ぶって。それをフォルさんが・・・」
優等生のルーティエは未だ国内に深い傷跡を残すかつての暗黒戦争についても独学で学んでいたので、オルニカの説明に付け足すような形でそう説明した。
「その通りでちゅ。大変よく勉強しているでちゅねルーティエ。ちなみに『7つの神器』のうち、盾と杖と手甲の所有者に選ばれたのはここに
いる剣士のディクスレイとあなたのお母様のユエリー、そしてミカの父親であるリュウなんでちゅよ」
『ええ~!?』
第2世代全員の視線がディクスレイとユエリー、そしてリュウに向かって注がれる。
3人はそれらの視線に何とも落ち着かずその場で妙にソワソワするのであった。
「あたし、そんな話聞いた事がないよ~!」
「私もです・・・」
ミカとルーティエは突然に告げられた真実にただただ困惑していた。「あとの4つの神器の所有者も、みんなおいら達の仲間だよ。特に大事な『竜王の紋章』は、王都から何とか無事に落ち延びてきた当時の王子、先々代国王、マリオン・ミュラー・シンフォニアが所有者に選ばれたんだ!」
そう言ってニコニコ笑うパトックに一同はもう声も出なかった。
「私達はペーパームーンに落ち延びてきたマリオンの元で仲間を増やしていき、アルカナ、シンフォニア、アムフライ、クリス・クロス、サガラ=アズマ、ミロン諸島をそれぞれに統治していた六大魔導師を一人ずつ倒す事で徐々に闇の勢力から解放し、ついにはメディアスを封じる事にも成功したんでちゅ~!!」
『おお~!!』
何となく途中から、いつの間にかこの場が場末の巷談場に変わりつつあるという事に気づいた者がセリカを始めとして数名いたのだが、全員が『このまま流れに任そう』と心に決めていた為、現状はかなりのボルテージとなっていた。
「それで、その後はどうなったんですか?」
好奇心旺盛なテトが真っ先にそう質問すると、オルニカを始めとする第1世代の仲間達は沈痛な面もちで俯いた。
「あ、アレ!?」
その意外な反応にテトが戸惑っているとそれを助けるようにオルニカが重い口を開いた。
「その後、世界は平和を取り戻したんでちゅ。でも『平和な世界』ではフォルとその神器の存在はとても危険な物だったんでちゅ。だからフォルは世界とみんなの為に自ら・・・」
「ま、まさか・・・」
マルカが最悪の結果を予想して言葉を飲み込む。
そして・・・
「神器の持つ力を協力してくれたノエーマ達に返した後、フォルは自ら再び眠りにつく事を選んだんでちゅ・・・。エメラルドの殻に覆われて深い深い眠りにつく事を・・・」
オルニカのその言葉を聞いた途端フォルは、頭の中で何かがよぎり始めている事に気がついた。
(これは・・・)
フォルは頭の中でそれに意識を合わせてみる。
するとフォルはそれが何であるのかがわかった。
(『私』の・・・昔の『私』の記憶だわ・・・)
彼女を囲むようにして多くの人が集まっている。彼らは彼女にとって本当に大切な・・・大切な仲間達であった。
守ってくれると言った人、泣いて引き留めようとしてくれた人、黙って見送ってくれた人、再会を約束して笑ってくれた人・・・誰もがみんな大切で、大好きだった。
「結局、俺達は守ってるつもりで最後までフォルに守られていたんだ。・・・何が英雄なものか! たった一人の少女も救う事が出来なかったくせに!!」
思い出した。あなたは最後まで、私を守る為に頑張ってくれたよね。
「他に道があったのかも知れない・・・。だけど当時の私達にはそれを見つける事がどうしても出来なかった・・・」
そうだったね。あなたは寝る間も惜しんで駆け回って、何とかしようと働きかけてくれていた・・・。
「それでも諦めきれなくて。いっその事、もう一度メディアスの野郎を叩き起こしてやろうかと何度思った事か・・・」
覚えているよ。あなたはあなたなりに私の事を心配してくれてたんだよね。考え方は極端だったけど・・・。
「その事をよくカイに指摘されてはケンカをしていましたねリュウは。私はあの時誓いました。もう二度と、自分の無力さに嘆くような事はしないと! もう二度と、大切な人を理不尽に奪われたりしないようにと・・・!!」
相変わらずあなたはとても優しくて、とても強いのね。でもその強さも優しさも、あなた自身が深い悲しみを持つ人だからという事は本当に切ない事だよね。
・・・私もその一因に加わっちゃったけれど・・・。
「僕も同じだよ。あの日の事は一生忘れない。フォルが守ってくれたこの世界を、僕はこれからも守っていくつもりさ」
あなたの優しさがあったから、私は安心して眠る事ができた。あなたのその内に秘めたしなやかな強さがあれば、この先に何があったとしても大丈夫だって信じられたから・・・。
「それに今度はおいら達だけじゃない! ここにはみんながいる!!
例えもう一度同じ事が起きたとしても、今度こそ世界もフォルも守る事ができるさ!!」
と、周りが『なんて無責任な・・・』と思う程に元気よくパトックが言い切ると、それまでずうっと黙っていたフォルが急にクスクスと笑い声をあげた。
「フォル?」
「そうだねロファ。あなたは夢を現実に変える『魔法使い』だものね。あの時、ロファが約束してくれたから私、またみんなに会う事が出来た。今の私なら、どんな奇跡だって起こせるよね!!」
「フォル、君もしかして記憶が・・・?」
フォルはオルニカの手を取ると真っ直ぐに瞳を見つめた。
「20年もの間、ずっと側にいてくれてありがとうオルニカ。オルニカが側にいてくれたから私、全然寂しくなかったよ!」
「フォル!」
「寝ぼすけな娘でごめんなさい。改めて、『おはよう、みんな!!』」
『フォル!!』
その一言にパトック達第1世代全員が一斉にフォルの元へと集まった。皆それぞれに泣いたり笑ったりしていたが全員が再会の喜びに打ち震えていた。
そんな大人達の様子を子供達は温かく見守っていたのだが、マルカとテトだけはどこか少し寂しそうな顔をしていた。
すると、席を立ったフォルがそんな二人の元へとやって来て、言った。
「どうしたの二人とも? 元気がないよ?」
「べ、別に・・」
「う、うん。平気だよ」
そう答えながらも二人の様子はどこかよそよそしかった。
するとフォルは俯いて小声で二人につぶやいた。
「・・・やっぱり、私のこと怒ってる? 私が人間じゃないから、嫌いになったの? 私達、もう友達じゃないの?」
すると驚いたように二人は立ち上がって左右からフォルを抱きしめる。「そんなこと無い! そんなこと、ある訳がない!!」
「フォルは友達だよ! 大切な大切な私達の友達!! 嫌いになったりしないよ!!」
「マルカ、テト。・・・ずっと、ずっと友達でいてね・・・」
こうして三人は互いの肩を掴んで抱きしめ合いながら、人目もはばからずに大声で泣き始めた。
「・・・少し、浮かれていたな、俺達・・・」
とディクスレイが小さくつぶやく。
「そうですわね。あの娘はあの娘。今のフォルには今の時代の、大切なお友達がいるんですものね・・・」
ユエリーも同じくそうつぶやいた。
「確かに大人げなかったかも」
「反省するよ」
リュウ・シンディ夫妻も素直に目の前の現実を受け入れる。
「でも嬉しいよね。今のフォルにも僕らと同じ位に大切な人達がいるっていうのはさ」
そう言ってランバートが優しく微笑む。
「フォルはいい娘だもん! その辺は心配無用さ!!」
それにつられてパトックも嬉しそうに笑う。
「・・・さぁ今日は飲むでちゅよ!飲んで食べて大いに騒ぐでちゅ!!」 そう言うとオルニカはグラスの中のお酒を一息であけ、再び勢いよく食べ始めた。
「あ、オルニカ! てめぇ、よくもおいらの鳥もも肉を~!!」
「油断大敵でちゅよ♪」
「まぁまぁ二人とも。食事はまだまだあるから・・・」
「もう少し落ち着いて食べろよ」
「ディクスレイはもう少し食べた方がいいよ。そりゃあ僕も二人の争いに加わるつもりはないけれど・・・」
「さぁさぁ、皆さんもどんどん食べましょう!」
「ユエリーの言うとおりだよ! 今夜は無礼講だからね!!」
「そうと決まれば食うぞ、飲むぞぉ!!」
「ジーンは余り飲み過ぎないで・・・」
「セリカさん、飲み物おかわり持ってきましょうか?」
「あ、良かったら私にも持ってきてくれないかなルーティエ?」
「フェレルは自分で持って来いよ。その代わり俺のをお願いします!」
「何ケンカしてるのかしらフェレルとジョイったら。全く子供なんだから・・・」
「・・・何だかロファにだけは言われたくないわね・・・」
「同感ですミカさん」
「こら! 他の子ばっかり見てるんじゃないペドロ!! こっちを見なさい!!」
「マルカ・・・凄く酔ってるけど何を飲ましたのテト?」
「え、別に何も? 普通にこの瓶に入っていたやつを飲ませたんだけど?オレンジ色してたからジュースかなって思って・・・。フォルも飲む?」
「・・・テト。何でそれがここにあるのかわからないけれどそれってば超高級ワイン『シャトー・ディケム』よ。それ一本で何百万もするってやつ・・・」
『ええ~!?』
「あら?どこに行ったのかと思ったらいつの間にかロファ達のテーブルにあったんですね、アレ」
「ユエリーが持ってきた酒って『シャトー・ディケム』かよ!?」
「そんなの持って来られたらうちのワインが不味くなっちゃう~!!」
「しっかしロファの奴、どうしてあれが『シャトー・ディケム』だってわかったんだ? 帰ったらユニスと一緒にお説教だな。ホント、子供のクセに酒好きなんだからな。一体、誰に似たのやら・・・」
「いや、『子供のクセに』で飲める酒じゃないよパトック・・・」
「あいつ、あんな高い酒、誰に飲ませてもらったんだ?」
「おっ、これも美味いぞ! セリカも食べてごらん?」
「こちらのサラダも美味しいですよ。ハイ、どうぞ!」
「・・・私の事はいいから自分で食べて二人とも・・・」
「何でセリカばっかり・・・?」
「さあな。まぁ一杯やれよジョイ」
「大体ペドロはねぇ~。女の子と見るとすぐにデレデレするんだからぁ。・・・ちゃんと聞いてる?」
「マルカって、酔うと絡み酒になるんだね~」
「私、知らなかった」
「ところでテトにフォル。ペドロさん、さっきから泣いて助けを求めてるんだけど・・・。いいの放っておいて?」
「いいのいいのミカ。マルカにしてみれば10年待たされた恨み辛みが色々あったんだろうから、この機会に全部吐き出させてあげた方がいいのよ。・・・面白いしね♪」
「楽しまないで助けて下さいよ、ロファ~!!」
とにもかくにも不思議な縁のそのつながりは今宵、その強さと深さをよりいっそう増していくのであった。
こうして今と昔がつながった事により、今また新たな未来が生まれようとしているのであった。
しかしその先にあるものが果たして光か闇かは、今の時点では誰にもわからないのであった・・・。
次回からまたシリーズが変わります




