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かおる小町*連載版  作者: 風奈多里
かおるちゃんと僕
19/27

牛柄のモコモコ


その後、僕は、タキじぃに言われた規約をきちんと守り、かおるちゃんと過ごす高校生活を楽しんだ。というより、変わらない2年間を過ごした。




まぁ、かおるちゃんがいることは想定外だったけれども、それ以外は普通の高校生活だ。かおるちゃんがいることで助かったことも山ほどあるし、かおるちゃんのアドバイスのお陰で自分の力で乗り切る方法も沢山身についた。特にアルバイトでは、仕事もきちんと覚え、今では後輩に指導する立場でもある。だから、僕にはフェアリーは必要な存在だったんだ……と、実感している。




そして、あっという間に高校三年生の春がやってきた。






「たけしさ〜ん。遅刻しますよ〜。」


今日の朝は、かおるちゃんが気だるそうに起こしてくれた。




さすがにかおるちゃんと出会ってから2年たった今は、毎朝かおるちゃんの顔を見ることにも慣れた。あんなに朝から緊張していた自分が嘘のようだ。




今はもうあの頃のように、


「おはようございます。」


なんて、かしこまった挨拶はしなくなった。


ぼ〜っと寝ぼけた顔をして、目を開けようとするけれどもなかなか開かない細い目を手で擦りながら、静かに「おはよ〜」と声を出すのはお互い様だった。僕もかおるちゃんも実は朝は弱い方で、今になっては2人揃って寝ぼけ顔の朝だ。




「たけし〜!時間!! 大丈夫なの〜!?早く起きなさ〜い!! 」


僕とかおるちゃん、2人でのんびり寝ぼけていると、一階からお母さんの元気な声がした。




「たけしさん〜。お母さんが呼んでるよ〜。」




かおるちゃんの最近の朝は、寝起き顔で僕の部屋にやってくるという毎日であった。フェアリーも連日の人間界へ出勤によりお疲れのようであった。


フェアリーの世界にもパジャマがあるらしく、かおるちゃんは、たまに着替えるのを忘れてパジャマのまま僕を起こしにやってくる。今日も着替えを忘れたようで、目がさめるような強烈にモコモコしている牛柄のパジャマを着て、寝ぼけた顔で僕の顔を覗き込んで起こしてくれた。




「お、おはよう。わっ、ビックリした……。」


僕は、テンションが低めな声で、モコモコの牛柄パジャマにビックリしながら起きた。




かおるちゃんの服装は、フェアリー界のデザイナーが考えた最新ファッションらしいんだけど、派手で奇抜だから実に見応えがある。でも、朝からこの牛柄は非常に驚く。なのでやめてもらいたいけれども、フェアリーとの親交を深めるためにも余計なことは言わない方が身のためであろう。




ちなみに、この牛柄のパジャマはとても暖かいらしい。フェアリーは体温調節が苦手なようで、かなりハイテクな洋服も発明されているようだ。


それにしても、牛なのにまるで羊のようなこのモコモコ具合は実用性にはかけるのではないか?と、疑問にも思うが、フェアリーの世界ではかなり人気があるとのことなのでさらに疑問だ。




人間界では今は春だ。暖かな日差しがさして、少しずつ冬の寒さも忘れ行く今日この頃、牛柄のモコモコパジャマには驚きだ。




今日もある意味スッキリと目覚めた朝であった。




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