三つ目の規約とプレーリードッグ
「三つ目じゃ。これも大切じゃ。フェアリーの体調管理についてじゃ。フェアリーはこう見えて意外と体が弱い。少しの変化で体調を崩すこともある。よく見てあげておくれ。」
僕はそれを聞いて、この前の事故のことを思い出した。階段の手すりに鞄を打った時のことだ。かおるちゃんの体が大きくなったことに驚いて、その後の体調の変化などは気にもしていなかった。
心配になった僕はタキじぃに聞いてみることにした。
「あの……実はこの前、かおるちゃんが鞄に入ったまま階段の手すりに強くぶつかったんです。その後、かおるちゃん、倒れちゃって……。でも、しばらくしたら目を覚まして、その後、なぜか体が大きくなって……。」
僕はオドオドしながら話した。
タキじぃは目を丸くして言った。
「おぉ、そんなことがあったのかい。衝撃が加わると大きくなることがあるんじゃ。その後は、体は戻ったかね?」
タキじぃは、興味津々で顔を近づけながら聞いてきた。
「あっ、はい。」
「ほぅ……。もし、またそんなことがあったらすぐにここへ来なさい。」
タキじぃは、顎に手を当てて何かを推測するような目をして話した。
その後、クルッと体勢を変え、かおるちゃんを探しはじめた。
「かおるちゃんやい、体は大丈夫かね? お〜い、かおるちゃん。」
すると、タキじぃのクシャクシャ頭の中からスクッと立ち上がり、プレーリードッグのように登場した。
「はい! タキじぃ! 聞いてたよ! 私、大丈夫よ! 」
かおるちゃんは、元気に答えてまた頭の中へもぐって行った。
「おぉ、そんなところにいたんじゃな。大丈夫ならいいんじゃ。もし怪我をしていたのなら、フェアリーの世界に一度帰り、治療が必要になる。そして、その怪我が自然なものではなく意図的なものだとしたら、君が罰せられる可能性があるんじゃ。そこらへんの細かなこともホームページに載っておる。見ておいてくれ。」
タキじぃは、続けた。
「昔は、ここまでの決まりごとは無かったんじゃが、フェアリーに暴力を振るうやつが現れてしまったところから状況は変わって、ここまでの厳しい規約ができたんじゃ。こんな説明をすることもなかったんじゃがな……。」
僕は、タキじぃの説明を聞いて、フェアリーについての謎が深まるばかりであった。




