フェアリーと食べ物とお洋服
「まだまだあるぞ。四つ目じゃ。次のは簡単じゃ。」
まだあるのか……と、僕はあくびが出そうになったが必死になってこらえた。
「四つ目は、お金に関してじゃ。フェアリーは、お金は持っていない。わしたちに請求されても払うことができんのじゃ。なぜこの規約ができたかと言うと、以前、食事代や洋服代、その他の生活費全てを請求してきた人間がいたんじゃ。
しかし、フェアリーは基本食事は摂らなくても生きていけるんじゃ。お金はかからないはずなんじゃ。まぁ、食べれることは食べれるが、食べてエネルギーを摂取することはできん。太るとか痩せるとかも一切あり得んのじゃ。食べさせるのは人間の自由じゃ。」
僕は驚いた。かおるちゃんは、食べなくても生きていけるのかと。なのに、毎日僕のご飯を横から盗んでは食べてを繰り返していた。
美味しそうに食べる姿が可愛かったから、ついつい見惚れていたけれども……なんだ……食べなくてもいいんかい! と、心の中でかおるちゃんにツッコミを入れてしまった僕であった。
「あ、お洋服もフェアリーの世界にはたくさんあるんじゃ。わざわざ人間に特注品を作ってもらう必要もない。デザインも十分そろっておる。フェアリーにも有名なデザイナーがおる。お洒落な洋服を好きなだけ着れるのじゃ。
それなのに作ってもらおうとするやつもおるのじゃ。不思議じゃろう。まぁ、君は、まだファッションに気を使ってはいなさそうだから大丈夫そうじゃな。」
タキじぃは、そう言って僕の私服を下から上まで舐めるようにしてジロジロ見てきた。そして、そのわざわざ特注品を作る人間に対して、馬鹿なやつめ! と言っているような顔をして、フフフッと微笑んだ。
僕は、この前のかおるちゃんの私服を思い出した。あの洋服は、フェアリー界のデザイナーが作ったものなのか……。なかなかのセンスというか、正直ダサ可愛い……みたいな? うん。センスが良いとは言えなかった。まぁ、かおるちゃんだから可愛いかったけれども、他の子が着たらきっとダサすぎて見ていられないんじゃないかなと思った。
だから、人間界でわざわざ特注品を作るという人の気持ちも分からなくもなかった。僕は、タキじぃの微笑みを見ながら、心の中で苦笑いを浮かべた。
そんなことはおかないなしに、まだ話は続いた。
「次は五つ目じゃ。」




