タキじぃのピンクの渦巻の世界
お茶を飲んで一息ついたところで、タキザワおじいちゃんが何やら山積みになった書類や本を抱えて持ってきた。
書類ってそんなに沢山必要なのか? ていうか結局何の書類って言ってたっけ? かおるちゃんの用事じゃなかったっけ? 僕も何かするんだっけ? と、僕は一瞬、緊張した。
「まぁ、ゆっくりしていっておくれ。今日は、君にいくつか話があるが、まぁ、そんなに気を張らずのんびり聞いておくれ。」
タキザワおじいちゃんは、眼鏡を手で押さえ、書類をパラパラとめくり始めた。
「まず、今回のこのような状況に驚いたであろう。まぁ、無理もない。フェアリー……あ、つまりかおるちゃんは、突然君の元にやってきたかね? 」
タキザワおじいちゃんがたずねてきたので、僕は、はいと返事をした。
「いや、まぁ、いい。そこらへんのところは気にせず深く考えなくて良いことなのじゃ。では、次に規約に移るとしよう。」
規約とは……?ていうか無理矢理話を飛ばしてないか? 規約とかなんだよ〜? と、僕は混乱した。
タキザワおじいちゃんは、髭を片手でサワサワと触りながら話を続けた。
「ここは、一応、フェアリーの世界との境界線となる場所なのじゃ。」
タキザワおじいちゃんは、何やら謎の絵が描かれたパネルを出し、説明してくれた。
「ここが人間界、で、ここがフェアリーの世界。」
その絵は、地球の絵の中に日本があり、その中にフェアリーテールの建物があり、さらにフェアリーの世界と思われるピンクの渦巻きの絵が描かれていた。
「この絵は、ワシが描いた。なかなかのもんじゃろ。ピンクの渦巻きがフェアリーの世界じゃ。可愛いじゃろう。」
と、得意げなタキじぃ。あっ、タキザワのおじいちゃんだと呼びにくいので、心の中ではタキじぃと呼ぶことにした。
「フェアリーの世界は可愛い世界なのじゃ。まさに、ピンクの渦巻きなのじゃ。まぁ、一時は、人間とフェアリーとの交流も途絶えたのだが、この時代、やはりフェアリーの力が必要不可欠だということで、近年復活し始めておるのじゃ。」
説明を聞き、僕は疑問に思った。一体なぜフェアリーの力が必要であるのか? 何のためにかおるちゃんがやって来たのか?
「あのぅ、なぜフェアリーはやって来たんですか? 」
僕は気になったので聞いてみた。
すると、タキじぃは、少し考えてからこう言った。
「それはいずれ分かるであろう。君のような子を他にも何人も見てきているが、目的は人それぞれじゃ。ワシは、ハッキリ答えることを禁じられておる。ほれ、規約にもあるのじゃ。人間とフェアリー。長い歴史の中では、対立することもあったのじゃ。これからの時代も仲良く平和に共存するためには、どうしてもこの規約を理解してもらわねばならん。」
僕は、なんだかよくわからなかったが、とりあえず、何かしらの目的はあるようだったので、それなら良しとしようと思った。
それにしても規約とか、面倒くさい内容だったらどうしよう。また心配事が増え、自然に眉間にシワが寄った。
そんなことは御構い無しに、タキじぃは、目の前にある分厚い本たちと書類を手にし、パラパラとめくって僕の前に次々と並べていった。




