新たなメンバー臼!
にわかの街を法師の演技で出ることができた一行を、臼が追いかけてきて仲間に加えてくれと言う。猿蟹合戦の臼で、にわかの街で飛梅が飛んでいくのを見たと言う。鳶を追っていくと三つに分かれる道があり、その飛梅はたわむれの街に飛んで行ったらしい。
「一寸法師と言えば、小さい者、それがこんな巨人になるなんて見たことがありません、ぽん。」
「私たちの芸などとても及びませんぴょん。」
「ユキ様の可愛らしいメイドのような呪文、これが巨人法師を生む魔法だったとは思いもつきませんでした、きゃ。
大歓声のうちにユキたち出番は終わりました。
「あのお、今度は反対にしてふってくださいね。」
「ふりすぎないようにね、でないと法師さん消えちゃうわよ。」
「以前お姫様がふりすぎて、顕微鏡で発見されたことがあります。」
「大変ね、気を付けなきゃ。」
法師はまた元の大きさに戻りました。
「感謝感激ですよ、ぽん。」
「にわかの皆様本当におもてなしありがとうございます。私たちもこれで心おきなく旅を続けられます。
ゆきはすかさず言いました。
「さようでございますか、お名残り惜しゅうございますがどうぞ道中お気をつけてなされよ、ポン!」
「やったあ。」
「しー!」
法師もゆきは人指し指を口に当てました。
ユキたちはにわかの人たち全員の歌う蛍の光に送られて町を後にしました。なんとフルオーケストラ付で。
にわかの町はずれに出ました。道が分かれています。
「ここまでくればにわかのもてなしはこれ以上受けないわ。」
「いい人たちだったけど、確かに疲れたわ。」
「はい、時々そのままにわかに定住する者もいますよ。」
「大変そう(;^_^A」
「道が三方あるわ。飛梅はどっちへ行ったのかなあ?」
「結局飛梅は、にわかの町には寄らずそのまま飛んで行ってしまったようね。」
その時後ろからお~いと呼ぶものがいました。
「おーい、みなさ~ん、待ってくださ~い。」
見ると臼がごろごろころがりながら追っかけて来ました。臼はみんなのところで止まりました。
「私も連れてってくださいウッス!」
「あなた臼よね?」
「はい、猿カニ合戦の臼です、ウッス!」
「臼さんしばらく見かけませんでしたね。」
「ウッス!昔は各家で重宝されていたのですが、だんだん家で臼を使う家庭も無くなってしままいました。それで放浪していたらにわかの町についたのでウッス。にわかでは役をもらえるので長居してしまったのでウッス。」
「それでどうして私たちと行こうとおもったのっす?あらうつっちゃったわ。」
「ウッス!さすがに毎日大盛り上がりは、疲れたでウッス。それに飛梅を探しているとかきいたものでウッス。」
「飛梅を見たの?」
「ウッス。」
「それはいつですか?」
「皆さんがにわかを演じ終えた時、きれいな歌声が聞こえたのでウッス。それで歌のする方へ行って見ると梅の花みたいな子がこっ
ちへ飛んで行くのを見たのでウッス。」
「やったあ!」
「ここを通ったのは確かね。」
「ほら、歌が聞こえます、あの声でウッス。」
みなが耳を澄ますとかすかに歌声が聞こえています。
「梅にうぐいす、うぐいすに梅♪うぐいす餅は何個食べる♪隠れ里にはいつ帰る♪」
「あそこ!」
見ると小さな女の子が浮かんで飛んでいました。
「飛梅だわ!待って!」
でも飛梅には聞こえないようで、そのまま飛んで行きました。
「飛梅は道が分からなくなってしまったようですね。」
「飛んで行った方向、厄介だわ。」
「”たわむれ”の町ですか。」
「”たわむれ”ってみんな遊んでるの?」
「本物が無いのよ。みな言っていることや、やっていることが本当じゃないの。でも悪気が無くて嘘ついているつもりもないのだけどね。普通の人には嘘になってしまうの、それが”たわむれ”なの。」
「またややこしそうね。」
「ウッス。臼はついていいけど、嘘はついてはいけないウッス。」
ユキとゆき、法師はしら~。
「ユキ気を付けてね絶対離れちゃだめよ。飛梅はマイペースだから大丈夫とは思うけど、でもうぐいす姫と離れているから心配だわ。」
「パワーが足らなくなるの?」
「うぐいす姫に守られているって言った方が良いのかもね。操られやすくなるの。飛梅は飛ばされた時パワーをずいぶん失ったようだわ。本当だったら私たちの力を感じているはずだもの。」
こうして、ユキ、ゆき、法師、臼の四人は”たわむれ”へ向かう道に入りました。
今回は西洋の童話の主人公モグラが登場します。幼い頃、日本や西洋の童話の主人公が、一緒に出てくる物語があると良いなあと思っていたことがそのきっかけです。




