うぐいす姫のお話し
高校生ユキはゆきんこゆきと再びうぐいす姫を訪ねます。うぐいす姫は隠れ里の梅の精、飛梅が突然の風に吹かれ、飛んで行ってしまいユキたちに探してほしい、なぜなら姫が離れると里の力が無くなってしまうからと。里の時間は人間の時間にすれば一瞬で、年を取ることもないとも。飛梅はどうやら”あやし”の里に吹かれて行ったらしいと、おともになった一寸法師が話す。
うぐいす姫はうぐいすの精であること、ここ隠れ里は時間が止まった場所であること。梅とうぐいすは対になっている存在だということ。その梅の木が最近危機に陥っていることなど。
「梅の精が飛んでいってしまったの。」
「飛んでいった?」
梅の精は、ある日隠れ里の端にいました。突然一陣の風が吹き、梅の精は飛ばされてしまったのです。うぐいす姫は探したくてもこの里を離れられないのです。姫がかくれ里を離れると、里に時間が入り込み里は消えてしまうのです。
梅の精がいないとうぐいす姫だけでは十分な力を出せなくなり、里に”あやし”が入り込むきけんがあるのです。
「”あやし”って?」
「良きものでないもののことよ。」
「悪い心、とでもいうのかしら、誰にでもいつもあるものなの、けきょ。でも油断していると”あやし”が多くを占めてしまうのですよ、けきょ。」
「善悪の対立?」
「似ているけど、必ずしもそうではないわ。」
「光と影のようなものかしら。正義は邪とは交われない、だけど邪を見つけるには邪がどんなものか理解しているからでしょ。だから正になろうとしているのよね。」
「それで、私がここに連れて来られたのはどうしてなのでしょうか?」
「飛んでいった梅を見つけて連れて帰ってほしいの、けきょ。人間であるけれど里の心を得ているあなたなら里の外でも中でも動けます。かくれ里以外にも里があるのです。私はそこへは行けません。あなたのおじい様おばあ様も里の心を知っているのです。それであなたはゆきんこ見ることができたのです。ゆきんこと会っているうちにその力がましたのですね。」
「そうなんだ、でも私一人じゃどうしてよいか分からないですよ。それに夏休みもいつまでもあるわけじゃないし。」
「里の者をお供に添えられますよ、けきょ。ゆきんこが一番お役に立てます。でも少し問題があるのですよ、けきょけきょ。」
「私暑いと溶けてしまうのよ。」
「そうだったわね。」
「これから行く先々であなたは色々な者たちに助けられます。それを見る力はゆきんこと一緒である時に可能なのです。里とつながっている限りあなたの世界では時間が進みません。たとえ十年、百年だったとしても。」
「おばあさんになってしまうわ。」
「いいえ、人間としての時間も過ぎてい行きませんよ。」
「そうなのですね、良く分かりませんが、分かりました、、、変かな?ゆきお願いね。」
「うん、二人一緒だよ。」
「それでまずどうしたらよいのでしょう。」
「里の者で梅が飛んでいった方向を知っているものがいるのです、けきょ。」
「はい、私が見ました。」
「え?誰、どこかで声がするけど。」
「ここです、下を見てください。」
ユキが下を見ると小さな男の子がいました。お侍さんの格好をして。
「一寸法師!」
「はい!私は梅が”おぼろ”に飛んでいくのを見ました。」
「おぼろ?」
「おぼろ月夜のおぼろです、けきょ。」
おとぎ話の主人公たちがどんどん、現代の世界に現れてきます。これから人間のユキと童話の主人公たちが長い異世界の旅に出かけます。
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