燃え盛る島
龍の島を後にしたモア達一向。
王宮は一時帰還しようとするが、そこである不思議な島を見つけるーー
龍の島を出た一行は、ホアンクルムの王宮に行こうと船を進めていた。が、しかし。
「おい!!全然つかないじゃんかよバルド!!」
「ウルセェな!!?俺も気がついたら龍の島だったから道なんざ覚えてねぇんだよ!?」
「ここどこ!?」
「あたしら絶対遭難してる!!絶対!!」
「おいーーーバルドオオオオオオ」
「勘弁してよおおおおお」
「だぁぁあ!!!うるせぇな!!!!だったらテメェらも風起こすなり道作ったりすりゃいいんじゃねぇのか!!!」
「んなこと言ったってさぁ!?」
「そうよそうよ!!道は熟知してるんでしょ!?モアから聞いたわよ!?」
「ばっかじゃねぇの!?来たことねぇ道をどう熟知すんだよ!!!!」
「「確かにそれはそう!!!でもお前が悪い!!」」
「んだとこらぁ!!オメェら降りろぉ!!!!」
「あはは!カイルスさん、この3人はなんだかんだ仲がいいんです」
いつも通り三人は言い合いをしている。
モアはそれすらも愛おしいと思っていた。
モアの周りを漂う龍はどこか微笑んでいるように見える。
「相変わらず…仲がいいですなぁ…」
「全く…しょうがないわね…風起こしてどっち方向か確認してきてあげる」
「「最初からやれや!!!!」」
「うっさいわね!!!まだちゃんとできないの!」
そう言ってフィルは風を起こし大空へ飛び上がった。
ーー進行方向とホアンクルムの地は全く別を向いていたことがわかる。
「んー全然違うじゃない。あれ?何あれ…」
フィルが見つけたのは一体が炎に囲まれている小さな島。
「ん…?なんだろう…ねえ!みんなー!なんか燃えてる島があるの!ねえ!!」
フィルは声を上げ、筏があった場所を見つめる。
ーーしかしそこには筏がなかったのである。
「あら?」
再びフィルが起こすと、バルドが海の中から2人を抱え顔を出した。
「てめぇ!!溺れ死ぬとこだったぞ!!!!」
「なにしてんの?私のせい?」
「テメェが風起こしたせいで!!筏全壊!!!!」
どうやらフィルが起こした風により、船が転覆してしまったという。
「あはは!ごめんごめん!あっちに!燃えてる島があるの!」
「あぁ???」
「ゴホゴホ…ブォッホ…燃えてる島?」
「あんたシンとモア抱えて早く来て!私が案内するから!!
「あ!!おい!!フィル!!」
「どうする?モア」
「炎の島…んん、匂う…匂います!!!」
「まぁそりゃ、燃えてるから臭いはする」
「違う!!!!炎の英傑のこと!!!!」
「「あぁー!!!」」
バルドとシンは納得したように頷いた。
「んじゃあとりあえずいくか!!」
「しっかり捕まってろよ。」
「「え。」」
バルドはモアを担ぎ、シンを脇に抱え加速を始める。
水飛沫が上がる中、波も高かったためシンは息ができずバルドを叩いた。
「ブァ!!!!!!し、死ぬ死ぬ!!息できねぇって!?」
「あぁ?男だろ、気合いでなんとかしろ。」
「ちょっと待てよ!?そんなのあり!?」
「うるせえな、置いてくぞ」
そう言ってバルドはシンを置き去りに走り出した。
ーーなんとかバルドの足に必死にしがみついてるシン。
「バルドオオオオオオ!?なんで置いてこうとするんだよおおおお!!!俺のことも掴んでろよおおおお!!!」
「気合いでなんとかしろボケナス」
「そりゃあねえよおおおお!!!」
「あーあーあーシンちゃん!しっかり捕まってないと!!!!」
そう言ってモアはシンに手を伸ばす。
「お、おい!モア!!動くな!!!バランス崩す!!」
「へ??」
「うわっ!?」
バルドはバランスを崩し海上に倒れ込む。
水の力を持っていない二人は再び海に投げ出されてしまった。
「ぎゃぁぁあ!!バルドくううううん!!!」
「ちっ…本当…勇者じゃなかったらぶっ殺してるぞ!」
「勇者になんてこというんだお前!!」
「なんて乱暴な!!!女の子に乱暴してはいけません!ていうかまって!?」
「「なんだ?」」
「私泳げない!!!」
「は!?」
「とりあえず俺に捕まってろ!!」とシンはモアに手を差し出した。
「バルド!おいなんとかしてくれよ!!」
「知るか!!もう俺は知らん!!!おめぇらで勝手に来い!!!馬鹿野郎が!!!」
「バルド君ごめんて置いて行かないでー!!!」
どんどん離れていくバルドに、モアとシンは絶望の淵に立たされてしまう。
「あいつ本当に置いて行きやがったなー…」
「…ほ、本当に…私たち置いて行かれた…?」
「だな。」
「ええええ!?どどどうしよう!!」
「んー!」
シンはほんの一瞬だけ考える仕草をする。
「うん、泳ぐぞ!!!!」
「タフおぶタフ!!!」
「ちょっと…試したいことあるんだけどいいか?」
「ん?」
「モア、俺のこと抱きしめてくれ!」
「え?は、はいわかりました…」
そう言ってモアはシンに言われるがまま、彼を抱きしめた。
「俺の腰に足回して!!」
「えぇ!?は、はい!?」
「よーし…行くぞー!!!」
「なになになに…え!?」
シンは水中を歩き出した。
ーーすると、シンが歩く場所に道ができていく。
「え!?え!!すごい!!すごいよこれ!」
「よし!うまくいったぞ!このまま燃えた島にいくぞう!!」
「おー!!」
シンはモアを抱き上げると、急ぎ足で海を走っていった。
彼らが通り過ぎると、その道は美しい花々へと変わり海に浮かぶ花畑と姿を変えたのだった。
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その後、一足先に島の前に着いていたフィル、そしてカンカンに怒るバルドと合流(先ほどの件に関しての深い謝罪)し、彼女たちは燃え盛る炎を見つめていた。
「こんな燃えてる場所に…人なんているのかな…」
「とりあえず消して行ってみるか。」
「え!?勝手に!?」
「俺は消さなくても入れるけど、お前ら入れねぇだろ。」
そう言ってバルドは炎を一瞬にして消していく。
「なんか…人の気配…しなくない…?」
「たしかに…ぶえっきし!!!」
「大丈夫?モア可愛い顔して結構すごいくしゃみ。それにしても寒いわね、ここ…」
「海にも入っちまったしな…フィル、これ着るか?」
「シン、あんたも濡れてる上にそんな袖なしの上着じゃあったまんない。」
「あ、そうか。」
「それに!!!」とフィルはシンに詰め寄る。
「は、はい」
「そういうのはモアにやりな。」
「え?あ!あのおもしろいくしゃみフィルがやったんじゃねぇの!?」
モアはその言葉を聞き、顔を真っ赤にして俯いてしまう。
「あんたねぇ…今一度に二人の女の子を傷つけたわよ…」
「へ?」
「いっぺんぶちのめす!!!」
そう言ってシンの頭に拳骨をお見舞いしたフィル。
「ていうか寒いから逆に火を消さないほうがいいのかも…バルド!!火消さないで!!モア寒がってるから…って…あれ?」
先ほどからバルドのやかましい声が聞こえなくなったため、三人は目を見合わせた。
「バルド!?あいつどこ行ったのよ!?」
「バルドくん!バルドくーん!!」
3人が島へ改めて上陸するや否や、突然炎の矢がモア達に向け放たれたのだ。
「「ぎゃぁぁあ!!!」」
「な、なんだ!?攻撃されてるぞ!?おいフィル!モアを連れて…」
そう言ってフィルがいたはずの場所をみたシン。
ーーしかしそこにはフィルはいなかったのである。
「あれ!?フィルさん!?」
バルドとフィルは、残像すら残さず跡形もなく消えてしまっていたのだ。
「えぇ…どこ行ったんだあいつら…っ…」
何かを察知したシンは、モアを引き寄せ背に隠す。
「え…」
「…」
「何者だ、貴様ら」と仮面をつける人物達が、モアたちに向け槍を向けていた。
「…ひ!」
「お前らこそなんだ。」
「部外者は即刻立ち去れ。」
「なに…?」
「シンちゃん…!」とモアは好戦的な態度を向けるシンを宥める。
「あ、ち、ちがうんですよ!私たち迷っちゃって…」
「黙れ!!!」
「は!?なんだよ!?こっちの話も聞けよ!?」
「此奴らを英傑様の元へ引き渡すぞ。」という声が聞こえ、モアは驚く。
「英傑…?」
「「はっ!!!」」
仮面を被った者たちはモアたちを拘束する。
「きゃっ!?」
「おいお前ら!!そいつに触るな!!!!」
「「…っ…」」
シンの大声に、仮面をつけた者たちは驚く。
「こいつは勇者様だぞ!!!もっと丁重に扱え!!!」
「勇者…様?」
「勇者様…英傑様が言っていたあの勇者か…?」
「勇者」という言葉を聞いた彼らは、困惑していたのである。
ーーしかし
「いや、信用できん。とにかく英傑様の元へ連れていくぞ。」
「おい!?ここはえ!?勇者!?ってなるところだろ!?」
「黙れ、この巨岩男が」
「きょ、巨岩…!?」
「ぶふっ…っ…」
「おいモア!?何笑ってんだよ!?」
「とにかく来い。」
「わかりました…」
「えええええ!?」
こうしてモアとシンは謎の仮面の人物達に連れられ村に入ることに成功?したのだった。




