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夢と現実のあわい

暗闇に飲み込まれたはずのニーナは、自分が死んでしまったと思い瞳を固く閉じていた。



「……」



突如投げ出されたような感覚がニーナに襲っていた。


つい先ほどまで焼けるように熱かった身体は、今は嘘のように静まり返っている。


熱も痛みもない。



ただ、冷たい闇だけが彼女を包んでいた。



「…なんだ…ここ…」



暗い道を、恐怖と戦いながら一歩ずつ進む。



一寸先は闇に覆われていて、何も見えない。



その闇の中に場違いなほど凛とした声だけが響いていため、ニーナは眉を顰めた。



「目覚めよ勇者よ。其方が目覚めし時…再び…我が力を其方に託そう。」



「…は?」



暗闇の中で、一筋の光が差し込み彼女に語りかけているように見えたニーナはその光に声をかける。



「…ここ…どこ?貴方は誰?姿を見せてよ?」



ニーナは必死に声を上げるが、声の主が姿を現すことはない。



「其方の行くべき道は、剣が誘ってくれるだろう」


「…剣?え??なんで…?私剣術できないんですよ!?父ちゃん刀鍛冶だけど…っ…」



ニーナは急に胸が重くなり、苦しくなる。

焦ったニーナは胸を抑え蹲り、徐に呼吸を整えた。



「苦しい…息を吸わなきゃ、どこか空気のある場所に…」



するとその一筋の光はまるで、ニーナの視線を誘導する様に動き始める。



「なに?」



暗闇の世界にいるはずにも関わらず、視界が大きく歪んだのだ。



「…っ…」



ニーナは頭が痛くなるほどに視界が歪み、きつく瞳を閉じ、再び瞳を開く。


開けたはずの視界は再び一筋や光と暗闇の世界が広がった。


しかし先ほどと違うのは、その暗闇の中で一人悲しそうに俯くひとの姿が見えたのだ。



「…あ、人!?」

「…」


「ねぇ!!誰!!!!そこで座ってないで助けて!!」


「…」

「え!?なに!?聞こえない!!!」

「…」



その唇は確かに動いていた。

しかしその言葉が、ニーナの耳に届くことはなかったのだった。

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