第11話 ボス戦なんだが、どう考えてもやりすぎる未来しか見えない
「……許可は出たな」
俺は目の前の巨大な存在を見上げる。
でかい。とにかくでかい。
さっきのミミズとは比べものにならない。もはや地形の一部みたいなサイズだ。
「……無理だろこれ」
本音が漏れる。
***
ズルッ。
巨大な体が動く。
地面が波打ち、こちらへ迫ってくる。
「うわ来た!!」
反射的に後ずさる。
***
「ユウト! 下がれ!」
上からリゼリアの声。
「いや下がる場所ないんだけど!?」
完全に逃げ場がない。
***
「……しゃーない」
ため息をつく。
やるしかないらしい。
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「とりあえず――」
拳を握る。
「軽くな」
毎回言ってる気がする。
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目の前に迫る巨大な体。
タイミングを合わせる。
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ドンッ。
***
軽く殴った。
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――ゴォォォォォォォォォォォォォォォン!!
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空気が震えた。
衝撃が広がる。
地面がめくれ上がる。
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「…………」
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そして。
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消えた。
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巨大な存在が、跡形もなく。
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「……あれ?」
静まり返る空間。
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「……終わった?」
恐る恐る周囲を見る。
何もいない。
さっきまでの圧倒的な存在感が、完全に消えている。
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「……やりすぎた?」
小さく呟く。
***
「ユウト!!」
上からリゼリアの声。
「無事ですか!?」
「一応……」
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「今のは……」
筋肉男が呆然と呟く。
「なんだあれ……」
「俺も知らん」
本気で知らない。
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「……確認します」
リゼリアが穴に降りてくる。
周囲を見回し、地面に触れる。
***
「……完全に消滅しています」
「だよな」
***
「ですが」
リゼリアの表情が少し曇る。
「魔力の流れが止まりました」
「それいいことじゃないの?」
***
「いえ……」
ゆっくりと首を振る。
「止まりすぎています」
「……どういうこと?」
***
「この一帯の魔力が、ごっそり消えています」
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「……は?」
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「つまり」
筋肉男が言う。
「周りのエネルギーごと消し飛ばしたってことか」
「やめろその言い方」
***
なんかスケールがでかくなってる気がする。
***
「……とりあえず」
リゼリアが立ち上がる。
「村への被害はこれで止まるはずです」
「それはよかった」
それだけは安心した。
***
「ただし」
嫌な前置ききた。
***
「ユウトの危険度はさらに上がりました」
「やめて」
***
その日、村では英雄が生まれた。
同時に、王国では――
警戒レベルがさらに引き上げられた。
***
「……もうほんとやだこの世界」
俺は空を見上げながら呟いた。
本気で帰りたい。
「ここまで読んでいただきありがとうございます!
無事(?)ボス撃破となりましたが、やっぱりやりすぎました(笑)
この後の村の反応や展開もぜひ楽しみにしていただけたら嬉しいです!
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