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第17話 カマキリ

虫って、カッコイイの多いよね!

スピードが足りない。

俺はラギアンさんとの一戦から、色々と考えてその結論に至った。

やっぱり俺の戦法はスピード命なんだよね、早く動き、早く斬る。それだけの単純な戦法だけど、俺は今までコレで強くなって来た。

でもラギアンと戦った時、俺は動けなくなっていた。コレじゃぁダメだろスピードを活かせ無いんじゃ意味がない。

これから先、ラギアンさんクラスと戦う事なんてまぁないだろうけど、絶対とは言い切れない。そのラギアンさんとの決闘だって理由は意外な物だったんだからな。

その時、何も出来ないのは嫌だ。特別理由なんてねぇよ、だって仲間だもんな、嫌なものは嫌だ。だからそうならん様、鍛える。


早く動きーー


しゃがんだ俺の頭上を鋭い刃が通り過ぎる。


ーー早く斬る‼︎


対象物は斬れていない、何故なら俺は無手だから。つまりイメージだけ。

ん?何してるかって?

特訓です!

俺の目の前にはデカイ蟷螂。軽く2メートルは超えてる、んでもって鎌4本。

コイツはフォースシックル。Aランク相当のモンスターだ。その鎌から放たれる剣戟と斬撃は凄まじい物で、4本の腕が絡まる事なく物凄いスピードで攻撃を繰り出してくる。それは絶え間なく続き、回避は不可能。

と、言われてるのでコイツの攻撃を回避すると言う特訓をしています。

右から鎌が二本、首と足を狙って迫るので、俺はジャンプと同時に体を捻り、鎌と鎌の間をすり抜け着地、と同時に上から鎌が迫る、ので左に飛ぶ、とさっきの二本が帰ってくる、から俺は後ろに後退、すると斬撃を飛ばしてくる、ので右に走る、俺の軌道を予測した蟷螂野郎が行くてを阻むように斬撃を飛ばし、て来たから蟷螂に向かって走る、不意を突かれて驚いたのか蟷螂野郎が一瞬止まる。

特に危なげね〜。

いや、普通にラギアンさんの方が速かったわ、まぁ、あんなスピードだすモンスターいたら勝ち目ないけどね。それに、モンスターのランク付けるのなんて誰か知らんし、一般人に危機感持たせる為には仕方ないのかなぁ?

全く、一人じゃAランク依頼受けれないから黙って来たのに、コレじゃぁ足りないぞ!

と、思ったらなんか鎌が発光し始めた。

なんぞアレ?

そのまま右上の腕を上げて〜、振り下ろしてく…速ッ⁉︎

危ねぇ危ね…ホワット‼︎いや、ちょ、速い!え?何?第二形態的なアレ?本気出しちゃった感じ?ラギアンさんには達しないけど速いよ!流石に避けしか手段がないとォ⁉︎キツイ!

蟷螂が縦横無尽に鎌を振り回す。

右から迫った刃を飛んで避ける。すかさず空にいる俺に向かって二本の腕で追撃が放たれる。俺はその鎌の側面を両足で蹴り開き何とか回避、そして着地。そのまま睨み合う。

うん、どうやらナメプされてなたようだ。この野郎、舐めやがって…許さん!

まぁ俺も無手だけどな!

しっかし、どうしたもんかなぁ、ここで死んだら元も子もない。逃げるか?ぶっちゃけ斬撃飛ばすヤツなら避けるの難しくないし…うーん、否!まだ避けれるスピードではある、ここで引き返して何が修行か!さぁ来い蟷螂野郎!

俺の覚悟(笑)が通じたのか、フォースシックルが向かってくる。

さぁ、集中集中!


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


一つ言って置こう、コイツの鎌は両刃だ、曲剣に近いかもしれん。そしてその裏刃が俺に迫ってくる。一本下がって回避。

追撃に斬撃と一緒に蟷螂が突っ込んでくる。

斬撃を紙一重、あえて蟷螂に肉薄し、リーチの長さを仇とする。

たじろぐ蟷螂は4本の腕を同時に振ると言う謎行動に出た。

足元に入ってスルー。

結論から言おう。


慣 れ た !


コイツ速いけど大した事ねぇや。先ず剣技だか、鎌だから鎌技?まぁ、それだけど。

攻撃をする→回避される→回避した目標への攻撃→回避される→回避した目標への攻撃→回避される→以後ループ。

簡単に言うと、フェイントや相手の動きを予測して攻撃すると言う事を全然して来ない。それが種として強力だからか必要無いのか、タダの馬鹿だからかは知らんけど、動き続ければ当たることは、まぁ無い。

そして特殊攻撃だが、斬撃を飛ばす以外に無い。魔法使いには致命的だろうけど、単騎の接近戦では役立たずだ。

問題があるとしたら俺の体力だろう、絶え間なく動くのは酷く疲れる。


「キキキキキキキキキ‼︎」


しかし、相手も余裕ではなさそうだ、なんか突然奇声を上げ始めた。疲れか、いや苛立ちか?焦り?分からない。

しかし、動きが更に速く、そして雑になっている。避けるのに問題は無いだろう。

横薙ぎ。

上半身を下げて躱す。

振り下ろし。

そのまま地面に手をついて、片手の逆立ち、直ぐ隣の地面に鎌が落ちた。

しかし、振り下ろしは二発、右上の鎌が降ってくる。

ついている右手で地面から弾き出される様に飛び、それを回避。


「チッ!」


木の幹に足の裏を付け、フォースシックルを見れば斬撃が幾つも飛んで来ている。

思わす舌打ち。

俺は上の太い枝に手をかけ、クルリと回って枝に乗る。斬撃は幹の一部だけを細切れにして飛んでいく、当然上に逃げた俺は重力に従い、木と共に落ちる。が。


「ふんッ‼︎」


宙で木を蹴り、蟷螂へと肉薄する。蹴られた木をは反動でどっか飛んで行ったけど知らね。

蟷螂は俺に反応して腕を振るが少し遅い。一瞬間に合わず俺はヤツの左前足の近くに着地、足払いをかける。

支えの一つを失ったフォースシックルが鎌の一つを代理で支えにするが、その分隙が出来る。

俺はその鎌を足場に飛び、ヤツの顎?を蹴り上げる。


「ギィッ⁉︎」


フォースシックルの頭は物凄い勢いで天を向き、上半身と両前足が少し浮く。そして俺が地面に降り立つのと同じく、ヤツが二、三歩後退した。


「ハァ…ハァ…フゥーーッ‼︎」


俺も大分疲れたな、それに肉弾戦じゃ流石に勝てそうに無い。帰るか。


「キキキキ‼︎」

「うおっと‼︎」


俺が逃げようとしてるのを読み取ったのか、襲いかかって来やがった。

凄い猛攻だな、縦横無尽に腕を振り回して来やがる。

逃す気無いなコイツ!でも俺は逃げるぞ!

4本の腕を交差させ、 内側から広げる様にして斬りつけてくる。

俺はそれを前宙の要領で躱し、そのまま全体重&遠心力&重力を込めた踵落とし頭に叩き込む。


「おんどラァ‼︎」

「ギ…」


何か鳴き声を発そうとしたんだろうけど、その前に地面に激突し、聞こえなくなった。


「また今度な!」


よっし!トンズラさせてもらうぜ!


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「ただいま〜」

「あ、団長お帰り〜」


日ノ本に帰った俺をまたも迎えてくれるツァイ。気のせいかな?コイツ俺が帰ってくる時いっつもいね?戦闘員だよね?冒険者だよね?


「やぁ、お帰り」


とラギアンさん。

この人も自分の本拠地持ってるのにいっつもコッチにいるんだよね。謎。


「ラギアンさん、貴方自分の家に帰らなくていいんですか?」

「あぁ、売りましたよ?あの家。今は日ノ本の隣に住んでます」


ファッ⁉︎何してんのこの人⁉︎て言うかいつからだよ⁉︎全然知らんかったぞ⁉︎


「え?じゃぁ、元疾風の剣戟の皆さんは?」

「代わる代わる日ノ本に来ているじゃないですか。私の家、もとい、元疾風の剣戟拠点がそのままだと、皆彼方へ行ってしまい、交流が少なくなるかもしれないので、今の様にさせていただきました」


ああ、成る程。確かに疾風の剣戟の団員はラギアンが好きなわけで、俺達が好きなわけじゃない。前の拠点が残っているなら自然とそっちに流れるだろうな、向こうの人がコッチにくるのはそう言う訳か。ラギアンが毎日日ノ本にいるのもそう言う訳か。


「それでも…一言欲しかった」

「あははは。すみません、団長に相談するとなると反対されそうだったもので、勝手にやらせていただきました」


まぁいいか、おかげで元疾風の剣戟団員と皆の交友は円滑だ。

ギルマスが狂喜乱舞してた。

この分なら町全体での交友もそう遠く無いかも知れん。

それに、ラギアンさんが日ノ本にいてくれるお陰で俺は自由行動出来る(いなくてもするけど)しな。いいこと尽くめだ。

ラギアンと俺が戦ったのには、ちゃんと意味があったんだな。そう考えると、戦うってのも分かり合う為の手段なのかも知れない。

それなら、戦うのも悪くないよな?


「じゃあ私と戦わない?」

「やめてください、死んでしまいます」


リュシィさん…貴女ちょっと前までいなかったやんけ…どこから湧いた、神出鬼没にも程があるだろ……つか思考読まれた⁉︎

おい!逃げるなツァイ!


「うふふ、そう言わずに、殺しはしないわよ?」

「殺しは、ですか。丁重にお断りさせていただきますぅッ‼︎」

「あら残念。そうだ、貴方でもいいのよ?」


と、怖い笑みでラギアンを見るリュシィさん。コレには流石のラギアンさんも苦笑い、つか引いてる。


「い、いえ。私も遠慮させていただきます…」

「つれないわねぇ…つまらないわぁ」


リュシィさんって、パッと諦めてくれるからありがたいよね。まぁ、少し経つとまたさそってくるんだけど。


「ま、それは置いといて。ブルー、貴方、武器置いて何処に出かけてたのかしら?」


と、俺の刀を持ってるリュシィさん。

んん?おかしいな?部屋に置いといた筈なんだけど?


「街の外に出てたわよね〜?」


な〜んでそんな事知ってんのこの人?ストーカー?怖…

どうしよう…素手でモンスターと戦ってましたって言うか?いやダメだろ!アレ依頼じゃねぇし!規則違反だし!取り締まられちゃう!

俺は目を泳がす事しか出来ない。

困ったな、バレたらどうしよう…てかリュシィさん俺の後つけてたんならバレてね?


「?…?」


ちょうどラギアンさんが挟まれてて「え?何この状況?」見たいな顔になっとる。出るに出られないアレだよ。

く…ラギアンさんの為にさっさと話を切り上げなければ!


「ど、どうしてそんな事知ってるんですか〜?」

「そんな事はどうでもいいの、何処に行ってたかと、私は聞いてるのよ?」


ラギアンさんを押しのけてリュシィさんが迫る。

ん、なんだ?怒っている?


「いい?貴方が死んだらここにいる連中が悲しむのよ?分かってるの?何を焦っているのかは知らないけど、強くなるにしたってもう少しやり方を選びなさい!」

「は、はい」

「武器も持たずに魔物と戦うなんて馬鹿なんじゃないの?少しは命を大事にすることね」


と、刀を投げ返された、そのままリュシィさんはまた何処かへと行ってしまう。

コレは…心配してくれたのか?リュシィさんが?珍しい事もあるもんだな。いや流石に失礼か。忠告、ありがたく頂戴します!


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


リュシィさんからありがたい忠告受けてから1週間、俺は毎日コイツの所へ来ている。


「キチキチキチ…」

「よう鎌キチ」


今日も今日とて修行、相手はこの蟷螂、ここらで一番いい相手。

この1週間、コイツと毎日戦って(俺は殆ど避けるだけだけど)少し変わった事がある。

それは俺の技だのスピードだのではなく、このモンスターだ。

今だって俺が来ているのに、攻撃して来ない。


「今日は俺を殺せるかな?」

「ギチキチキキ‼︎」


俺はまるで挑発する様に話かける。するとこのモンスターもまるで言葉が分かるかの如く反応を見せた。

恐らくコイツは本当に理解しているだろう、そうなら変わったのは少しどころじゃないな。いや、本当に少しどころじゃないか。


「んじゃ、始めっか」

「……」


どちらともなく構え、暫し睨み合う。

相手は人間じゃない、表情と視線が読めない分、見極めるのは難しいが、俺は出来る限りの集中力を総動員して隙を探る。

しかし、見切る前にフォースシックルが動く。


「キキッ‼︎」


飛ばすは斬撃、それは一度に4本現れ、1つは俺へ、残りの3つは”俺の行く手を遮る様に”放たれた。

地面を切り裂きながら飛ぶその斬撃の間を俺は駆ける。

そう、コイツの少しどころじゃない変わった所ってのはコレだ。相手の行動を予測する様になった、それはまだまだ甘いが、コレだけの力がある怪物じゃ早速脅威になっていた。

しかも、それだけじゃない。

右から鎌が迫り、俺はそれを避けようとするが、突然動きを止めた。


(フェイントか!)


そう思った瞬間、止まった鎌で見えなくなっていたもう一本の鎌が顔を覗かせる。同時に左からも一本俺に向けて振られていやがる。

飛んで回避、と思ったら残る一本の鎌が俺を追ってきた。

そう、この蟷螂フェイントも覚えやがったし、攻撃する時は必ず鎌一つ残し、もしもの時に備えてる。

途轍もない学習能力だ、たった1週間で拙いとは言え、ここまでの技量を身につけるとは…恐ろしい子ッ‼︎

流石はAランクモンスター、伊達にラギアンさんと同じランクじゃないか…


強い。


今まで避けの一手でどうにかして来た相手だが、そろそろ刀を使わないと無理そうだな。この切り上げとか。

俺は左手に持った刀、その鞘の頭を鎌に叩きつけ、弾き飛ばす。


「ははっ!やるようになったな!まさか1週間で武器使う羽目になるとは思わなかったぞ!どうやら、訓練のつもりが、成長してたのはお前の方みてぇだ!」

「キキキキキ‼︎」


またも縦横無尽に鎌が振られる。俺はそれを出来る限り避け、絶対無理だと判断したものは刀で対応する。

この成長する蟷螂は実にいい修行相手だと思うし、俺は少なからず愛着を感じていた。一日一度、修行だの訓練だのの名目で勝負をしているが、コイツとの関係はライバル、あるいは師弟様な物だと言ってもいい。

虫相手にライバルだの師弟だのなんて笑えるかもしれないが、結構本気。そして、もし師弟ならば、師匠は俺。コイツは俺から技を学んでいる、故にまだまだ負ける訳にはいかない!


「ふんッ‼︎」

「ギッ⁉︎」


俺の蹴りでフォースシックルの巨体が横たわる。決着はいつもこうだ、コイツが決定的な隙を見せた時、その時だけ俺が攻撃して、沈める。

完全勝利なんかじゃない、自らハンデを与えて、避け続けるのはジリ貧だからキリのいいところで本気になり、強制終了させてるに過ぎない。

つまり、俺は自分でハンデ被って、危なくなったら破る。なんて卑怯なんだと自分でも思うけど、死ぬ訳には行かないからなぁ。

ま、こんなんで成長出来るのかは分からないが、それでも、コイツに勝ち続ければ自ずと強くなれる気がする。

何しろ、相手は蟷螂とは言え、1週間で様々な戦法を覚える天才だ。天才の上を行き続けるなんて、難しいに決まってる、だから俺はそれを成し遂げて、強くなる!

それが俺の今の目標。そして強くなったら、シルヴィアに会いに行こうと思っている。それが今後の目標だ。


「今日は終いだな、もっと技を磨けよ、蟷螂」

「ギィ…」


悔しそうに鳴き声を上げる蟷螂。

俺は近いうちに刀を抜く事になるだろうと思いつつ、その場を去っていった。




こう言うのってかっこよくね?

と思いつつ。


ーー------------ーーー


ブルーがフォースシックルと戦っている時、少し離れた茂みにそれを覗き見る影がある。


「ふふっ…いいわよブルー・アルトリオ!もっと強くなりなさい。それにしても、あの蟷螂も面白いわねぇ〜」


リュシィである。

1週間前、ブルーに喝を入れた彼女であるが、それは心配や好意などの良心的なものではない。


(私と戦う前に死ぬなんて、そんなのつまらな過ぎる)


ただ、全盛期のブルーと戦いたくて、その前に死なれたら困るからである。


「でもやっぱりブルーだわ。アレだけの魔物と戦いながらまだ抜剣もしてないなんて、本当に面白い」


狂気じみた笑みを浮かべながらブツブツと言う、その姿は最早通報ものだ。

その時、ふと、影が増える。


「何をしているんですか彼は…」


ラギアン・ラギレスだ。

しかし、まるで分かっていたかの様にリュシィの動揺はない。


「修行とか訓練とか言ってたわ。あの攻撃を避け続けるつもりみたいね、流しも入って来たけど。それにしても彼、魔物と喋ってるのよ?魔物に話しかけるなんて面白いわよねぇ」


それを聞いたラギアンは苦笑いし、悪いと思いつつブルーの評価を「おかしい人間」とした。


「フォースシックルと単騎戦など、どんな神経をしているんですかね、団長は…」

「あら?貴方もやろうと思えば出来るでしょう?ホラあの速く動く技で」

「いえ、アレは魔力を著しく消費するので、彼の様に避けの一手で使えば長くは持ちません。魔力切れでやられてしまうでしょうね」


アレ。とは、ラギアンがブルーとの決闘、その最後に使った超速で動き回るあの技だ。ブルーと戦った時は、その超速から長い時間戦っているように感じたが、実際は5分にも満たない。と言っても、その5分内でどれだけの回数剣を合わせたかは、数えるのも馬鹿馬鹿しくなる程。

確かに避けの一手に使うならば時間の問題で負けてしまうだろうが、もしそれを攻撃に使ったのなら、フォースシックルは10秒と届かず絶命する事となるだろう。


「それに、暫くはあの技を使うつもりもありませんしね」

「あら?なんでかしら?」

「自分で追いつけないから、ですよ」

「なぁるほど。貴方自分の技に振り回されてたものねぇ?」

「うっ…だから封印して鍛え直しているんです」

「アハハッ!完成したら殺り合いましょう?」

「やはり貴女はそれが目的で団長に近づいていたのですね?」

「そうよ?今更?」

「あれ?隠す気はないんですか?」

「殺る気ならあるわよ?殺り合う?」

「丁重にお断りいたします」

「つまらないわねぇ」


と、そんな会話をしている間に戦闘が終わる。


「どうやら終わったみたいですね」

「そうね、ブルーも戻ってしまったし、私も近場の蜥蜴ドラゴンでも狩りに行こうかしら?貴方は?」

「そうですね、私は…」


おもむろに茂みから出、フォースシックルの前へと立つ。


「団長の真似でもするとしますか!」


この後、異常な程強いフォースシックルがエインド近辺に出現し、街は混乱へ落ちいる事となる。

しかし、不思議とそのフォースシックルは殺しをする訳でも、破壊行動をする訳でもなく、向かって来る冒険者を退けるだけ。

街の外れに鎮座するその姿はまるで挑戦者を待つ達人の様であり、試合を待ちかねている素人の様でもあったと言う。

技を盗み、技を教えるフォースシックル。後に蟷螂先生と呼ばれた魔物の原点である。

書き始めた当初は、この蟷螂こんなキャラにするつもりなかったんだけど…どうしてこうなった?

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