第16話 病み上がり騒動
なんだろう?バトル終わってみると、あの時だけ妙に指が動いた気がする…
ん?
しらない天じょ…
嘘です、知ってます俺のへやです。
うん気絶したっぽい。
ラギアンさんと戦ってからの記憶無し!
起きるか。
よっこら
「ホォォォオオオウゥゥ…‼︎」
痛ってぇぇぇえええ‼︎
ぜ、全身くまなく痛い!
激しく痛い!
ヤバイ、本気で筋肉痛なんてもんじゃ、なかった!
「あ、団長起きた?」
ん?この声は…
「ツァイか?」
「そだよ〜」
あら、看病しててくれたのか。
ふひひ!この展開はエロい方向へ…
無理です、できても俺が死にます。
大体そう言う関係ちゃうし。
ヤバイな、色々ヤバくて思考がヤバイ方向に向かってる。
とりあえずお決まりのセリフ、いっとこうか。
「どのくらい寝てたんだ?」
「昨日から丁度1日くらいだね〜」
ふぅん、激闘の後起きたら一週間とかよくあるけど、そこまではいかないのか。
あんなに頑張ったのに…
「じゃぁ僕皆を呼んでくるよ」
「あぁ、そんなに騒がなくてもいいぞん」
「騒ぐよ〜う、団長が倒れた後大騒ぎだったんだから〜」
そうなん?
皆心配してくれたのか…団長感激っ!
「あ、傷はエティア達が治してくれたから大丈夫、でも動くと痛いと思うから安静にしとけって、じゃ!」
それだけ言って去っていった。
ふむ、体に別状はないらしい。
魔法万能説。
ん?
なんか物凄い勢いで沢山の人が階段を登る音が…
「うぉぉい!起きたかブルゥウ!」
「ま、待てダンキ!団長殿はまだ安静にせねば!」
「団長ー!」「無事かー!」「まだ寝てないとダメだろ!」「子守唄でも歌ったろうか?」
「お前らもだ!静かにしろ!」
なんかいっぱい来たーー!
まて!部屋がパンクする!
「タンマタンマ!そんなに多く入れないぃ…っ痛ぇぇええ‼︎」
ギャァァア!俺怪我人だったぁぁあ!
クソ、皆止めようとして自爆とは…笑えんぞ…ぐふッ……
「だ、大丈夫か⁉︎ほら!お前らも気持ちは分かるが落ち着け!」
「いや〜、大変ですね」
エティア、ありがとう。そしてリース君、他人事だね。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
とりあえず皆落ち着いた。
のはいいんだけど廊下にまで溢れんなし、戻れよ。
「いや〜、それにしてもお前、あんなに強かったんだなぁ」
「俺は強いと思ってなかったんだがなぁ…」
「アレでそう思えるのは逆に凄いと思うよ…」
「そうかぁ?」
ディアナちゃんが怪力だったからてっきり大人になるとすんごい事になるもんだと思ってたんだけどなぁ。あそこの王族が特殊だとは聞いていたけど、常人とでそこまで差が有るとは…
それに俺の技ってまだ完成してないのもあるし。修行途中でそこまで強くなってるとは思わなんだ。刀もモドキだしね。
「あ、そう言えばラギアンさんはどうなったんだ?」
「あっちも同じような状態だそうです。でも命に別状はありません」
「そうか、そりゃよかった」
平な面とは言え、思いっきり突き込んだからな。心配したけど、大丈夫なら何より。
「で、今回の決闘、俺も気絶した訳だが、どっちの勝ちって事になんだ?」
「もちろんブルーだ。気を失ったっても最後まで立ってたからな」
「立ったまま気絶する人なんて初めて見たよ〜」
「俺も初めての経験だったわ、もう勘弁」
びっくりだよ、全く動かなかったもん。あんな体験出来れば二度と御免だ。
「あぁ、そう言えば」
「ん?なんだ?」
「団長殿は目も黒かったんだな」
へ?
「あぁ、俺も驚いたぜ」
「ピアス取ったら髪が真っ黒になるんだもん、驚きだよ〜」
あるぇ〜おかしいなぁ〜。
耳に手を当てる。
ぴ、ピアスがない…
変装解けとるー!
ど、どうしよう⁉︎
これヤバくないか⁉︎
「オイオイ、ブルー。そんなに狼狽えるなよ!髪と目の色変わったくらいで俺らは差別したりしねぇぞ?」
うんうんと皆が頷く。
なんか感動的な…
それは嬉しいけどそうじゃなくて!
「お前ら意外で今の俺を見た奴いないだろうな⁉︎」
「おん?いねぇけど?」
よかったぁぁぁあ!
いくらイーシャ大陸に来たといえ俺はラーナー大陸の大罪人だ、魔王の威厳だの何だのの理由で、犯人である俺の特徴的な外見は知られてる。もしラーナー出の亜人に見つかったら大騒ぎだし、コッチのお偉いさんに見つかっても政治とか色々な関係でマズイ。捕まって友好の生贄になってまう…
危なかった、いやかなり。
「ならよかった、この色だと色々面倒なんだよ、色だけにな!」
「ふ〜ん。あっ、そういやリュシィが剣返すってよ、ここらに置いとくぜ」
「えぇ〜…俺の洒落はスルーですかぁ〜」
「そんな事より俺等はお前に言わなきゃいけない事がある」
そんな事よりって、俺の渾身の洒落がそんな事って‼︎
なんて考えてたら皆が急にピシッとし始めた。
「ん?どうした?」
そして
「今回は本当に、ありがとうございましたぁ‼︎」
「「ありがとうございましたぁ‼︎」」
突然の感謝。
全員が綺麗に頭下げてる。
へ?なに?いや、ラギアンさんと戦った事についてだろうけど、何故このタイミング?
俺はポカーンとするしかないッ!
「いやよぉ、早い内に言わないとズルズル言い出せなくなりそうでさ」
「既に大分遅いと思いますけどね」
「仕方ねぇだろ!いつ言えばいいのか分かんねかったんだよ!」
あ〜、お礼言うのも割と恥ずかしいもんね。うん、他人から受ける感謝の気持ちはいいものだ。
「私達の自業自得だと言うのに、あそこまで必死に戦ってくれて本当に感謝が尽きん、今は礼を言う事しか出来ないが、いつか必ず恩を返そう」
「自業自得って、俺の為に怒ってくれたんだろ?それに戦ったのだって俺がやりたかったからだ。お前達の気持ちで俺は十分だよ」
「まぁまぁそう言わずにさぁ、今はまだ何も決まってないけど、いつか僕等なりの贈り物をするからね、期待して待っててよ!」
あんまり拒否るのも失礼…か。
「分かった。じゃぁ待ってる」
「えぇ、待ってて下さい」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
その後、団員一人一人から声をかけてもらい、今は休めって事で寝てる。
まぁ、眠ってはいないけどな。
散々寝てたから眠れないんだよ、それに、色々考える事もあるしなぁ。
先ずは俺の力についてだ。
俺は属性魔法が使えない事もあって剣技を極めようとした結果《六刀術》なる物を作り上げた。コレは最初に極めようとした”抜刀”だけじゃ対応出来ない事もあるからと、色々改良した中二的な剣技だ。と言うか剣技と呼べるのかも分からない程に俺の知識は浅はかだから、なんとも言えんがな。
それでも鍛えておいて良かった例としては、今回のラギアンさんとの決闘だろう”抜刀”だけなら確実に負けていた。
でも俺の《六刀術》は、その殆どが初見殺しのスピード技。速さは力、隙は作るもの、で成り立ってる。
いっその事だから《六刀術》に着いても少し詳しく話そうか。
《六刀術》ってのは〈魔技〉〈早業〉〈突き〉〈抜身〉〈納刀〉〈抜刀〉六つの種目から成る剣技(刀技?)で、六つにはそれぞれ一つの奥義と三つの技がある。俺が今まで見せたのを並べるとこんな感じだ。
〈魔技〉
【斬波】
〈早技〉
【転刀】
〈突き〉
【死突】
【殺突】
奥義【潜消・三ヶ突】
〈抜身〉
【剛断】
【刃渡】
〈納刀〉
〈抜刀〉
【横断】
奥義【抜刀・一扇】
んで《六刀術》はこの中の技を組み合わせて出すのが真髄。つまりラギアンさんにやった、死突→転刀→剛断 の様にコンボを繋げる事で脅威を見せる。
だけど、結局はスピード勝負だ、防がれたら何の意味もない。ならあの時のラギアンさんはどうだ?
明らかに俺より速かった。
あのスピードに対して俺は、その場に踏ん張って目で追うのがやっと。反撃出来たのもラギアンさんの体がスピードに追い付いてなかったからに過ぎない。
「当たらなければやられない」原理を元に、スピード特化に鍛えたつもりだってのに、踏ん張って止まってたら何の意味もありゃしない。
とりあえず纏めるとこうだ。
修行が足らんッ‼︎
よし次!
次の問題としては、まぁ、俺がラギアンさんと戦った事自体が問題だ…
有名人倒しちゃったし、俺の所に絶対面倒事が舞い込んでくる!
あぁ、鬱になりそう。面倒事は御免なのによぉ…
でも何もないって可能性もゼロではないと思うんよね、希望的観測だけど。
そして最後にして最大、今一番重要な問題だ。
皆、よ〜く考えて欲しい、俺は1日もの間眠りこけていたんだ。
動かず、食べず、そして出さず‼︎
メッチャ便所に行きたい‼︎
でも恥ずかしくて人呼べない!体は激痛で動かない!誰か助けて〜!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
数日後。
え?早い?まぁ、いんでね?
とりあえず俺はそこそこ回復して、特に問題はない。
俺はね。
なのにな〜んで出歩いてるの?
ラギアンさん…
「どうも」
「へぇ、どうも…?」
ん〜、パッと見ただけでも頭に包帯、左手に杖、右腕は脇腹が痛いんだろう動かしてない、と言うか上半身を動かさない様にしてる。まだ安静にしてた方がいいと思うんだけどなぁ。
して、なんの用じゃろか?
「今日はどう言ったご用件で…」
「あぁ、大した用事ではありませんよ。ただ、私共”疾風の剣戟”をこのフリー団に入れてもらいたいと思いまして」
はゐ?
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
あの後その理由を淡々とラギアンさんから聞かされた。たったまま…いや、座ると逆に痛いんだろうけどね、まぁそれは置いておこう。
どうやらラギアンさんは、俺に色々思うところがあったらしく、要は嫉妬してたらしい、それで勝負を仕掛けたと。
まぁ!俺のイケメン度じゃ嫉妬しても仕方ないかな!
じょ、冗談だって…勘弁してくれよ…な?な?
まぁ、とにかくなんか謝られた、正直どうしていいか分からんかったね。
んで、ラギアンさんは俺に負けた事で初心に戻ろうと決意したんだと、それで環境を変えたかったそうだ。
「私は亜人を助ける事が出来ませんでした。そんな私が今更ではありますが、どうか、貴方の援助をさせていただきたいのです」
「はぁ…でも他の団員はそれでいいんですか?」
「はい。事情を話し、団長を辞めると言ったら付いていくと聞かなくてですね…まぁ、嬉しい事ではあるんですが…ちょっと巻き添いにしてしまった感が否めません」
人望厚いなぁ。まぁ、志は善人そのものだし、当たり前っちゃ当たり前なのかね。
にしても、相手から吸収合併願い出てくるとはなぁ…どうしたもんか。
いや、いいこと尽くめではあるんだよ?人間の団員が増えれば友好関係も広げやすくなるし、とくにラギアンさんは既に友好的だしね。だけど、街の人たちがどう思う事やら、巻き添い食ってラギアンさん達まで白い目向けられなきゃいいけど。
でも断る程の害ではないかな、それに、彼方さんが決めたなら俺が口出しすることでもない。
よし、早速皆に報告だ!
「なら分かりました、こっちも他の団員に話をしてくるんで、しばらく待ってて下さい」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「と、言うことだよ」
「ふ〜ん…いんじゃね?」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「OKだそうです」
「本当ですか!それは良かった。いや、私もやらかした立場、断られるんじゃないかと心配していたのですが、いや良かった。」
うん、めっちゃ軽かったね。軽い通り越して疑問系だったよ、うん。
「では、これからよろしくお願いしますよ、団長」
「はい、こちらこそお願いしますね、ラギアンさん」
「あっ、敬語は必要ありませんよ?私の方が部下的立場な訳ですし」
「いや〜、目上の方ですから。タメ口はちょっと…ラギアンさんこそ、俺に敬語使わなくていいですよ?」
まぁ、ヴァンにはタメ口だけどな!
「いえ、私はコレが標準の様なものですから。さて、早速ですが、顔合わせと行きましょうか」
「分かりました、では皆を呼びますね」
「私も連れてきます、外で待たせてるので」
そう言って出てった。
え?いんの?あんさんとこ団員70人近くいるじゃんか…
その人数は入らんよ、家。
まぁ、きっと幹部的なヤツだけだろう、そうじゃなかったら流石にラギアンさんも頭わる…オォイ‼︎なんかぞろぞろ来たぞぉぉお‼︎ちょっと待て!パンクしちゃう!
「誠に申し訳ございませんでしたぁぁあ‼︎」
なんかキターーー‼︎
つか誰だよ⁉︎いきなりなんぞ⁉︎何故DO☆GE☆ZA⁉︎ってコイツ、何時ぞやダンと喧嘩してた冒険者A(決してランクではない!)君じゃないですか!
決闘の原因…
どうやら謝りに来たようだ、仕方ない聞くだけ聞いてやろう‼︎
「ぼれはタダ…本当にあんだが魔族の腰巾着だどおぼっでだだげで…ひぃい、うっぐ…あんなお強いとば夢にもおぼわず…うばぁぁああ‼︎」
え?ガチ泣き?怖…
つか俺、謝られてるんだよね?メッチャ貶された気がするの気のせいかな?ねぇ?
「悪気はながっだんでずぅぅう‼︎」
いや悪気ないのかい、ナチュナルに悪く思われてたんかい俺。
「いっづもヘラヘラして魔族はべらせてると思ったらムカづいでぇぇ、弱っちそうなのにデカイ顔してるのが気に食わなぐっでぇぇ…」
やめて!なんで精神攻撃しかけてきてんのこの人⁉︎俺が泣くぞ!
「彼は強い人に靡く人間でして…ようは虎の威を借る狐なんですが、根は悪い人じゃないんです。本人も反省しているようですし、どうか許してやって下さい」
「あ、ラギアンさんいつの間に」
「命だけは勘弁してくださいぃぃい」
命乞いじゃねーか、かわれ。
「分かりました、いいですよ。元から怒ってないっすしね」
「だ、そうだよ?」
「あ、ありがとうございますッ‼︎」
「の、かわり。魔族って言うのやめろ」
「はい…」
あえて低い声で言わせて貰いました。魔族って表現、亜人達は嫌ってるからね。
まぁヴァンには魔王って言うけどな‼︎
「さて、それでは顔合わせを始めましょう」
「待ってラギアンさん。なんでこんなに連れてきたの、入んないですよ」
「ハッ‼︎私としたことが!」
え?何この人天然なの⁉︎
こうして顔合わせはかなり狭い中行われた、つか半分くらい外だした。
俺病み上がりなんだからあんまり働かせんなよ!
今更感あるけど
《六刀術》
〈魔技〉〈早技〉〈突き〉〈抜身〉〈納刀〉〈抜刀〉の6つからなる剣技。それぞれ種目に3つの技と1つの奥義が存在する。
その技、又は奥義を繋ぎあわせる事で爆発的な威力を発揮する。が《六刀術》の技はその殆どが初見殺しであり、連続して技を出すと次回から効き辛くなると言う欠点も存在する。
主人公が作り出した我流中二剣術であるッ‼︎




