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第11話 問題発生

今後の展開を見直し中(脳内で)

嫌がらせが完全になくなりました。

それはもう完璧に。

まぁどう考えてもリュシィさんのおかげだとは思うけども…

それにしたって凄くね?冒険者から一般人に至るまで全員が差別しなくなったんだぜ?

まぁ、皆あからさまに引きつった顔してるし、リュシィさんの前でだけだけど。

流石はランクSか、やばい人って言う噂が一瞬で広がったみたいだね。

「首斬り」最高!

このセリフは色々といかん気がする…

そういえばリュシィさんが入団してから一週間くらいが経ったけど、特にこれと言った事はなかったな。強いて言えばよく練習に誘われるくらいだ、適当に理由付けて断ったけど。

なんか…あの提案を受け入れたらダメな気がするんだよ、いやマジで。

そんなこんなでまぁ、平和です。


「た、大変だぁ!」


と、思ってた時期が僕にもありました。

え〜、なんだよ〜、最近揉め事もなく平和だったのに〜。


「ダンキが暴れてやがるっ‼︎」


は?


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


所変わって街の広場、そこではダンと見知らぬ冒険者らしき人物が剣を交えてた。

なんで?


「逃げてんじゃねぇ!」


とダン。


「はっ!当ててみろよノロマ‼︎」


と見知らぬ冒険者。

なんじゃこの状況。

ダンは自分の大剣をブォンブォン振り回してて、見知らぬ冒険者はソレをヒョイヒョイと避けている。しっかし、見知らぬ冒険者の方も強がりは言ってるけど反撃に出れていない。多分避けるのだけで精一杯なんだろう。

ふぅむ、一体なにが…あ、丁度ツァイとエティアがいるから聞いてみよう。


「え〜、何があったん?」

「あ、団長」


そういや俺の事名前で呼ぶ奴少なくなったな、皆「団長」って呼ぶ、偶には名前でも呼んで欲しいな!んな事思っとる場合じゃねかった。


「お前達はダンキと一緒だったんだろ?」


まぁ、コイツ等毎日三人一組だからな、つまりダンキ君はいつも両手に花状態ですよ!はっはっはっ!

見知らぬ冒険者さん頑張ってぇぇー‼︎


「あぁ。そうなんだが、実はな」


ハッ!回想が始まる!

あ、天の声は引き続き俺がお送りいたしま〜す。

え?ダメ?

そんな事言わ-----------


時は遡り20分程前、ダンキ達は街角にある喫茶店に来ていた。

その店はエインドでも人気店であり、普段ならば亜人が足を運ぶ事などない場所である。

三人がこの店に入ったのには理由がある。団内である会議があったのだ、それは団長であるブルー抜きで行われた会議。

亜人冒険者達は知っていた、普段何気ない様子でいるブルーが如何に苦労しているかを。団を結成するまで毎日朝早く起き、彼等に依頼を受けさせ、自らも勤しむ。寝るのは何時も真夜中だった。

そんな団長に恩返しがしたいと、少しでも負担を減らそうと、団員達は一丸になって二つの事を始める。

一つは団のランク上げ。

団のランクが上がればいい事はあれど悪い事など一つも無い。それに自分達も強くなり、日ノ本を支えるだけの力がつく、ブルーが必要以上に頑張る事はなくなる筈。

そしてもう一つが今やっている事だった。

それは街中の様々な店に顔を出し、少しでも亜人になれて貰おうと言う物。

当然効果は少ない上、他の客からもいやな視線を向けられる。団員のなかでも反対する者は多かったが、先ず他の人間に慣れてもらわなければ結局ブルーの負担が大きくなると、長引いた一件。

そんなおり、冒険者ランクSのリュシィが加わった。

この事により街中の人々はおいそれと亜人に手が出せない。亜人達はここぞとばかりに作戦を決行、街中に散り、この三人はこの店に立ち寄ったのだ。


「あ〜、俺には似合わなそうな店だなぁ」

「文句を言うな、お前は賛成派だったろう?」

「そうだよ〜、それに僕はこう言うお店いいと思うよ〜」

「そりゃお前の観点だろ、見ろよ俺を、かなり浮いてるぜ?」


店に入って早々、向けられる好奇の眼差しを無視しなから三人は喋る。

ちなみにダンキは店内にも関わらず籠手、脛当て、胸当て、大剣とフル装備である。

三人は適当な席に座ると、適当に注文をし、適当に雑談しながら適当に品が来るのを待っていた。

その時である。

1人の冒険者らしき人物が女を連れて入ってきた。

そして言う。


「ケッ、ここにも魔族がいやがる。Sランクが気まぐれで入ったからって調子に乗りやがって、なぁ?」

「そうよね〜、最近魔族が我が物顔で歩き回るから気持ち悪いったらありゃしないわ〜」


明らかに聞こえるよう言っている。

しかし三人は無視して雑談を続けた。何故なら三人には分かっているからだ「何を言おうと手出しは出来ない」と。

だから三人は無視を貫き通す。大体にしてこんな悪口奴隷の時は当たり前以下だっのだ、気にする必要などない。

しかし、自分を恐れていると勘違いしたのか、反論しない事をいい事にその冒険者は続ける。


「魔族なんてよ〜、どうせ大した役に立ちゃしないんだから、奴隷の時に皆殺しにしとけばよかったんだよなぁ」


無視だ。

だが心の中では言わせて貰う。

その魔族(亜人)に負けたのがお前らだ。


「もし俺が戦争に参加してたら千人は殺せたぜ?ギャハハ!」

「やだ〜かっこいい〜!」


無視だ。

奴が戦争に参加していたら役には立たなかっただろう。

それとキモイ。


「ほんっと、魔族なんてゴミ以下だぜ!」


無視だ。

そのゴミ以下を挑発しているお前は何なんだ。


そうこうしていると、店員が色々と複雑な顔で品を運んで来る。


「お、お待たせ致しました。どうぞごゆっくり……」

「おっ、来たみたいだな」

「あぁ、ありがとう」

「わぁ!美味しそうなケーキだねぇ〜」


三人は何事もないかの様にそれを受け取り、茶を飲み、スイーツを食す。

その間も冒険者は悪口を続ける。

全く、なんと言う”冒険”者か。


「う〜ん、甘い」

「そうか?私は丁度いいが」

「僕は足りない位だね〜、でも美味しいよ!」


もはや悪口だけ綺麗に聞こえていないのではないかと、他の客が疑う程に三人は無視を続けた。

やはり自分に臆していると思っているのか、更に気を良くした冒険者の悪口は未だに続いている。

その時だった。


「そういや魔族共の冒険団率いてるのは人間だってな?とんだ物好きもいたもんだぜ」


そこまでは良かった。


「大方、魔族に寄生しないとやって行けない様な雑魚だろうがよ!ゴミ以下に寄生なんてクソみてぇな奴だぜ!ハハハ!」


三人の手が止まった。

その事に気付いたのか、冒険者は更に捲し立てる。


「余計な事するくらいなら雑魚らしく、そこら辺で野垂れ死んでりゃぁいいのによぉ!金魚の糞よろしく魔族にくっ付いて、とんだ恥さらしだぜ!」


亜人達はブルーに死にかけている所を拾われた。

亜人達はブルーに衣食住を提供された。

亜人達はブルーに武器を貰った。

感謝こそあれど、ブルーを心から悪く思った事など一度もない。

このイーシャ大陸では本来、悪口を言っている冒険者の反応が正しいのだ。

しかし、ブルーは違った。なんの企みも無く、なんの嫌悪感も無く、なんの差別もなく、皆を拾い、分け与え、背負い、皆を助け、助かった者には心から喜び、助からなかった者には心から悲しんでくれた。それこそ同種かの様に。

フリー団の皆はブルーを尊敬している。

フリー団の皆はブルーに感謝をしている。

フリー団の皆はブルーを心から慕っている。

そんなブルーを悪く言われた事がどうしようもなく、これ以上なく腹立たしかった。

他の悪口など本当にどうでも良かったのだ。

ヴァリエンテ王は停戦し、亜人保護を掲げてくれたが、直接助けに来てくれた訳ではない。

同種は同種だろうと、悪く言えば結局は他人、なんと言うことはない。

家族の悪口など奴隷だった頃に幾らでも言われた、他の悪口もそうだ、もう慣れてしまったのだ。

だが。

団長の、ブルーの、敬愛する彼の悪口だけはどうしようもなく我慢ならなかった、許せなかった。

気づけばダンキが冒険者の肩に手を当てている。

そして言い放つ。


「ちっと面ァ貸せや!」


そこからは事は現在に向かう。

連れの女が「そんな奴やってしまえ」と、冒険者を煽り、広場で騒ぎが始まった。

亜人と人間の決闘と言うことで人が集まり、通りかかった団員が日ノ本に駆け込んだ。

そしてブルーが駆けつけたのだ。


----------------ー


ダン……マジごめんよ…お前が俺の事で怒ってくれたなんて…少しでも相手を応援した俺が恥ずかしい。

もう迷わんぞ!俺はお前を応援する!

頑張れダン!

負けるなダン!

ダン!ダン!ダダン!

じゃなくて‼︎

いやこれは止めなかアカンやろ!

お前達の気持ちは本当に嬉しいけど、ここで騒ぎを起こしたらなんの意味もないぞ!俺の事なんかで怒るな!

早く止めへんと!

そうして俺はいっつも腰には下げず、左手に持っている刀の柄に手をかけ、腰を下ろしーー


ヒュッ…


ーーという音と共に‼︎

リュシィさんが走っていったぁー‼︎

俺の見せ場とらんといぇぇえ‼︎

そんな心の叫びなど聞こえる筈もなくリュシィさんは二人の間に入った。


「双方止まりなさい‼︎正式な許可なく決闘を行うのは禁止されている筈よ!それとも殺し合いとでも言う?」


ダンの大剣(両手持ちフルスイング)を右手の細剣で受け止め、左手は手刀をつくり、指先が冒険者の顎下へと伸びている。

わースゴイなーあんな細い剣でダンの大剣を受け止めちゃってるよーナイスだなー。

そうナイスでふ、リュシィさんナイスだけんども……ワシの見せ場が…


「首斬り…」「いつの間に」「あれが首斬り…」「見えなかったぞ」「美人だなぁ」「ランクS…」「凄い力だ…」


野次馬の皆さんがなんか言っとる。

ま、いいか。とりあえず俺も出よう。

俺は普通に歩きながら三人に近寄る。


「ブルー…」

「ようダン!やらかしてくれたな!」

「すまん…だけどソイツがーー」

「いい、いいんだ。もう全部聞いた。もう終わりにしてくれ。」

「…分かった…」

「と言う事で、ウチの脳筋がゴメンよ、名も知らない冒険者さん。今回は俺の顔に免じて勘弁してやってくれ」

「へ、へへ…ハァ…こ…ハァ……今回だけ…だぜ…ハァ…」


クソ疲れてるじゃねぇか!

なんだコイツ、よくその状態で強がり言えたなオイ。

だが今回は勘弁してくれるらしいからよしとするか。

俺は野次馬の皆さんに向かって大きな声で言う。


「今回の騒動はコレで終わりです!ご迷惑をおかけしました!どうか気を悪くしないでいただけると嬉しいです!」


すると直様彼方此方から罵詈雑言が飛んでくる。この場合騒ぎを起こしたダンが悪い訳で、正当な理由があるからリュシィさんを恐れる事は無いのだろう。

だから皆口々に悪口を叩く。

俺に。

物も飛んでくる。

俺に。

マジやめろし、イジメ反対。

とりあえず心底悔しそうなダンを連れて俺は日ノ本に帰る。その場にいた他のメンバーも一緒にだ。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


と言う事で日ノ本に戻った。

さぁ、説教を始めよう。


「あのさぁ、ダン」

「ダンキだけを責めないで!ダンキが出なかったら僕がでてた、だからダンキだけを責めないで!」

「私も同感だ、ダンキがいなかったら射抜いていたかもしれん」

「そうだそうだ!」「俺がいたら叩き潰してたぞ!」「私だって!」「俺だって!」


俺が説教を始めようとした瞬間、日ノ本にいた亜人さん猛反発。

猛反発なんだけど、コレは…俺の事で言ってくれてるからなんかなぁ、怒りづらいし、恥ずかしいな。


「はいはい!皆が俺を慕ってくれてるのはよーく分かった!それは恥ずかしいし、こそばゆいけど、とても嬉しく思う。でも見てみろ、今の俺はどうだ?野次馬から投げられた飲み物やら訳分からん物もでグチャグヂャだぞ」

「うっ…」「それは…」

「何処で誰に何を言われようが、それが俺の耳に入らない限り俺は痛くも痒くもない。だけどよ、こうやって揉め事だの騒ぎだのを起こせば、それこそ本末転倒だ、今日みたいな事になるし、俺にも被害がでる。まぁ俺はそれでもいいんだ、でもお前らは嬉しい事に嫌だと思ってくれているんだろ?だったらどうか無視してやってはくれないか?俺も俺の事で事件を起こすお前らなんて見たくないし、誰かが俺の悪口を言ってるなんて知りたくないぞ」


暫くの静寂。

正直俺の保身なんて超がつく程どうでもいい、一度死んだ身だ。だけどそう言う風に言わないとコイツ等は納得してくれないだろう。それはとても嬉しい事ではあるけど、それでコイツ等が傷ついたり捕まったりしたらお話にならない。

なのでさりげに自分の為っぽい事言いながらも、実は皆のため、かっこいいだろ?まぁ、俺がやって効果あるかは知らんけど。

待つこと数秒、ダンが口を開いた。


「…分かった、お前がそれでいいなら何も言わねぇよ」

「おう、そうしてくれ」


それを皮切りに他の連中も同意を示し始めた。この件はコレで一見落着だな。

はい!おしまい!

リュシィさんのキャラ紹介雑だったので、特徴とか。

リュシィ

冒険者ランクS

年齢23

紫の長髪を後頭部で一つに纏めており、身長170と高め。顔は整っているが吊り目で、終始「ニヤッ」といった感じの笑みを浮かべている。

ズボンにスラッした服を着ていて、その上から赤い胸当て、脛当てだけをつけている。

武器はレイピアの様に細い両刃剣。

見る!殺る!食らう!全てにおいて楽しめる戦闘狂系お姉さん。

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