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第12話 続、問題発生

主人公の謎剣技登場回。

「どうも、私は冒険団”疾風の剣戟”団長、ラギアン・ラギレスと、申します。先日は当方の団員がご迷惑をおかけしました」

「はぁ…」


一見落着でもおしまいでもなかった件について…

俺の前には金髪の優男が座っている。

この人は二つ名に「疾風」を持つ、通称「疾風のラギアン」さんだ。昨日ダンと喧嘩した冒険者が所属してる冒険団の団長。ランクはA。

最悪。

この人謝罪してるけど、明らかにそんなつもりじゃない。笑ってるけど笑ってない。

なんかするつもりだ。


「で、今日はどう言ったご用件で?そちらの冒険者さんには既に許してもらったんですけど」

「はい、実はそのことでして」


そのことかよ〜、勘弁してくれよ〜。

にしてもニッコニコしながら言いやがって、わざとか?演技丸出しだぞ。

しかも歯切れの悪く言うんじゃなくて、ハキハキ言いやがる、悪気は微塵もないんだろうなぁ、このイケメンが‼︎


「先日の件の経緯はお聞きしました。どうやら当方の馬鹿者がブルーさんの悪口を叩いたようで、大変申し訳ありません。私もその事に関しては完全に此方が悪いと考えております。しかし…」


しかし?


「剣を抜いたのはいただけない」


ですよね〜。


「私としては今回の件、本人も許している以上、不問としたいところなのですが、どうも他の団員の気が収まらない様でして」


あ〜、つまりなんか出せと、媚びろと、面倒いなぁ。


「成る程、じゃぁ此方は何をすれば許してもらえるんですかね?」

「えぇ、それについては色々議論されたのですが…」

「面倒です。結論だけをお願いします」

「はい、では私と決闘をしてください」


ん?

あれ?

なんだ?

どうしてそうなった?

え〜整理しよう。

向こうの冒険者がダンを挑発→ダンが剣を抜いた→それを切っ掛けに嫌がらせ→と思ったら決闘。

はてな?

うん?

物資だの金じゃないの?

俺とこの人が決闘したところで…

あ、俺団長じゃん!

成る程、団長をぶっ飛ばして恥をかかせようと、団の面子も丸潰れになるしなぁ。成る程成る程。

俺ヤバイじゃん‼︎

ぶっ飛ばされちゃうぅ‼︎

その事に気付いたんだろう、当事者であり、話をずっと聞いてたダンが焦りの声を上げる。


「ま、待ってくれ‼︎事をやらかしたのは俺だろう!決闘なら俺がやればいい!なんでブルーになるんだ!」


周りからも抗議の声があがる。


「そうだ、幾ら何でもそれはこじ付けが過ぎるだろう!」「昨日の喧嘩と全く関係ないじゃないか!」「ケジメを付けさせたいならダンキとそっちの冒険者をもう一回戦わせて決着を付けさせればいいじゃないか!」


いや、それじゃぁダメだなぁ。

だって向こうの冒険者はもう許しているんだ、それが心からじゃなくても謝罪を受け入れた時点でダンとの喧嘩は終わっている。

いま問題になっているのはダンが剣を抜いた事に関して向こうの団員がキレてるってこと。

その嘘の怒りを収めなきゃ行けないんだ。

ダンに土下座させて地面に頭擦り付けさせれば向こうの気は済むかも知れないけど(まぁ、そんな事させる気は更々ない)それをしたならただの責任逃れだ。

つまり向こうはこう言いたいんだろう。

団員の失態は団長の責任、お互い頭同士白黒付けようじゃないか、と。

でもよ〜く考えて欲しい。

俺C。

向こう二つ名付きのA。

イジメか?

いや確かに亜人の反乱軍幹部斬ったよ?でも奇襲からの不意打ちだったし、俺の技とかはまだ発展途中だぞ?なんかヴァンは自信持てとか言ってたけど無理があるだろう!対人戦考えて技磨いたけど全然対人戦してねぇし!


「あぁ!別に断ってもいいんですよ?双方の合意がなければ決闘は成立しませんしね!」


成る程!その手があったか!

うーん良かった!

皆んなも受けなくて良いって言ってるしね!

ここで煽るような団員が居なくて団長は本当に嬉しいよ!

皆いい団員だ!

俺が決闘を断れば向こうから舐められるけどきっと皆は気にしないよね!

俺が決闘を断れば団の面子も丸潰れだけど皆気にしないよね!

俺が断れば…


「分かりました、その決闘、受けます」


皆が驚いた顔をする。

多分俺がこの決闘を断ったところで誰も文句は言わないだろう。

自分らに害が及ぼうと何の文句も言いやしない。

だからこそだ!

こんな気のいい奴らだからこそ!

裏切る訳にゃぁいかんだろう!

精々格好付けさせていただきやす!


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


あの後、皆が反発するも俺が押し通した。


『決闘とは言いましてもランク差が2つもあります、一ヶ月有余を開けましょう!申請は私がしておきますので、では一ヶ月後に』


ラギアンさんの言葉だ、一ヶ月も有余をくれるらしい、その間に俺は技を磨こう。せめて、絶対たる奥義や必殺技の一つか二つは欲しい所だ。

と言う事で〜、現在近場の山、山頂付近に来ています。

あ、山頂っても普通に木が生えてるくらいの低い山だからね。

修行じゃーーーっ‼︎

何時だか言ったと思うけど、俺は”抜刀”以外にも5つ、合わせて6つの技術を鍛えてきた。それは一重に不測の事態に備えての事だったが、実際今回起きたので、無駄にならずに良かったと思う。

そして俺はその6つの技術を《六刀術》と呼んでいる(中二病患者)

内容は大雑把に言うとこんな感じだ。


〈魔技〉

魔力を使って超常を引き起こす。

〈突き〉

そのまんま突き、スピード勝負。

〈抜身〉

鞘すら無しの、完全に刀一本で行う。

〈早技〉

動作全てを高速で繰り出す。

〈納刀〉

刀を鞘にしまった状態で相手に攻撃を加える打撃技。

〈抜刀〉

刀を抜き放つと同時に相手を斬りつける。


この6つの剣技には、それぞれに3つの技と1つの奥義があるんだが…俺は技名考えちゃったりしている‼︎(重度中二病患者)

ま、技名とか技の内容はおいおいと言うことで…え?は、恥ずかしがってなんかねーし!楽しみにててもらいたいだけだし!

さて、今回は一つだけ技を見せようか。

と言っても前にも見せた技なんだけどね〜。アレの完成系だ!

目の前には大木!

俺は左手の刀、その柄に右手を添える!


「抜刀、奥義…」


そして握り込むと同時に…


「【抜刀ばっとう一扇いっせん】ッ‼︎」


抜き放つ‼︎

そして静寂。

大木に変化はない。

しかし。


「ふぅ」


あの木はもう斬れている。じゃなきゃ刀を振り切れる訳がない。

どや?かっこええやろ?

はい、奥義一つ持ってました‼︎

まぁ他にも欲しいかな〜なんて、兎に角修行だ修行!

技の解説?

あぁ、忘れてた。

え〜、【抜刀ばっとう一扇いっせん)】はねぇ、簡単に言うと居合斬り。まぁ、立った状態でも何でも地に足付いてりゃ出せるけど、腰を下ろし、両足でしっかり地を踏みしめ、思いっきり抜刀する。この時、刀を刃を扇状に動かすのが特徴。”叩き斬る”ではなく、刃を擦らせ”焼き斬る”んだ。まぁ、焼けはしないが摩擦を最大まで活かす事が重要な訳ですよ。

さて、他の技もどんどん試して、どんどん鍛えよう!

ここらの魔物は人型多いしね〜。

って、ん?

おっかしいなぁ〜、格好つけて「大木に変化ない」とか考えてたのに倒れてきてるぞ〜?

なんて考えてる場合じゃねぇし!危ねぇし!


「うおっと!」


飛び退くと同時に大木がズゥンと倒れこむ。

恥ずかし…


「グァア‼︎」


と、思ったら大木の後ろにモンスター発見、どうやら俺の格好つけを台無しにしてくれちゃったのはアイツらしい。

その姿はグリズリーの様な…ってまたおまえかッ⁉︎

まぁいいさ!

俺は怒っているんだ!

切るぞ!

斬るぞ!

ぶったKILLぞ!

ヒャッハー‼︎


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「いかん‼︎やり過ぎた‼︎」


あの後、修行の一環として魔物狩りをしたんだが…結果


辺り一面魔物の死体!


ここら辺は依頼でよく間引きがあるけど、これじゃ暫くは必要ないね!

じゃ、ないよ!それで稼いでる奴もいるんだぞ!

文句言われる、どうしよう…

き、きっと黙っとけば気付かれん筈だ!さっさと帰ろう。


「コレは…」


いやぁぁぁあ!見つかった⁉︎

声の方向に目を向けるとそこには、紫髪金眼、赤鎧の美女が…ってあれ?リュシィさん?


「スゴイわね…こんなに沢山…やっぱり貴方、面白いわぁ」


こっわ‼︎笑みこっわ‼︎

あぁ!それより口止めしないとぉ〜。


「あの〜リュシィさん?出来ればこの事は黙っていて欲しいんですけど…」

「あら?何故かしら?それだけ強いのだから、公にしてしまえばあのラギアンとか言う冒険者も諦めるかも知れないわよ?」

「またまた〜、褒めても何もでませんよ?」

「…前から思っていたけれど…貴方、もしかして自分の強さを自覚してないのかしら?」

「俺の強さ?」

「えぇ、今まで貴方が戦ってる所をちゃんと見た事がないから正確には言えないけど、Aランク程度の力はあると言えるわ」


え?何その見ただけで相手の強さ分かる的なの。

いやいやいや、確かにこの世界に産まれてからやる事ないし身体鍛えてばっかだったけどさ。ここゲーム的な世界やで?魔法が飛び交って人が木々より高くジャンプ出来る世界だぜ?

俺は前世の世界でなら間違いなく最強くらの力はあるけど、ここは地球じゃない。ただ相手も無しに鍛えただけの俺がそんなに強い訳ないだろう。

あのクマさん殺すのにBは必要ってヴァンが言ってたからてっきりB相当しかないと思ってたし、今でも思ってる。

間違いなくA?

いや間違いでしょ。

俺が疑問を顔に浮かべてるとリュシィさんが動いた。


「そうね、なら、こう言うので…どうかしらッ‼︎」


俺はその一挙一動を見ていた。

リュシィさんは自らの武器、幅の細いレイピアの様な剣に手をやると、それを抜き放ち、まっすぐ俺の方へ突きを打ち出…ってアブネェェェエ?‼︎?

な、なんて事すんだこの人‼︎左手に刀持ってなかったら逸らすことも出来ずに死んでたぞ⁉︎


「ほら、十分強いじゃない?」

「え?」

「今の突きは割と本気だったのよ?そこらの冒険者じゃ反応もできない筈。それを貴方は正確に柄だけで逸らしている、コレが弱いもんですか」

「あ…」


そ、そうだったのか‼︎

リュシィさんは俺を元気付けようと態々こんな事をしてくれてるんだッ‼︎

きっと今のも手加減した物にお世辞を付けてくれてるんだろう。ありがとうリュシィさん…美人に励まされる事がこんなにも良い物だとは。俺、とぉっっっても元気でたぜ!

よっしゃ!コレで鍛錬が捗りそうだ!

やるぞ!かんばるぞ!俺‼︎


「ありがとうございますリュシィさん!自信つきました!頑張れそうです‼︎」

「そう、分かってくれればいいのよ、じゃぁ早く帰りましょ?ここに居たらマズイんじゃない?」

「あ、やり過ぎたの忘れてたぁぁぁあ‼︎」


俺はリュシィさんと急いで帰った。


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いいわぁ!いいわよブルー・アルトリオ‼︎彼はまだ伸び代があるわ!伸び切ったら一体どれ程強くなるのかしら?そんな全盛期の彼と戦えたなら…あぁっ!考えただけでゾクゾクしちゃう‼︎でもまだダメよリュシィ、待ちなさい、彼が伸びきるまで待つのよ!戦える機会を待つのよ!そうすればきっと、最高の死合いが…うふふふふ…


ラギアン・ラギレス

冒険者ランクA

年齢25

肩につく程の金髪を持つ優しそうなイケメン。身長は170後半。

白に黄色いラインの入った服を着ていて、その上から深緑のマントを装備!防具は足部分のみ。武器はロングソードで、鍔と柄頭に風をイメージした装飾がある。

一見優しそうな笑みを浮かべる彼の真意や如何に…

以上、服の説明が下手な明日の人でした。

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