なんかちょっとヤバそうな件
皆様大変お久しぶりです。生きてます。
子育てと趣味が忙しくてエタっていましたが、少し落ち着いてきたので執筆再開しようと思います。今回は久しぶりの投稿なので短めです。
ただ、定期更新はまだまだ難しいので暇ができた時にアップしますので、よかったら見てやってください。
凰麗様の表情が引き締まり、私達をゆっくりと見回すと、国王陛下ににひたりと視線を止めた。
「この国に滅びが訪れようとしている。」
まっすぐに国王陛下を見つめた凰麗様は、良くとおる美しい声でとんでもなく恐ろしいことを口にした。
「なっ・・・それはどういうことだ!」
陛下が椅子から立ち上がり凰麗様に問う。
「クロスクロウの王よ・・・正確にはこの国の守護の力が落ちている。そして、その力が消えればこの国は他の神々が守護する国に食い殺されるだろうということだ。わかりやすく言えばこの国の人々がどんなに抵抗しようとも抗えぬ力によって他国からの侵略・略奪・惨殺されるのだ。」
「守護の力・・・?他国からの侵略だと!?だが、我が国は過去にも何度か他国から侵略を受けてきたが、自国の兵によってことごとく追い返したと・・・」
国王陛下が怪訝な顔で凰麗様に問いかけると、凰麗様は緩く首を振られた。
「違う。そなた達が戦で勝利してきたのは守護の力が働いていたからだ。歴史書などに王が戦に立った際何ぞやと奇跡的な事が起きたと記載はなかったか?」
「た、確かに歴史書の中には眉唾物と思われる奇跡の様な記載が幾つかは有ったが、それは歴代の王を祭り上げるためのものではないのか?」
「否、それは誠に起きたことだ。...そうだな、ここで我らが話していても仕方あるまい。この国を守護せし者達をここに連れてくるしかあるまいて。」
そう言うと凰麗様はゆっくりと視線を王城に向け、ある一点をヒタリと見つめた。
「クロウクロウ国王よ、宝物庫最奥、隠し扉3つ目、その床下。ここまで言えば場所は分かるな?そこにある物を持ってまいれ。そこは王しか入れず王しか持てぬものだ。...恐らく口伝は聞いておろう?其れを今すぐここへ。時間が無い、何も考えずすぐに行け。」
凰麗様が国王陛下に指示を出すと、側近の方々から異論が口々に上がる。
「な!異国の神とはいえ、国王陛下になんという事を仰るのです!」
「我が国の宝物庫の隠し扉の場所をこんな所で言うなどと何を考えておられるのか!」
凰麗様に向かって側近の方々が異論を唱える中、国王陛下が手を振ってそれを制した。
「よい。そこまで詳細な場所を存じており、口伝まで知っておられるなら、私がそれを持って来なければなるまい。しかも今直ぐにとはそれ相応の理由があるのであろう。護衛騎士は我に続け!宝物庫へ参る!」
国王陛下がばさりとマントを翻し護衛騎士と共に王城へと向かわれた。