第18話「父の現実」
第18話「父の現実」
■蒼木 蒼 視点
病院の白い廊下を歩くたび、足音が心に響く。
父、直樹が入院している精神病棟は、静寂に包まれていた。
母が冤罪報道で命を絶ち、父は心を病んだ。
私は、その現実を直視するため、カメラを持って病室の前に立った。
「父さん、久しぶり」
ベッドに横たわる父は、私の声に反応しない。
目は虚ろで、何かを見つめているようで、何も見ていない。
「母さんが亡くなってから、あなたはここにいる。私は、復讐を続けている」
カメラを回しながら、私は語りかけた。
「報道が家族を壊した。母を殺し、父を壊した」
父の手を握ると、その手は冷たく、力がなかった。
「私は、あなたのためにも戦っている。報道の暴力に、経済で対抗している」
しかし、父は何も答えない。
その沈黙が、私の怒りをさらに燃え上がらせた。
■山本 誠司 視点
病室のテレビで、蒼木蒼の動画が流れていた。
「父もマスコミに壊された。家族を壊しても100万円。美味しいですね」
その言葉に、私は震えた。
自分が書いた記事が、彼女の家族を壊した。
その事実が、今さらながら重くのしかかる。
「俺は、何をしてしまったんだ……」
後悔と罪悪感が、私を押し潰す。
しかし、もう遅い。
彼女の復讐は、止まらない。
■蒼木 蒼 視点
病室を後にし、私はSNSに動画を投稿した。
「父の現実。報道が家族を壊した証拠です」
動画は瞬く間に拡散され、多くのコメントが寄せられた。
「これが報道の現実か」
「蒼木蒼、頑張れ」
「報道の暴力を許すな」
その声が、私の背中を押す。
私は、復讐を続ける。
母のため、父のため、そして、自分のために。
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