第19話「経済的核攻撃」
第19話「経済的核攻撃」
■蒼木 蒼 視点
「母の命の値段は、いくらだったのか――」
私は、パソコンの前で静かに呟いた。
ディスプレイには、株価チャートが映し出されている。
ターゲットは、母を追い詰めた週刊誌「週刊新報」の主要スポンサー企業「日本フーズ」。
私は、この企業の株を大量に空売りしていた。
「報道が人を殺すなら、経済で報いを受けるべきだ」
SNSに投稿したこの言葉は、瞬く間に拡散された。
株価は急落し、私は20億円の利益を得た。
「これが、母の命の値段だ」
私は、冷静にそう呟いた。
■斉藤 由香 視点
「株価が……暴落している?」
「日本フーズ」の取締役CMOである私は、驚愕した。
「蒼木蒼……彼女の仕業か」
彼女のSNS投稿が、企業イメージを著しく毀損していた。
「このままでは、企業が持たない」
私は、広報部長の村田敦に連絡を取った。
「村田さん、至急、対策を講じましょう」
「はい、斉藤さん。記者会見を開き、謝罪しましょう」
「それでは、蒼木蒼の思う壺です。もっと根本的な対策が必要です」
私は、深く息を吐いた。
「報道の在り方を、見直す時が来たのかもしれません」
■蒼木 蒼 視点
「謝罪? そんなものに価値はない」
私は、SNSに投稿された「日本フーズ」の謝罪会見の映像を見て、冷笑した。
「形式だけの謝罪は、社会的な機能も価値も失っている」
私は、その映像を切り抜き、皮肉なコメント付きで拡散した。
「これが、企業の本音です」
動画は瞬く間に拡散され、さらなる炎上を引き起こした。
「復讐は、まだ終わらない」
私は、次のターゲットに向けて、静かに準備を進めていた。
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