表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
キルユー キルミー!  作者: 星崎咲也
殺し屋の日常
30/50

殺し屋と不死鳥の休日 その7

 後日、俺はいつものように喫茶店に向かった。

 ドアを開けるとカランカランと音が鳴る。

 マスターは相変わらず無口で、こっちを一瞥したのち豆を挽いていた。

「やあ、ひかるくん」

 猫兄さんは端の席で手を振っている。

 俺は、軽く笑って前の席に座った。

「昨日は派手にやったみたいだね」

「ああ、一回あの爆弾の威力を確かめてみたかったんでな」

 マスターにブラックを注文すると、猫兄さんは徐ろに新聞を取り出してきた。

「ほら、地方紙だけど載ってるよ」

「本当だ、『夜中に爆音、一体何が!』ってか」

 何がって単純に爆弾が破裂しただけだ、それ以上でもそれ以下でもない。

「原因は調査中って書いてあるけど、多分わかってるんじゃないの?」

 あれだけ肉片がかなり飛び散っていたはずだから、人を巻き込んだことは一目でわかるはず。

 身元もそのうちDNA鑑定で割れて来るだろう。

「それなら大丈夫さ」

「え、なんで?」

「だって、ひかるくんが殺したのは例の研究所に居た殺人鬼でしょ?」

「そうだけど…」

 猫兄さんは得意げに話す。

「なら、そんな簡単に公表できる問題じゃないんじゃない?」

「そうか、本来なら死刑囚として収容されているはずだ」

 殺されても文句を言う人は居ないだろうしな。

「それだけじゃないよ、この前のガウリルさんだっけ?あの人と戦った時はもう1人研究所の職員がいた訳でしょ。それが居なかったって事は、脱走でもしたんじゃないの?」

「あ、確かにそうかも知れないな」

 尾行するのに邪魔だから、と言う理由かも知れないが、流石に殺人鬼を首輪無しに野に放す訳にはいかないだろうけど。

「とにかく、武器商人としてあの爆弾の力が分かってくれたのは嬉しい限りだよ」

「戦車とかと戦うには便利だと思うよ」

 確実にあの威力は人間用じゃないと思う、道路も抉れてたし。

「これからも猫屋敷商店をどうぞご贔屓に」

「猫兄さんって店舗持ってないでしょ」

 俺が苦笑いしながら少し冷めたコーヒーを啜った。




「おい、涼輝」

 重い雰囲気の部屋に俺は呼び出され、突っ立っていた。

「なんですか、いきなり呼び出して」

 俺は真っ直ぐに椅子に座った男を見つめる。

 椅子が回転し、しっかりと目が合う。

「大堰川未来の状態はどうだ」

 座った男は威圧するように言葉を投げる。

「特に変わりはありません、’お父さん’」

「そうか、わかった。引き続き監視を続けろ」

 分かりました、と俺はそのまま答えた。

「あと、逃走した実験体がそのまま『死神』に殺されたらしい」

 死神という単語につい反応してしまった。

 あのクラスメイト、資料を見たが本当に殺し屋なのかどうも眉唾ものである。

「……ひかるは未来の研究を続けるには障害になりそうですね」

「そうだ、だから俺はある殺し屋に依頼した」

「死神殺しをですか」

 父の冷酷な目は資料を見通している。

「研究は続いているんだ、続けなければならないんだ」

 父の目が再び俺に向けられる。

「彼女の生みの親、大堰川博士から受け継いだ『ミライプロジェクト』を私達は完遂させなければならない。いいな?涼輝」

 俺は軽く目を閉じ、前を向いた。

「ええ、分かりました」

 そう言いながら、この前会った2人を思い出した。


 新学期が始まる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ