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キルユー キルミー!  作者: 星崎咲也
殺し屋の日常
27/50

殺し屋と不死鳥の休日 その4

「珍しいな、お前がこんなところにいるなんて」

「お前らそんなにも俺が外出する事が不思議なのかよ」

 驚く涼輝に俺は溜め息をついた。

 確かにあまり活動的ではないかもしれないが、引きこもりではない。

「そういうお前はなんで1人でいるんだよ」

 見るからにスクールカースト上位である涼輝が、友人とつるまずにショッピングモールに居ることが俺は不思議で仕方がない。

「別にいいだろ、最近みんなと遊び過ぎて疲れたんだよ」

 1人の時間も欲しいしと、彼は言う。

 嫌なヤツではないんだけどいちいち癪に触るんだよな。

「お前ってUFOキャッチャーとか得意?」

「いや、あんまりやったことないな」

 涼輝は手を振って返す。

「じゃあアレは凄いのか?」

「うん、かなり上手い方」

 そう言って俺たちは同じ方向を見る。

 そこには、ぬいぐるみを3回のプレイでとっていく未来の姿があった。


「意外と簡単でしたね」

「普通、あんな風にはいかないと思うよ」

 そう言って俺は、せっかく空いた手を塞ぐ荷物を見た。

 未来はお菓子や時計なども取り続けるのだが、軽い人だかりが出来たところで強制終了させた。

「あれ以上やり続けると店員さんに出入り禁止になるぞ」

「いや、もう既に遠目から睨むような目で見られてたよ」

 涼輝は手を頭に当てながら笑う。

 そういや、このぬいぐるみなんか不気味だな。

 若干悪魔みたいなスタイルしているし、こんなのが未来の好みなのか。

「いやいや、こういうカッコかわいいのがいいんじゃないか」

「そうですよ、ひかるくんは分かってないです」

「なんか凄い意気投合しているな…」

 2人の真剣な目線に俺はたじろぐ。

「次は音ゲーしましょうよ」

「良いけど、俺あんまりリズム感ないよ?」

「なんでお前も一緒にやる雰囲気になってんだよ」

「え、ダメ?」

 涼輝は眉をひそめる。

 別に嫌なわけではないんだけど…

「そっか、せっかく2人きりのデートだもんね」

「なっ!そんなんじゃねーよ!」

 そう言って未来を見るが、彼女も顔が赤くなっている。

「そんな、デートだなんて…」

 一方で涼輝はからかうようにケラケラ笑い続ける。

「いいよ、分かったよ」

「えー、でも悪いし帰るよ」

「いいから残れ!」

 俺は溜め息をついてゲームの品定めをし始めた。


「これ、結構難しいやつだな」

 そんなこと言いながら涼輝はスコアSSをとる。

 やったことないんじゃなかったのか?

「流石ですね、やっぱりパリピの方は違います」

「いや何言ってるの未来さん!?俺はパリピじゃないよ!」

 だんだん未来も涼輝に慣れてった気がする。

「次は未来の番だな」

 はい!と彼女は張り切って100円を投入する。

 ちなみに、俺は初見ではなかったのでお手本ということで最初にプレイした。

 結果?聞かないでくれ。

「お前は散々だったもんな」

「うるさいなー、見られると緊張するんだよ」

 どうしても、プレッシャーがかかると外してしまう。

 これは直さなくてはならないな。

 殺し屋をやっていく意味でも。

「そういや、涼輝は進学するの?」

「ああ、親と同じように働きたいしな」

 そういや、こいつの親って大学の研究員だっけ?

「ひかるはどうするの?」

「うーん、あんまり明確な目標持ってないしな」

 殺し屋を続けるなんて死んでも言えない。

「ちゃんと将来のことは考えておいた方がいいよ、後々後悔することになるし」

「はいはーい」

 説教するんじゃねーよ、この出木杉くんが。

「ふー、楽しかったです」

「終わったか、さあ結果は…ってはぁ!?」

 まさか、難易度最高峰と言われる楽曲でフルコンボするとは…

 人間、どんなところで才能が開くか分からないものである。

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