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キルユー キルミー!  作者: 星崎咲也
殺し屋の日常
26/50

殺し屋と不死鳥の休日 その3

「あー、疲れました」

 未来は教科書とかが入ったバッグを前後に振りながら、しかし嬉しそうに歩く。

「そう言う割には全然疲れてなさそうだけど」

「そうですか?」

 軽い足取りの彼女は俺より1mくらい先で振り返った。

「よほど楽しみなんだな」

「勉強終わってからのショッピングを楽しまない女子なんていませんよ」

「そうかい」

 俺はどこで道を間違えたんだろうかと考える。

 昨日、俺は勉強を教えてもらう代わりに3駅先のショッピングモールまで買い物に行く約束をされた。

 居候の身だとしても、家でいっつも家事をやっている未来にたまには息抜きをさせてやりたかったという思いがあったが、ここまで疲れるとは思わなかった。

「ところで何を買うのが目的なんだ?」

「とりあえず、春物の服が欲しいですね。あとは帽子とか雑貨も適当に欲しいですし、家にはあまり調理器具がないので少し充実させたいし、そうだ!トイレットペーパーが切れそうだったからそれも…」

「ちょっと待って、帰りの荷物えげつなくなりそうだけど!」

「だって欲しいんですから」

 トイレットペーパーなんか近所のスーパーで買えるだろ。

 しかも、それのお金って俺が稼いだやつじゃないか。

「分かりました、では低反発まくらはやめておきます」

「そんなものを買おうとしてたのかよ!」

 少しぐらいうちの備え付けで我慢しろ。


 ショッピングモールに着くと、ちょうど昼前なのか人が多く進むのになかなか手こずった。

 未来はお目当ての店があるらしく、人混みの隙間を通りながらどんどん先へ進んでいく。

「あいつ、いつの間にあんな技術を身につけたんだろう」

 女子って好きなものにはすぐ飛びつくよな。

 やっと未来に追いつくと、彼女はもうすでに服を品定めしている。

「あ、いたんですか」

「いたんですかじゃねーよ!お前は鬼か!」

「殺人鬼はひかるくんのほうですよ」

「俺は殺人鬼じゃない、殺し屋だ」

 娯楽で人殺してるあいつらと一緒にするな。

「ところで、これ似合ってますか?」

 と言って未来が見せたのは白い襟の開いたシャツだった。

「似合ってると思うよ」

 多分。

「じゃあ、これにします」

「決めるの早いな」

「これって感じたら買うのが吉です、財布も痛まないですし」

「お前、不死鳥じゃなくて悪魔の一種なんじゃない?」


 1時間ぐらい未来の買い物に付き合うと、案の定荷物で両手が塞がった。

 とりあえず、コインロッカーに預けようとサービスカウンターに行くと、宅配サービスがあるのに気がついた。

 ちょっと割高だが、この荷物のまま帰るとなると相当めんどくさいし預けてきた。

「次はゲームコーナー行きましょう!」

「本当に元気だな…」

 俺はもうヘトヘトだっつーの。

 未来は足取りの軽いまま、どんどん進んでいく。

 何か、悪い予感がしたが気のせいだろう。

 ていうか、良くマップも見ずに場所がわかるな。

 さすが、頭の良い人は違う。

 ゲームコーナーに着くと、急に若者の層が増えた気がする。

 若干、あまり関わりたくないような人も居るし…

 と、急に肩を叩かれて俺は振り向く。

「よう、こんなところで会うとはな」

「涼輝か、ビックリした」

 こちらも久しぶりの登場だ。

「どうも、ひかるくんの数少ない友達さん」

「…なあひかる、いっぱい聞きたいことはあるけど」

 未来さんって身内には毒舌だったのか、と彼は笑った。

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