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キルユー キルミー!  作者: 星崎咲也
殺し屋の日常
19/50

殺し屋と詐欺師と暴力団 その3

 発砲音はサイレンサーで消され、引き金を引く音と身体が倒れる音だけが部屋中に響く。

 「これで5人目です、次でラストですね」

 「ああ、流石に3日間で全員殺すのは骨が折れる」

 なかなか連続で人を殺すことは少ないので、余り俺は持久力がないのである。

 それでも、警察が大きく動く前に片付けないと面倒くさい事になるから、早く済ませないといけない。

 死体を軽く漁って出てきた鍵を使い、扉を閉めた。

 アパートを出て次の標的の書類をみる。

 「これは相当報酬を払ってもらわないと割に合わないな」

 「やっぱりビジネスなんですね」

 「そりゃ当然だよ」

 慈善事業で人殺しなんて真っ平御免だ。

 それなりの労力と費用(弾丸をおろしている猫屋敷さんは一銭もまけてもらえない)がかかっているのだし、詐欺商売と比べたらまだ真っ当な仕事だと思う。

 …殺し屋が真っ当なんて言われたら世も末だろうけど。

 「それにしても、ひかるくんはやっぱり凄い人なんですね」

 「どうしたんだよ急に」

 面と向かって言われると流石に照れる。

 「だって、こんな簡単に人を殺せるんですよね」

 それはなんだ、技術的な意味か?精神的な意味か?

 「いえ、どちらもです。両方備わってこの仕事が出来るんですから」

 うーん、俺も最初からこんな感じじゃなかったんだけどな。

 一通り書類に目を通し、頭に叩き込んだ。

 ちなみに、東出さんからもらった名簿だけでは情報が少ないので、アリスさんに住所や家にいる時間などを調べてもらった。

 俺も自分で凄いとは思うが、アリスさんも意外と縁の下の力持ちだ。

 結局、俺だけでは殺し屋はまかなえない。

 どんな仕事も1人では出来ないものなんだろう、それは詐欺も同じだ。

 「それで、最後に親玉を潰すということですか」

 「ああ、ちゃんと後悔してもらわないと」

 最初にトップを殺してしまうと、散り散りになって皆殺しにするのが難しくなる。

 下から徐々に追い詰めていくのが効率の良い連続殺人の方法だ。


 恐らく終電であろう電車に乗って3駅目で降りる。

 時刻的には既に翌日になっているだろう。

 「さあ、もうひと頑張りだ」

 俺は指を伸ばして軽く準備運動のようなものをしてから、最後のマンションに入る。

 高層階に住んでいるらしい、どれだけ詐欺で稼いだのだろうか。

 エレベーターでは監視カメラが厳重に置かれている場合が多いので、階段で上がる。

 廊下で、もう一度標的の情報を確認し、深呼吸する。

 光が漏れているので、思い切ってドアを開けた。

 部屋には2人の男がいた。

 おかしい、標的は確か一人暮らしのはず。

 取り敢えず、冷静にならないと。

 「どうも、いきなりすみません」

 突然ですがあなたを殺しにまいりました、と俺は言った。

 と同時に左ポケットから拳銃を取り出し、情報に沿って身体の細い方に向ける。

 「やっぱり来たか、この殺し屋が」

 「情報が漏れてたんですか」

 「ああ、仲間の1人が最期に伝えてきたよ」

 俺は感心したように、頷いた。

 「それはそれは随分上司思いの部下ですこと。

 それで、この人はボディガードですか?」

 「その通りだ、只で殺される訳にはいかねぇからよ」

 流石詐欺グループの親分だ、下っ端のチンピラとは違う。

 それに、

 「俺の本業はボディガードじゃねーからよぉ、返り討ちに殺してやるかもしれないぜ」

 「同業者ですか」

 当然、俺以外にも殺し屋は居る、殺しは俺の専売特許じゃない。

 「さあ来いよ殺し屋さん、どっちが強いか腕試しでもしようじゃないか」

 そんなに自信があるのならやってやろう。

『死神』の名が伊達じゃないことを見せてやる。

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