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 「でちゅは、やめてくださいね」

 と、モリシア伯爵令嬢は王子に釘をさす。

 もうすぐ断罪劇が始まろうとしている。

 悪役令嬢であるモリシアが、かつて聖女を追放した舞踏会の場で、数々の不正を暴かれ断罪されることになる。今回も辺境領主ダイファンだけが台本があることを知らない。

 二人の元にミッシェル伯爵令嬢がやってくる。

 「王子、でちゅは本当に勘弁してくださいね」

 ヨールデリ伯爵令嬢がやってくる。

 「でちゅだけは絶対やめてくださいね」

 スワンリ伯爵令嬢がやってくる。

 「でちゅはやめてくださいね。前回、笑いをこらえて聖女追放劇を続けるのが大変だったんですから」

 みんなに注意され、不満な顔をする王子。

 「わかっているって。辺境領主が乗り込んできたら、僕が何しに来たんだと怒鳴るんだろ。ちゃんとやるから」

 舞踏会場には華やかなドレスを着こんだ伯爵令嬢達がいた。

 ミロ伯爵令嬢。アルパズリ伯爵令嬢。ルサ伯爵令嬢。ロールリック伯爵令嬢。ヒチ伯爵令嬢。マヤ伯爵令嬢。カミ伯爵令嬢。リマ伯爵令嬢。マリ伯爵令嬢。

 その他の伯爵令嬢達。

 ココ伯爵令嬢が赤ん坊を抱いてやってくる。

 「これがあのドラゴンの・・・」

 「あのどら?」

 「ごほんごほん。わたくし風邪気味みたいですね」

 王子は赤ん坊をあやす。

 「かわいい赤ちゃんでちゅね」

 そのタイミングで、リリーに誘導された辺境領主が乗り込んでくる。

 成長し大人の風貌を身に着けようとしているダイファン。気の弱そうな演技が若干うまくなったリリー。

 王子が断罪劇の開幕の宣言をする。

 「役立たずの元聖女が何しに来たんでちゅか」

 笑ってはいけない断罪劇が始まる。


           おわり

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