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子供の霊


落ち武者の人形から二人の子供の霊が現れた。

二人共小学校低学年くらいに見える。


二人が出てきたせいなのか人形から放たれていた強い霊力は消えている。



 柳田:「やはりさっきまでの霊力はこの二人が

人形の中に入っていた影響か」



タマシーレーダーを確認すると霊魂を示す光の点はまた2つに分かれており

光の大きさも強さも元に戻っている。


柳田は身を屈め、二人に目線を合わせて話し掛ける。


     

 柳田:「私は霊や魂の研究をしている科学者の柳田だ

    とりあえず、お前達の名前を教えてもらえるかな?」


 霊1:「えっと、俺は翔太

    で、こっちが弟の優太だよ」


 柳田:「なるほど、翔太に優太だな

    お前達、いつもこの遊園地にいるのか?」


 翔太:「そうだよ、毎日いろんな乗り物に乗って遊んでるんだ」


 優太:「俺もー!」

 

 柳田:「そうか、それは楽しそうだな

    さっきまではあの人形に入っていたよな

    あの中では霊力が大幅に上がっていたようだが何故なんだ?」


 翔太:「んー、よくわかんない」


 優太:「わかんない」


 柳田:「そうか、ひょっとしてなんだが

    あの人形の中では一つの人格になっているのか?」


 翔太:「一つの人格ってどういう意味?」


 柳田:「あー、二人が融合して一人になるみたいな感じだな」


 翔太:「そーだよ、あの人形の中では何故か二人で一人になっちゃうんだ」


 柳田:「お前達の意思に関係なくか?」


翔太・優太:「そーだよ」


 柳田:「それはあの人形の中にいるときだけなのか?」


 翔太:「うん、外ではならないみたい」


 柳田:「そうか・・・あの人形に何か原因があるのかな?」



柳田は二人が入っていた落ち武者の人形に近付き

じっくり眺めてみるが、外観には特におかしな点は見当たらない。



 柳田:「おい勘兵衛、ちょっとこの人形に

    怪しいところがないか調べてみてくれ」


勘兵衛:「ん? やはりコレに何かありそうなのか?」


 柳田:「まだ分からんが一応確認しておきたいんだ」 


勘兵衛:「分かった、みてみよう」


カリン:「勘兵衛、私も手伝うよ」


勘兵衛:「ああ、頼む」



勘兵衛とカリンは落ち武者の人形に何か不審な点がないか

持ち上げて詳しく調べ始めた。



 柳田:「お前達、他の人形に入ったことはあるか?」


 翔太:「無いよ、あの人形だけ」


 優太:「あの人形だけー」


 柳田:「そうか、でも人形は他にも沢山あるだろ?

    どうしてあれを選んだんだ?」


 翔太:「えーと、居心地が良さそうだったから」


 柳田:「居心地が・・・良さそう?」

    (うーむ、私にはとてもそうは見えないんだが

     子供の感覚だとそうのか?)

 

 優太:「うん、すごく気分が良くて

    いつもウトウトしちゃうんだ」


 柳田:「優太も気に入ってるのか

    それは余程居心地が良いんだろうな」


 翔太・優太:「うん!」


 柳田:「あの人形に入ってた理由は分かった

    でも一応他の人形でも同じようにならないか

    確認しておきたいんだ

    だから試しにこっちのゾンビの人形に

    入ってみてくれないか?」


 翔太:「えー、やだよ何か気持ち悪いし」



凄く嫌そうな表情で翔太が答えると、それを真似るようにして優太も続く。



 優太:「気持ち悪いしー」


 柳田:「いや、落ち武者の人形だって

    見た目だけなら同じくらい気持ち悪いだろう?」


 翔太:「そんなことないよ、ゾンビの方がずっと気持ち悪いよ」


 優太:「そーだよ、ゾンビの方が気持ち悪いよ」


 柳田:「そんな全否定するほどなのか・・・

    じゃあ、あっちの狼男ならどうだ?」



柳田は数メートル離れた所で天に向かって咆哮を上げるように

勇ましいポーズで立っている狼男の人形を指差した。


 

 翔太:「んー、まぁ、あれなら何とか大丈夫かも

    優太、二人であの狼男の中に入るけど、いいか?」

 

 優太:「うん、いいよ」


 柳田:「よし、じゃあ頼む」


3人は狼男の人形まで移動すると

先に翔太が中に入り、それに優太が続く。


その後しばらく様子を見たが、何の変化も起こらない。

先程のような霊力の増大化も感じられない。



 柳田:「特に変化がないようだが、中の様子はどうだ?」


 翔太:「うーん、あんまり居心地が良くない」


 優太:「居心地が良くない」


 柳田:「居心地に拘るんだな、ちなみに今は

    二人で一人にはなっていないのか?」


 翔太:「うん、今は一人づつのままだよ」


 柳田:「融合はしないか、霊力の方はどうかな

    古橋、レーダーに何か変化はないか?」



少し離れた所に居る古橋がタマシーレーダーを確認するが、特に異常は見られない



 古橋:「今のところ特に動きはありませんよ」

 

 柳田:「霊力にも変化はなし、と

    まさかだが、二人の居心地の良さに関係があるとか?」


 翔太:「ねー、もう外に出ていい?」

 

 優太:「出ていいー?」


 柳田:「あぁ、悪かったな、もう出て来ていいぞ」

     


二人が再び外に出てくる。



 翔太:「つ、疲れた・・・」



翔太の方は何故かかなり消耗している様子で

辛そうな表情で立っているのがやっとという感じだ。

一方、優太の方は特に何ともないようだ。



 柳田:「どうした大丈夫か翔太、そんなに辛かったのか?」


 翔太:「大丈夫だよ、ちょっと居心地が悪かっただけ」


 柳田:「そうか、無理させてすまなかったな

    ちょっとそっちで休んでいてくれ」

    (居心地が悪いだけでこんなに消耗するのか

     優太の方は問題なさそうだが)


 翔太:「うん、多分少し休めば元に戻ると思う」



そう言うと、翔太は側にあった石の上に座り込んだ。



 柳田:「優太の方は大丈夫なのか?

    気分が悪かったりしないか?」


 優太:「うん、全然へーき」


 柳田:「そうか、翔太はかなり疲れてるみたいだが

    いつもあんなに疲れ易いのか?」


 優太:「んー、普段は大丈夫なんだけど

    気分の良くない所に行くと、兄ちゃん凄く疲れちゃうんだ」


 柳田:「そうだったのか、優太はそういう場所に行っても疲れないのか?」


 優太:「うん、俺は大丈夫ー」


 柳田:「もしかすると翔太は周囲の環境によって

    霊力が大きく変動するのかもしれんな」



柳田が翔太と優太の霊力について思案していると 

勘兵衛とカリンが落ち武者の人形を調べ終えてこちらにやって来た。 



 柳田:「どうだった、何か分かったか?」


勘兵衛:「いや、一通り調べてみたが、特に変わったところはないな

    ただの人形だ」


カリン:「そうだね、中に霊が潜んでいる様子もないし

    霊気を流してみても特に何も反応しなかったよ」


 柳田:「そうか、じゃあやっぱりあの二人に原因が─────」



そのとき古橋が慌てた様子で駆け寄ってきた。



 古橋:「先輩、大変です!

    レーダーに大きな反応が現れました

    しかもこっちに向かって来てます」


 柳田:「何、もう一体いたのか!」


 

柳田がレーダーを覗き込むと落ち武者の中にいたときの

翔太と優太に引けを取らないほど大きい光がこちらに向かって来ている。

しかもその周りには小さい霊が十体以上いる。



 柳田:「勘兵衛、カリン、霊の集団が向かって来てるぞ

    その中の一体に何かヤバそうなのが居るから気を付けろ!」


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