表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/10

新たな悪霊


翔太と優太の話から、依頼内容の悪霊の正体は

間違いなくこの二人だろうと思っていたのだが、突然

強い霊力を放つ別の霊がタマシーレーダー上に現れた。

しかも周りには10体以上の仲間を引き連れているようだ。



 柳田:「悪意のある連中かはまだ分からんが

    無防備で接触するのは少し危険を感じるな」


勘兵衛:「確かに、一応迎え撃つ準備はしておいた方がいいだろう」


カリン:「私もいつでも援護できるようにしておくよ」


 柳田:「おい古橋、奴らはどこまで来ている?」



驚きと不安の表情で顔を引き攣らせながら

古橋はタマシーレーダーを食い入るように見つめている。



 古橋:「あと数十メートルというところですね

    まっすぐこっちに向かってます」


 柳田:(この距離では流石に私でも肉眼で霊の視認は難しいか)

    「勘兵衛どうだ、見えてきたか?」



数メートル前方で周囲を警戒する勘兵衛。

元々霊体であることに加え、今使っているロボットの身体には

望遠機能もある為、人間よりも格段に霊の視認がし易い。



勘兵衛:「ああ、壁を抜けて続々と入って来ているぞ

    結構な数のようだ」


 柳田:「念の為、翔太と優太は隠れさせた方が良さそうだな」



柳田は二人の方に目を向ける。

優太が心配そうに話しかけるが

まだ気分が良くないのか翔太は座り込んだままでいる。



 柳田:「大丈夫か翔太、まだ気分が悪いのか? 一人で動けるか?」


 翔太:「うん、少し休んだから何とか動けるよ」


 柳田:「そうか、なら優太と二人でしばらく隠れていてくれ

    何かヤバそうな奴がこちらに向かって来てるからな」


 翔太:「うん分かったよ、優太行くぞ」


 優太:「うん、兄ちゃん」


 古橋:「先輩! 一番大きい奴がレーダーから消えました!」


 柳田:「何、ホントか?」


 古橋:「はい、突然消えたんです」



柳田が駆け寄ってレーダーを確認すると

先程まであった大きな光の点がモニターから消えている。



 柳田:「ホントに消えているな、どこに行ったんだ?」



二人がレーダーの動きに注目していると

突然背後から聞き慣れない声が聞こえた。



???:「おかしいな、確かにここのはずだが」



 柳田:「何だ? 後ろから?」



後ろを振り返ると、黒いコートを纏った

長身の男の霊が不満げな表情で落ち武者の人形を眺めている。



???:「強力な霊が居るはずなんだが」


 古橋:「先輩多分コイツがさっき消えた奴です

    またレーダーに反応が現れました」


 柳田:「いつ後ろに回り込んだんだ? 全く気が付かなかったぞ」


 古橋:「コイツ、かなりヤバイですよ異常に強い念を感じます!」


 柳田:「ああ分かってる、古橋お前はできるだけ離れていろ」


勘兵衛:「俺も全く気配を感じなかった

    しかし今は逆に恐ろしいほど

    禍々しい霊力を感じるな」



確かに、先程まではその存在に気付くことすらできなかったのに

今はその男から全身が凍りつくほどの悪意に満ちた霊力を感じる。

説明されなくても悪霊であることは一瞬で理解できた。



 柳田:「おいお前は誰だ、今どこから現れた?」



その悪意に飲み込まれそうになるが

何とか堪え、柳田が男に話しかける。



 悪霊:「なんだ人間のくせに私の姿が見えるのか

    しかしこの私をお前呼ばわりとは、身の程を知らぬようだ」


 柳田:「何故その落ち武者の人形を調べている?」


 悪霊:「ん? そうだな丁度良い

    人間、この中に強力な霊が居たはずだ

    どこへ行ったか知らないか?」


 柳田:(こいつの目的は翔太と優太か!)

    「・・・・・いや、知らんな」

     

 悪霊:「本当か? 人間はすぐ嘘をつくからな」



突然悪霊の姿が消えたと思ったその直後

一瞬で目の前に移動し、刃物のように

鋭く伸びた爪で柳田に襲いかかる。


ガギィッ!


柳田の眼前に迫った悪霊の爪を間一髪で勘兵衛が受け止めた。



 悪霊:「ん? なんだ貴様は・・・人間なのか?

    見た目も異様だが、魂の状態が人間とは違うようだな」


勘兵衛:「悪霊退散!」



勘兵衛は悪霊を押し返すとそのまま踏み込み上段から斬り伏せる。

しかし悪霊の纏うコートが勘兵衛の攻撃を吸収してしまい

ダメージが通らない。



勘兵衛:「む、タマシーバスターが効かない?」


 悪霊:「残念だったな、その程度の攻撃、私には通用せん」


カリン:「それなら、これでどうだ!」



ガガガンッ!

素早く悪霊の背後に回ったカリンがタマシーマグナムを連続で撃ち込むが

その全ての弾丸がコートの中に吸収されてしまう。



カリン:「弾が全部吸い込まれた・・・」


 悪霊:「霊力を固めた弾丸か、なかなかの威力だが私には効かん」


勘兵衛:「あのコートを何とかせねば

    奴にダメージを与えることは出来んようだな」


 悪霊:「私も悠長に貴様達の相手をしている暇は無くてな

    下級霊共、コイツ等の相手をしてやれ」



悪霊の手下達が勘兵衛、カリン、柳田を取り囲む。



 悪霊:「さて、では目的のものを探すとしよう」



悪霊は再度落ち武者の人形を調べ始める。



 悪霊:「ん? 微かだが中から霊力の残滓を感じるな

    やはりここに何かが入っていたようだ

    霊力の波動からみて、あの連中ではない

    まだ近くに他の霊がいるのか?」



ざっと周辺を見渡すと

ふと目に止まった狼男の人形に何かを感じ近づいていく。



 悪霊:「ここからも似た波動を持つ霊力の残滓を感じるな」



更に周囲を観察する。

墓地に散らばる墓石や人形一つ一つに意識を集中させるが

それらからは特に何も感じない。

そして次に寺の建物の方に意識を向けた。



 悪霊:「ん? 微かだがあの建物の付近に何かを感じるな」



建物に違和感を覚えた悪霊は、小さな異変も見逃さぬよう

慎重に建物の裏手に向かって歩き出す。


一方、悪霊の手下に囲まれている柳田達は

勘兵衛とカリンが懸命に応戦中だった。

一体一体の強さは大したこと無いが数が多いため

中々一気に撃退とはいかない。

そんな中、柳田が一瞬視線を悪霊の方に向けると

建物の裏手に向かって歩いている姿が見えた。




 柳田:「まずいな、あそこには翔太と優太が隠れているんだ

    なんとか奴を止めないと」



柳田はアタッシュケースからもう一丁のタマシーマグナムを取り出した。



カリン:「センセーそれ、もう一つ持ってたの?」


 柳田:「ああ、いざという時の為にな

    あまり弾数に余裕がないから

    出来れば使いたくなかったがやむを得ん

    勘兵衛、翔太と優太の方に奴が向かっている

    ここはいいから奴を止めに行ってくれ」


勘兵衛:「うむ分かった」



柳田とカリンが勘兵衛の前にいる手下共に弾丸を撃ち込む。

怯んだところを勘兵衛が薙ぎ払い悪霊に向かって走り出す。

凄まじい速さで悪霊に迫ると大きく跳躍し空中から背後に斬り掛かる。


しかし先ほどと同様、コートによって勘兵衛の攻撃は吸収され

ダメージを与えることが出来ない。



 悪霊:「貴様の攻撃は効かんと言ったはずだ」


勘兵衛:「やはり届かんか、そのコート少々厄介だな

    しかしこれ以上先へ行かせるわけにはいかん

    ここで俺の相手をしてもらうぞ、悪霊」


 悪霊:「その反応、やはりあの建物の裏に何かあるのだな

    邪魔をするというなら貴様を先に片付けておこう」



言い終わると間髪入れずに爪の攻撃が勘兵衛に迫る。

それを受け流す勘兵衛、姿を消し一瞬で背後に回り込み

次の攻撃を仕掛ける悪霊、しかしこれも弾き返す。

徐々に速度を増し、悪霊が無数の攻撃を仕掛けるが

全て勘兵衛に防がれる。



 悪霊:「全て防ぐとは、少々侮っていたようだ

    少し本気で相手をしなくてはならないな

    その前に貴様の強さに敬意を表して

    一応名乗っておくとしよう

    俺は野風(のかぜ)様第一の配下、鬼燕(きえん)だ」


勘兵衛:(野風様?・・・黒幕が居るのか?)

    「では俺も名乗らせてもらおう

    元は幽霊だが今はロボット侍の勘兵衛だ」


 鬼燕:「勘兵衛か、ではお互い名乗りも終わったところで

    ここからは本気で相手をさせてもらおう」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ