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お化け屋敷の調査

入口の側には看板が立っており、そこには


”当アトラクションの所要時間は平均30分です。

入館前にお手洗いを済ませておくことをお勧めします。”


と書かれている。


そして4人はいよいよお化け屋敷の中へ。


一歩踏み入れると、建物の中は天井からの照明で明々と照らされていた。


カリン:「期待してたのに全く暗くない、これじゃ全然ワクワクしない!」


 古橋:「休業中ですからね、仕方ないですよ」


カリン:「でも中は時代劇の町みたいになってるんだね

    小さいけど道に面して建物もたくさん並んでるし」


 柳田:「しかしこれで所要時間30分って少し長くないか?

    入口と出口の距離から見て大体10〜15分位かと思っていたが」


 古橋:「まぁ、奥行きが結構ありますからね

    それに一本道を進むタイプではないんですよ」


 柳田:「じゃあ、どういうタイプなんだ?」


 古橋:「ミッションをクリアしていくタイプですね

    5つのミッションが与えられて、それをクリアするために

    地図を頼りにこの中をあちこち動き回るわけです」


 柳田:「なるほど、だから道がこんなに広いのか」


 古橋:「そうですね余裕を持って人がすれ違えるだけの

    幅が必要ですからね」


 柳田:「まぁ、アトラクションについては大体分かった

    それで、目的の悪霊はどこにいるんだ?」


 古橋:「えーと、お寺の側に墓地がありまして

    そこに落ち武者の人形が座っているんですよ」


 柳田:「その落ち武者の人形に憑依しているのか?」


 古橋:「そうですね」



ん? 落ち武者?・・・そういえば似たようなのがここにもいたな

そう思いながら二人は自然と勘兵衛の方へ視線を向ける。



勘兵衛:「??、なんだ二人共、なんで俺の方を見るんだ? 」


柳田・古橋:「・・・いや、なんでも」



二人は慌てて視線を逸らす。



勘兵衛:「何? え? もしかして俺のこと

    落ち武者だと思ってたの? ・・・・違うからな 」


 柳田:「そ、そんなこと思ってるわけ無いだろ!」


 古橋:「そーですよ、勘兵衛さんが落ち武者だなんてそんな・・・」


勘兵衛:「いや、おもいっきり目が泳いでるぞ」


柳田・古橋「・・・・・・」


カリン:「ねぇねぇ勘兵衛、こっちにでっかい鬼がいるよー

    全然動かないけどー」



カリンのはしゃぐ声が虚しく響く。



 柳田:「は、ははは、じゃあ、早速その墓地に行ってみるかー」


 古橋:「そ、そうですね、えーと確か二本目の道を入って

    少し進んだ所だったと思いますー」


勘兵衛:「・・・・・・」



◇   ◇   ◇   ◇   ◇


4人は目的の墓地に到着した。

そこには数体の人形が配置されている。



 柳田:「ここがその墓地だな、それでどの人形だ?」


 古橋:「あれですね」



古橋は墓石に寄り掛かるように座る一体の落ち武者の人形を指差した。



 柳田:「これか・・・」



柳田が人形に近付き観察してみるが、特に異常は感じられない。



 柳田:「本当にこれなのか?

    特に何かが憑いてるようには感じないぞ」


 古橋:「おかしいな? それで間違いない筈なんですけど」


 柳田:「おい勘兵衛、この人形に何か取り憑いているか?」



勘兵衛も人形に近付いて確かめてみる。



勘兵衛:「・・・・いや、何も憑いておらんな」


カリン:「私にも何も見えないよー」


 古橋:「どういうことなんでしょうね」


 柳田:「仕方ない、こんなこともあろうかと

    用意してきたコイツを使うか」



柳田は持ってきたアタッシュケースを開けると

中からタブレット端末のようなものを取り出した。



勘兵衛:「そういえばここ数日何やら忙しく準備しておったな

    何なのだそれは?」


 柳田:「名付けて、タマシーレーダー!」


カリン:「いつも思うけど、

    センセーのネーミングセンスって酷いよね」


 柳田:「うるさいな、判別できれば名前なんて何だって良いだろ」


勘兵衛:「それで、そのタマシーレーダーとやらは

    何に使うものなんだ?」


 柳田:「名前の通り、霊魂を探し出すことが出来るのだ」


カリン:「それってタマシーキャッチャーでも出来るよね」


 柳田:「いやいや、タマシーキャッチャーでは

    霊の強さは分からないし、半径も数メートルが限界だ

    しかしコイツなら霊の強さの判別に加え

    周囲100メートルまで探索が可能だ」


カリン:「へー、そーなんだ」


 柳田:「おい、なんか反応が薄いな、もう少し興味を持て

    結構凄いことなんだぞ、しかもそれら霊の位置を

    この10インチモニターに映し出し

    動きをリアルタイムに観察できるんだ」


 古橋:「ということは、この人形に何かが憑いているなら

    そのレーダーに反応があるというわけですね?」


 柳田:「そういうことだ、では早速電源オンッ!」



モニターには微妙に大きさの違う光の点が5個現れた。



勘兵衛:「おぉ、何やら映っておるな」


カリン:「光の点が5個あるね、これが霊なわけ?」


 柳田:「その通りだ、中心が現在地で今は

    半径100m以内に5体の霊がいることになるな」


カリン:「でも中心には何も映ってないね

    やっぱりこの人形には何も憑いてないんだ」


 柳田:「確かに、もうここを離れてどこかへ行ってしまったのかもな

    少なくとも半径100メートル以内にはそんな強力な霊は

    いないようだ」


 古橋:「この前は間違いなくコイツから霊気を感じたんですけどね

    どこに行っちゃたんですかね?」

 

 柳田:「もう少し動き回って探してみるか」



レーダーを見ながら館内を端から端まで歩き回り

元の墓地まで戻ってきたが、それらしい反応は無かった。



 柳田:「やっぱり何も反応は無いな

    出現する時間帯に制限があったりするのかな?」


 古橋:「いや、そんな話は聞いてないですね

    いつもここに居て気味が悪いから何とかしてくれ

    という依頼でしたから」


勘兵衛:「ま、他の場所に移ったのかもしれんな

    それならそれで良かったではないか」


カリン:「なんか気合い入れて来たのに拍子抜けしちゃったね」


 柳田:「何も無いならそれに越したことはないからな

    一応周辺を除霊して帰るとするか」


カリン:「あ、センセー早く片付いたんだから観覧車のこと忘れないでよね」


 柳田:「そうだったな、じゃあ帰る前にみんなで乗っておくか」


カリン:「やったー!」



そう言って帰ろうとしたその時、タマシーレーダーに新たな光が2つ現れた。


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