ワインプロフェッショナル ルドルフ
ルドロフだ。
ここから遠く離れた村で暮らしていた。
……暮らしていただ。
今は放浪生活をしている。
村が襲撃にあったせいだ。
あいつらまじ許さんぞ。
食料だけならまだしも畑まで荒らして行きやがった。
「いったいどれだけの時間をかけたと思ってるんだよ」
まぁこんなことに怒っても仕方ないがな。
怒ったところで何も返ってこない。
女子供を守れたのは良かったがな。
おかげで一人もかけることなく荒れた地を歩んでいる。
隠していた食料も残りわずかだ。
まだまだ体の弱い子供達に優先して食べさせているから消費量は少なく済んでいたがそれでもだ。
………ダメだな。
不機嫌になるとみんな怖がってしまう。
少し落ち着こう。
少し変わった人にあった。
偉大なるドラゴンの従者だという。
「うちの主人が移住者をさがしておりましてね、もし興味がお有りでしたらいらっしゃいませんか?」
そんな好都合な話があっていいんですか?
五十人全員受け入れると。
素晴らしいな。
どんなに環境がひどくても野晒しで生活するよりはマシだ。
「皆一同ついて行かせていただきます」
ドラゴン様の守護地についた我々は教育を受けることになった。
最低限の常識を持ってもらうためらしい。
「何か失礼なことをしでかしたら首が飛びかねませんので自らで命を守るためにも大事です」
……皆一人もかけることがないといいな。
まぁ内容は簡単なものなのでみんな大丈夫だと思うが。
「進捗はどうだ?」
「まぁまぁです
……正しいていうなら子供達には酷かもしれませんね」
……誰だろこの人。
急に出てきたけど見たことない人だ。
「ドゴール様。
こんなとこにいらしたんですね」
ドゴール様?
ドラゴンの?
そんな人と会話しちゃったのか。
ヤッベェ、首落とされたりしないよな。
まだ死にたくはないな。
まぁそんなこともありながらも出発の日は来た。
今から行くのは新たに作られる街らしい。
「我が姉上が運営に関与しておるから十分気をつけてほしい」
……出発する前にそんな脅かさないでくださいよ。
子供達が怯えていています。
ほら行きたくないとか言い出した。
「……すまん
だが喜べ
我が直々に送り届けてやる」
………そうでもしないといけない土地だからでしょう。
まったく。
そんな我々は街に着いた。
聞かされていたよりもずっといいところだ。
ある程度栄えているが人はいない。
だから我々が移住できるのだろう。
「広大な畑だなぁ」
……あの悪名高きブドウもある。
あれって魔除けにもなるやつだったよな。
酒にするの?
まぁワインになるけどな。
だが味とか大丈夫なのだろうか。
あんまり美味しくないぞ。
……代表自らの計画なんだ。
なら手伝うしかないな。
幸いワインには縁がある。
少ないながらも村では作っていた。
その知識を活かしていけるチャンスができたのだ。
ただ一つ懸念がある。
ブドウ農園とやらが広すぎることだ。
水やりだけで1日が潰れそうだ。
……さらに衝撃的なことを聞いてしまった。
作ったワインは売るらしい。
「ならどう考えても数が足りないじゃないか」
お金を稼ぐためなら量があったほうが良い。
まとまった量を定期的に下ろせるようになれば次第に購入者の幅が広がっていく。
人手はどうにかする。
一緒に来た奴らを総動員する。
ワイン以外も重要だが今はこちらがピンチだ。
ブドウはだんだんと色づき始め収穫のサインが出てき始めた。
季節外れにも程があるだろうよ。
「まったく、おかしな街だ」
文句があるわけではない。
ただただ常識という言葉が程遠いため困惑しているのだ。




