公衆浴場建設
「浴場を作ってもいいでしょうか?」
昼頃にカルナから言われた。
自慢をしていたわけではないが俺たちが風呂に入っているのに興味が湧いたらしい。
「風呂はいいものですよ
それに流浪者達もくるんで作っておくべきだと思うんです」
確かにな。
衛生を考えた上で風呂は必要な気がする。
魔法で見た目は綺麗でも気分までは変わらないもんな。
「よし。
役所の方は一旦建築を止めて風呂場に手を出そう」
何でもかんでも手を出すのは良くないと言われそうだが必要なんだから仕方ないだろう。
場所を決める。
風呂場は大通りに置くものではないだろう。
ならばどこに置くか。
「宿としての機能もつけたいですね」
来客用だな。
確かに必要だ。
「……ならば役所の近くがいいかな
利便性と管理の面から」
浴場の管理は役所でする。
民営化するほど人がいないってのもあるが来客のために必要だからだ。
「世の中の貴族様方は民間という言葉をさけますからね」
これは差別でも権力に溺れているわけでもない。
貴族としての格を出すためだ。
立場上他国の来客とも会うことがあるため仕方のないことらしい。
「その話を踏まえると宿も複数建てたほうがいいな」
貴族用と平民用。
なかなかに大変な仕事だ。
「今日は説明をして明日から工事に移ろうかと思います」
場所は決めた。
役所のすぐ南。
役所の正面玄関から北の分岐点につながる道沿いに作る。
色入れ考えて太陽の通る西側だ。
「キミに休みはないのね」
「シャルロッテだって休んでないだろ」
休みたくても今はダメだ。
街を作るには最初をどうにか乗り越えないといけない。
「ふふっ
そうねぇ、また余裕がある時に一緒に買い物でも行きましょ」
「あぁ」
約束だ。
さて、浴場の建設が始まったが俺は別にやることがある。
シラユリと遊んでやることだ。
いつも肉類を任せているからそのお礼もかねてだ。
「にしてもかなり大きくなったよなぁ」
ちょっと前まで片手でも軽々と持てたはずなのに今は両手じゃないと持てない。
大きさ自体はあまり変化がないな。
「太ったのか?」
……ダメだ。
失礼だったな。
シラユリは女性だ。
こんなことを言うのは褒められたことではないだろう。
「あなた達、仲がいいわよねぇ」
そりゃそうだ。
初めてあった時から半年くらい経っているもんな。
……半年か。
年が経つのは早いな。
気づいたらおじいちゃんになっていそうだ。
「………多分あなた死なないわよ」
えっ?
あー、薬のせいか。
忘れてた。
……まぁいいか。
「今は幸せだしな」
翌週。
浴場が完成した。
カルナ達にお礼をしようと思ったが既にいなかった。
みんな風呂だ。
外に響くくらい賑やかな声が聞こえてくる。
町の女性陣も入っていくようだ。
……もちろん男女で分けているぞ。
「ずいぶん賑やかですね」
「え?
ドゴールじゃないか」
いつの間にか来ていた。
「流浪者達を連れてきましたよ」
……それはあそこで怯えている人たちか?
何かしたのか?
「いえ。
私は何も」
ならばなんでだろう。




