街のあれこれ
街の大通りをレンガで舗装することになった。
カルメンのレンガ制作の準備が整ったからだ。
少し前に作られた鍛治士の仕事場のすぐ横に建てられた。
資材に余裕があったからかかなり大きなものとなっている。
レンガを持ってきてくれたドゴールには改めてお礼を言うべきだと思う。
それくらいありがたみを感じるものだ。
話はかわり材料についてだ。
レンガを作るには粘土が必要。
採取する場所など目星もつけていなかったがカルナが見つけてくれたらしい。
どうやらここの北には湿地帯があるようだ。
湿地帯は常に水分で飽和されている土壌があることで成立するため、水分を放出しにくい粘土があることが多いらしい。
粘土がないにしろそれに似た何かしらはある。
俺としてはレンガができれば良いのでとりあえず探索しに行くことにした。
メンバーはカルナ率いる建築部隊と石工のカルメン夫婦だ。
……解せぬ。
なんで俺はメンバーじゃないんだ。
「未踏破地帯にいきなり王様が行くわけないじゃないの」
それはそうなんだけどなぁ。
俺も冒険したいんだよ。
ここ最近はずっと鍬を振っている気がする。
たまには気分を変えたい。
「じゃあ一緒に散歩でも行く?」
………
………
俺は散歩に行った。
案外単純なのかもしれない。
ちょろいと言いたければ勝手に言うといい。
南に向かって歩き始めた。
前にドゴールが海水を汲みに行った方向だ。
周辺を把握するためにもこの散歩は大事になる。
「………一緒に手を繋ぐ?」
もちろんだ。
断るわけがないだろう。
「平和ね
時間がある時は毎日こうしていたいわ」
……妻にもう一度恋をしそうだ。
シャルロッテがつぶやいた言葉が耳から離れない。
忘れられない思い出として死ぬまで語り継ぎたい。
俺がシャルロッテの唯一であるためにも。
「あぁ、いつでも隣は空けておくよ」
こうして俺たちは日が暮れるまで散歩した。
村に戻る頃にはみんな戻っていた。
明日からは再び作業が始まりそうだ。
そう考えると今日は束の間の休憩だったのかもしれない。
気遣ってくれたのだろう。
シャルロッテは俺と顔を見合わせるなり笑ってくれた。
翌日
ついに道の整備が始まった。
中心となる大通りから始まる。
道幅は大体二十メートルくらいであろうか?
それが二百メートルほど南北に続いている。
それら南北の起点を中心に道を分岐させる。
北部には西に向かう道を作り川に橋をかける予定だ。
西にある街は商業都市らしいので幅を広く持たせる必要がある。
「商人が来てくれれば自然と街は発展していきますからね」
そうだな。
そしてそれに伴い特産品を準備しておく必要も出てくる。
わが町にはこれと言って目立ったものはない。
特産品については十人が増えるまで放置でも良いのだが早くに考えておくことに越したことはない。
何かあるだろうか?
食品とかはどうだろうか?
「………商人には日持ちするものが好まれますね」
街まで運ぶのに時間がかかるからだろう。
それを踏まえた上で再検討。
「貴族には嗜好品が好まれますね」
……嗜好品。
酒か!!
幸いここにはブドウがある。
「そうだ!
ワインを作ろう」
ワインなら樽とブドウがあれば作れる。
特にこれと言って機械とかも必要ない。
……行ける!!
だが残念なことに他のみんなには通じていない。
ワインが何か知らないようだ。
お酒自体がないのかと思ったら違うとのこと。
別の名前でワインらしいのはあるがとても飲めるようなものではないらしい。
だから売れるのかわからないと。
………まぁ作る分には自由だ。
売れないならこの街で消費すれば良い。
「とにかくだ」
俺は酒を飲みたい。
畑はあるのだ。
ついこの前耕したところ。
種がなく放置していたのだ。
やっと活用ができると考えたい。
ただブドウについては成長薬を使わずに栽培したい。
今収穫しても何も出来ないからだ。
そしてあくまでも特産品として作るワインの材料になるのであって普段から食べたりするわけではないだろう。
……全ては商人が来るまでゆっくりとだ。
修正点があれば報告お願いします




