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夜の訪問

「・・・・こんな時間になんの用かしら?」


「顔を見て話したいことがあるんだ。今は時間ある?」


いや、こんな時間に訪ねてくるなんて非常識もいいところだろう。


「わるいけど、少しテスト勉強をしたいの。テストが終わってからではだめなの?」


「・・・・そっか、そうだね。じゃあ、テストが終わったら、時間をくれる?」


「ええ、それなら大丈夫だと思うわ」


「わかった。・・・・じゃあ勉強がんばって」


「・・・・・・・・・ふぅー」


ドアの前から気配が消える。部屋は静寂を取り戻した。お風呂上がりで、寝間着のまま、濡れていた髪はいつの間にか乾いていた。


重たく苦しい数回の会話。

これだけのことなのに、異様な緊張があった。


なぜ、康太はこの時間にやってきたのだろうか。

なぜ、このタイミングで話したいと思ったのか。

そして、その話の内容はなんなのか。


疑問は多いが、今の私は頭がずしりと重く、それ以上の思考を放棄したかった。


私はさっさと寝ることにして、薬を飲み、1時間ほどして眠りに落ちた。


「昨日の夜、康太が部屋に訪ねてきてさ・・・とりあえず、テストが終わったら話をすることになったんだけど、何の話だと思う?」


「さぁ・・・・でも夜に訪ねてまでしたいんだから、相当大切な話なんじゃないかしら?」


「あいつが、私に、大切な話・・・・?」

さっぱり思いつかない。というか、心当たりがない。


もしや、片山先生がなにかを言って、それで動き出している?だが、何を言ったのかはわからない。結局肝心の内容は不明なままだ。


「まぁ、テストが終わったらちゃんと話すんでしょ?それなら、まずはテストに集中しなさい」


そうして朝ごはんとお弁当の用意を続けるのだった。

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