お昼のお弁当には
「さちーお昼いこー」
「あ、ごめんなさい。少し用があるから皆で食べてて」
「少しなら待つけれど、時間かかるのかしら?」
「カウンセラーの先生と話すだけよ。どれくらいかかるかは分からないわね」
「じゃあ先に食べてるよー。終わったら教室?」
「そうね。そうしましょう」
そして、お弁当を手に保健室へ向かった。
こんこん、とノックする。
「片山先生、いらっしゃいますか?」
「はい、いらっしゃい」
「お弁当食べながらでも大丈夫ですか?」
「私もそうさせてもらおうかな」
がさがさと出したのはコンビニのおにぎりとコーヒーだった。
「先生、さすがに栄養が偏りますよ」
「サラダとか買えば良かったね。今度からそうするよ」
「サラダとおかず、少しあげますから」
私はお弁当に入れてあったごぼうサラダを少しと唐揚げ玉子焼きを1つずつ、フタにのせて差し出した。
「いや、そんな小さなお弁当からこんなにとっちゃ何も残んないでしょ」
「いいから、先生こそちゃんと食べてください。私はあとでなんとでもなりますから」
「・・・いただきます」
ぱくり、と玉子焼きを食べる先生。
「おいしい・・・・いつぶりだろう、玉子焼きなんて食べたの」
「朝から作ったかいがありましたか。お口にあって良かったです」
「これ、手作りなの!?」
「そうですよ。親元離れてるのはご存知でしょう?」
「いや、本当においしい。ありがとう」
「お粗末さまです。食べ終わったら、聞かせてください」
その後は互いに無言で食べるが、さすがに大人である先生の方が早く食べ終わった。先生は緑茶を淹れてくれた。
「食べながらでいいよ。耳だけかしておくれ。奥野康太くんのことだけど」




