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奥野くん

「失礼します」


軽いノックのあと、男子生徒が保健室に入ってくる。

名は奥野康太。先の一件に関わりがあるようなないような、不思議な立ち位置。見た目は髪も染めてないしピアスもない、清潔感のある出で立ち。落ち着いた所作から他の男子生徒とは少し違う雰囲気をかもし出している。


「やぁ、わざわざすまないね。今日は気楽におしゃべりをしていっておくれよ。ジュースと紅茶、コーヒーがあるけど飲めないものはあるかな?」


「ありがとうございます」


何も言わないので、自分と同じコーヒーを出しておく。小さく頭を下げると一口コーヒーを口にした。


「それで、俺はなぜ呼ばれたのでしょうか」


「おっと、勘違いしないでくれ。生徒たちに順番に話を聞いていこうと思ってね。今は1年生が優先なんだ。もっと受験とかでピリピリしてきたら3年生が呼ばれるんだよ」


「そうなんですね」


ここでメモを挟んだバインダーを手に取り、確認するように話しかけていく。


「さて、いくつか聞いていくよ。奥野康太くん、県外からこっちに来て、今は学生寮で暮らしてる。生活で困ってることとかはあるかな?」


「まだ地理に不慣れなので、困ってるといえば困ってますね。でも寮の先輩たちもいい人ばかりなので、助けてもらってます」


「それはよかった。学校生活ではどうだろう。授業は難しいかな?」


「極端に難しいとは思いません。まだついていけてると思います」


バインダーを脇に挟んで見ないで話をする。


「ふむ、私は物理が苦手で苦労したよ。奥野くんはどの教科が好き?」


「現代文、でしょうか。俺も物理は苦手です」


「あれって色んな公式覚えなきゃいけないから、余計に大変だよね。理数系っていうけど暗記科目じゃない?」


「あー、それは思いますね」


「奥野くんはさ、どういう子がタイプとかある?」


「いきなり話題変わりますね。そうですね・・・・大人しめな子でしょうか」


「こう、スタイルはどう?」


「あー、いや、そんなに気にはしないです・・・・」

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