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私の前で命を馬鹿にするな  作者: 黄野ポピー
3章

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二度焼き

酢豚の下ごしらえが終わるといよいよ調理だ。


「お肉には小麦粉をもみ込んで、野菜もお肉も全部油通しするわね」


「油通し?」


「短時間だけ揚げて、火を少し入れる、かしらね。中華では2回火を入れるホワンシャオ?っていう技法があるのよ」


「ホワンシャオ」


「今回は揚げて、炒める、で2回ね。油通しすることでコクも出るし、炒める工程が短時間になるから、具材の水分も失われにくいのよ」


ということでお肉は小麦粉をまぶして揉み込み、他の野菜はサッと素揚げしていく。流石にパイナップルはしなかったけど。


「素揚げした野菜とお肉を炒めて、味付けね。入れるのは酢、醤油、オイスターソース、砂糖を少し。炒めた所に調味料を加えて加熱して、最後にパイナップルを加えると」


じゃん、という効果音が出るようにツヤツヤの酢豚が完成した。


夕ごはんの時はそれはもう凄かった。ごはんがどんどん減っていくのだ。多めに炊いてもまだ足りないかと思ったが、なんとか皆が満足して終わったのを覚えてる。


2回火を入れる調理法。あとから調べたけど、正しい名前は分からなかったんだっけ。とりあえず二度焼き、ということで通じるらしいけど。


夏が始まるなー、というぼんやりとした感想で回想を締めくくると、今日の夕ごはんを考えながらすみれが先に通ったドアをくぐった。

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