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私の前で命を馬鹿にするな  作者: 黄野ポピー
3章

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206/222

アルバイト採用

「すみません、すっかり休んでしまいました」


「大丈夫よぉ。休めたなら何よりだわ」


「飲み物もらってもいいですか?」


「どうぞ。冷蔵庫にお茶やジュースがあるから、好きなもの飲んでね」


「奥野、くんだよね。りこの彼氏だった」


「え?あ、うん。確かりこの友だちの・・・・さちさん?」


「高田さちです」


「よろしく。俺のことは康太って呼んでよ」


奥野くんはジュースを取り出しながら笑いかけた。何がそんなに楽しいのだろうか。


「奥野くんは、なんでこの学校に?りことは違う学校だよね」


「寮のある学校に行きたくてね」


ここでなくてもいいのではないだろうか。


「さちさんはなんでここに?」


「あの街から離れようと思ったから、かな」


「ふ〜ん」


何だろうか。この何とも言えない感情は。この男は、わざわざりこと離れて何をしたかったのだ。


「奥野くん、これさちちゃんが今作ってくれたんだけど、少し食べてみない?」


「ありがとうございます。これは・・・・?」


「中に枝豆とチーズを入れて、揚げたものよ」


「ほんとだ!美味しいね、これ」


さくさくと食べてしまった。なんだろうか、この男は。こんなやつだったのか?


こんな男が私とりこの時間を奪っていたのか?


私はモヤモヤとした思いが燻っていくのを感じた。


「さちちゃん、アルバイトとかするつもりある?」


「・・・高校生になったし、どこかでやりたいとは思ってます。でもまだ探してないですね」


「それなら、ここで私の補助をしてくれないかしら?買い物や調理の補助。基本的な確認は私がするから、そんなに難しいことは言わないわよ」


「えっと、やるのは買い物と料理の手伝いだけでいいんですか?」


「そうね、基本的には。慣れてきたらごはんの一品を任せる、とかもあるかもしれないわ。時給というより、日給にした方がよさそうね」


「やります。やらせてください」


「ありがと〜。これであのおつまみレベルの物が食べられるわぁ」


採用基準、そこだったのか。

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