傷をえぐる
「ごちそうさまでした」
と声をかけてから朝食を終える。
「さちちゃん、今日はお皿洗うの私がやるからね」
と、すみれが言ってきてくれた。
「すみれ、いいのよ?好きなことやってても」
「これが私の好きなことだもん。寮監さんからもOKもらったよ」
「・・・・・・それなら、お願いしようかしら」
「うん、おまかせあれだよ」
というわけで、私は先に自分の部屋に帰ってきた。とはいえやることはない。テスト明けで課題も出てないし、復習等はテスト勉強でさんざんやったし。お菓子でも作るか・・・・と考えていると、ドアがノックされた。すみれがお皿洗いを終えたのだろうか?
「康太だけど、今話せる?」
・・・・・・そういえばコイツのことを忘れていた。考えたくなくて忘却していたらしい。
ふぅー。と重たい息を吐きつつドアへ向かう。
「なになしら?」
多分声は凄まじく冷たいだろう。自分でも驚くくらい温度がなかった。
「学校でのこと、謝りたくて。その、ごめん」
「いいわよ、貴方は悪くないでしょう?悪いのはあの場で取り乱した私の方だわ」
そうだ、私が悪い。あの瞬間、色んな思いが頭の中で駆け巡って猫をかぶることすら忘れていた。
「でも、さちがあんな風に言うなんて、すごいこと、だろ?」
「そうね、なかなか無いと思うわ」
「だから、それだけさちには大きな事だったんだ、って思って。それで」
「謝りにきた、わけね」
こくり、と頷いた。
「あの時言ったのは本心よ。私はあなたが憎い。だから、出来るだけ関わらないでほしい。最低限の会話はするけど、それだけにしたいわ」
「わかった。今後はむやみに話しかけたりはしない。でも、改めて聞かせてほしい。さちにとって、りこはどんな存在だったのか」
「・・・・そうね。私にとってのりこは何よりも大切なものよ。きっと、恋心として、好きだったんでしょうね」




