73/90
80
ここから冴島が決めれば小池が決め返すという展開が続く。試合はそのまま進み残り2分で68-63。冴島がゴール下のシュートを決めたところで宇治菰野がタイムアウトをとる。
「点差拡がらねえな」
「小池さんがすごい。あのスピードはなかなかいない」
ベンチに戻りながら冨田と話す。
「あと2分だが80点とるつもりで行けよ」
無茶を言う鈴木監督。ここから2分で12点はさすがに厳しい。
「本気で狙いますよ、80点」
冴島が呟く。監督やコーチは弱冠引いている。
「ま、任せたぞ」
ベンチが選手を送り出す。
「冴島さん、本気ですか?」
「当たり前だ」
俺は心配になり冴島に尋ねるが、本当に狙うようだ。計算すれば1分で6点、30秒で3点、20秒でワンゴールしなければならない。そんな事が可能なのだろうか。
「大和、ちゃんと合わせろよ」
冴島に忠告され、黙って頷く。冨田と目を見合わせ、冨田もやや動揺しながら頷く。




